《解 説》
一 Yは、平成四年九月一五日、所有する帆船シエヘラザード号(以下「本件ヨット」という。)に、同僚の訴外Aら四名を乗船させて、外洋帆走を楽しむため、那珂湊マリーナを出航し、那珂川河口に向けて航行中、河口付近において連続して三度の大波を被ったが、その際、甲板上にいたAは、海中に投げ...
《解 説》
Xは明治四五年生まれの会社社長であるが、平成二年六月、A銀行の支店長代理からY保険会社の営業所長Bを紹介され、Bから変額保険加入を勧められた。Xは同年一〇月末、A銀行から八三〇〇万円を借り入れ、そのうち七八三五万円余を保険料としてYに支払い、同年一一月一日付をもって基本保険金一...
《解 説》
一 旅行業法は、旅行業者の債務の引当てとするために、旅行業協会に、旅行業者から納付を受けた弁済業務保証金分担金を弁済業務保証金として供託させ、旅行業者との間で旅行業務によって取引をした者に、その供託金の還付請求を認めている。右供託金の還付を請求する者は、旅行業協会の認証を受けな...
《解 説》
一 訴外A弘済会は、平成五年三月一日、Y(保険会社)との間で、訴外Bを被保険者として、勤労保険及び癌死亡保険契約(以下「本件契約」という。)を締結していたところ、Bが、平成六年二月一四日、胃癌により死亡したため、保険金受取人であるXは、Yに対し、本件契約に基づき、合計一四一〇万...
《解 説》
一 XらはA(平成二年二月一日死亡)とその内縁の妻との間の子である。Xらは、Aの本妻Bが、Aの相続財産ではなくB固有の財産であるなどとして所有権確認等の訴えを提起していた係争物件(以下「本件物件」という。)を、Aの相続財産に含まれるものとして計上し、相続税の申告をした。そして、...
《解 説》
競輪杯に宮家の名を冠することの謝礼として、昭和五二年から平成六年までの間、O市(市長Y1)及びS県(知事Y2)が一年交代で(但し、昭和六三年以降はO市のみ)宮家に公金を支出していたが、右支出について憲法八条に基づく国会の議決がなく、皇室経済法二条の例外事由もないことから、O市及...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六〇年一二月、自家用自動車を運転して、愛媛県伊予郡内の国道五六号線を走行中、道路右側の擁壁に右自動車を衝突させ、右自動車が炎上する事故が起きたため、死亡した。
そこで、Aの相続人であるXらは、右自動車を被保険自動車とする自動車保険契約とAを被保険者とする傷害...
《解 説》
一 Xは土地を競売で買い受けた者であり、Yはその地上建物の所有名義人である。Xが所有権に基づいて建物収去土地明渡等を求めたのに対し、Yは、①短期賃借権(民法三九五条)と②法定地上権(民法三八八条)を主張している。
1 争いのない事実
Aは土地と地上建物(昭和四八年ころ建築さ...
《解 説》
一 Xは、潜水器材の開発と製造販売及びダイビング講習を業とする者であるが、平成元年九月から平成五年一〇月までの間に沼津市大瀬崎海域で潜水した際、大瀬崎を含む内浦周辺の漁業者で構成されるY漁業協同組合に対し潜水料の支払を余儀なくされたことにつき、Yは、潜水料を徴収する法的な権限が...
《解 説》
Xら一二九名は税関に勤務する職員で組織する労働組合のK支部及びこれに所属する者(一部、死亡による訴訟承継がある)であるが、昭和三八年四月から同四九年三月までの間、税関長からK支部の組合員であることを理由として、昇任、昇格、昇給につき不当な差別を受け、これにより経済的、精神的損害...
《解 説》
本件は、破産に瀕した不動産会社の代表取締役であった被告人が、債権者の権利行使により会社の財産をすべて失うことをおそれ、右翼団体の名誉塾長にその妨害を依頼し、右塾長らと共謀の上、破産会社の所有不動産に、ダミー会社や右塾長が実質的に代表者を務める会社を権利者とする無償の地上権を設定...
《解 説》
一 事案の概要
1 X(松山市)は、昭和三〇年三月、旧国鉄松山駅前整備事業の一環として、貨物の搬出、搬入用の道路を造るため、Aから本件土地を買い受け、同年度の失業対策事業で盛土をし、昭和四二年には、敷地全体をアスファルトで舗装し、現況に近い形態の道路として整備し、遅くとも昭和...
《解 説》
本件は、地下分水路トンネルの掘削工事作業中に、折からの台風の影響でトンネル入口部分の掘削地に隣接する河川が氾濫して、右掘削地に水が流入して貯留し、内部への水の流入を防ぐ目的で設置されていた「仮締切」(仮設構造物)がその水圧により決壊し、トンネル内部に雨水が流入し、作業中であった...