《解 説》
一 訴外Aは、社団法人いわき理容美容協会の理事長であったが、平成五年六月、自動車運転中に、北茨城市の大津漁港の埠頭から、自動車ごと海中に転落して死亡した。
そこで、Aの遺族であるXらは、Aを被保険者として傷害保険契約等を締結していた保険会社Yらに対し、死亡保険金等の支払を求め...
《解 説》
一 本件は、現職の茨城県つくば市長が、支持者と共謀の上、次期市長選挙で再選されるために一七名に各五万円を供与し、三名に各五万円を供与しようとし、併せて事前運動をしたという事案である。
第一審では、被告人は全面的に事実を争ったが、第一審判決(本誌九五五号二八二頁)は、事実を認め...
《解 説》
一 本件はいわゆる過労死事件である。甲銀行の銀行員であり、旅行代理店乙に出向していたAは、年末御用納めの翌日(休日)朝、自宅で排便中に倒れ、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で死亡した。Aの妻であるXはY1(労基署長)に対し、Aの死亡は乙の業務上によるもの(過労死)であると主張して...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、A県が、被告社団法人の法人県民税については国が賦課した当該年度の法人税額を課税標準とし、法人事業税については国が賦課した当該年度の法人税の課税標準とされた所得を課税標準として算出し、平成元年から平成五年度までいずれの税についても課税しなかったところ、A...
《解 説》
一 Yは、平成四年九月一五日、所有する帆船シエヘラザード号(以下「本件ヨット」という。)に、同僚の訴外Aら四名を乗船させて、外洋帆走を楽しむため、那珂湊マリーナを出航し、那珂川河口に向けて航行中、河口付近において連続して三度の大波を被ったが、その際、甲板上にいたAは、海中に投げ...
《解 説》
Xは明治四五年生まれの会社社長であるが、平成二年六月、A銀行の支店長代理からY保険会社の営業所長Bを紹介され、Bから変額保険加入を勧められた。Xは同年一〇月末、A銀行から八三〇〇万円を借り入れ、そのうち七八三五万円余を保険料としてYに支払い、同年一一月一日付をもって基本保険金一...
《解 説》
一 旅行業法は、旅行業者の債務の引当てとするために、旅行業協会に、旅行業者から納付を受けた弁済業務保証金分担金を弁済業務保証金として供託させ、旅行業者との間で旅行業務によって取引をした者に、その供託金の還付請求を認めている。右供託金の還付を請求する者は、旅行業協会の認証を受けな...
《解 説》
一 訴外A弘済会は、平成五年三月一日、Y(保険会社)との間で、訴外Bを被保険者として、勤労保険及び癌死亡保険契約(以下「本件契約」という。)を締結していたところ、Bが、平成六年二月一四日、胃癌により死亡したため、保険金受取人であるXは、Yに対し、本件契約に基づき、合計一四一〇万...
《解 説》
一 XらはA(平成二年二月一日死亡)とその内縁の妻との間の子である。Xらは、Aの本妻Bが、Aの相続財産ではなくB固有の財産であるなどとして所有権確認等の訴えを提起していた係争物件(以下「本件物件」という。)を、Aの相続財産に含まれるものとして計上し、相続税の申告をした。そして、...
《解 説》
競輪杯に宮家の名を冠することの謝礼として、昭和五二年から平成六年までの間、O市(市長Y1)及びS県(知事Y2)が一年交代で(但し、昭和六三年以降はO市のみ)宮家に公金を支出していたが、右支出について憲法八条に基づく国会の議決がなく、皇室経済法二条の例外事由もないことから、O市及...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六〇年一二月、自家用自動車を運転して、愛媛県伊予郡内の国道五六号線を走行中、道路右側の擁壁に右自動車を衝突させ、右自動車が炎上する事故が起きたため、死亡した。
そこで、Aの相続人であるXらは、右自動車を被保険自動車とする自動車保険契約とAを被保険者とする傷害...
《解 説》
一 Xは土地を競売で買い受けた者であり、Yはその地上建物の所有名義人である。Xが所有権に基づいて建物収去土地明渡等を求めたのに対し、Yは、①短期賃借権(民法三九五条)と②法定地上権(民法三八八条)を主張している。
1 争いのない事実
Aは土地と地上建物(昭和四八年ころ建築さ...
《解 説》
一 Xは、潜水器材の開発と製造販売及びダイビング講習を業とする者であるが、平成元年九月から平成五年一〇月までの間に沼津市大瀬崎海域で潜水した際、大瀬崎を含む内浦周辺の漁業者で構成されるY漁業協同組合に対し潜水料の支払を余儀なくされたことにつき、Yは、潜水料を徴収する法的な権限が...