《解 説》
Xは、公立小学校の給食調理師として勤務中、熱風消毒器の通電部分に右手人差指を接触させて感電し、右事故による電撃障害及び全身倦怠について、公務上の災害の認定を受けた。その後、Xは、右事故によって狭心症を発症したと主張して、Yに対し、公務災害追加認定請求をしたが、狭心症は公務に起因...
《解 説》
一 本件は、青果物の包装体に関する特許権を有している原告が、被告が製造、販売している複合フィルム製袋(被告物件)が右特許権の技術的範囲に属する青果物の包装体の生産にのみ使用する物であるから、被告物件を製造、販売する被告の行為は、右特許権のいわゆる間接侵害(特許法一〇一条一号)を...
《解 説》
一 事実関係には本判決からだけでは判然としない点もあるが、ほぼ次のようなものであったものと考えられる。
昭和六〇年八月三〇日、当時二三才の会社員であったAは交通事故で重傷を負い、Y医師がその救急医療を担当した。Aの身体状態は一旦安定したようであるが、数時間を出ずして容体が急変...
《解 説》
県立高校の校門で遅刻者の指導に当たっていた教諭が安全を確認せずに校門を閉めたため、女子高生が圧死した事故があったが、同高校においては、その後、旧校門を撤去し、新たに校門を設置、改修する工事をした。本件は、県民であるXらが右の工事が何ら必要性もないのに保護者らの理解を得ずに行われ...
《解 説》
一 本件は、海外商品先物取引受託業を営むY1社の顧客であるX1ら七九名が、Y1社、グループ会社Y2、会社創業者で実質的なオーナーY3、取締役Y4ないしY7及び営業担当の従業員Y8ないしY17に対し、会社ぐるみで、①Y2が差玉向かいを立てることにより委託保証金を詐取した、②頻繁に...
《解 説》
一 本件は、被告の経営する「浴場を主体とした遊戯施設」においてマッサージ師として勤務していた原告が、被告のした解雇の無効を主張して、未払賃金の請求をした事件である。
第一審及び原審は、以下のように判示して、本件解雇は無効であるが、被告がその後予備的にした解雇は有効であるとして...
《解 説》
Xは昭和五六年五月、鉄道会社から分譲住宅を購入し、同年五月から居住しているが、X宅の前の公道上がX宅を含めて一二世帯のごみ集積場として利用されてきた。X及びこれと同様の立場にある団地住民が平成二年以降ごみ集積場所の移動の可否等を検討し、その結果同六年に六ブロックにおいてごみ集積...
《解 説》
本件事案は、Y証券会社の従業員が、台湾在住の台湾人であるXに対して国際電話で株式型の投資信託取引を勧誘した際、Y社が銀行預金以上の利回りを保証する旨の約束をしたので、Xは数回にわたり取引したところ、元本割れにより損失を被ったとして、XがY社に対し、右従業員の違法な勧誘行為(適合...
《解 説》
一 被告Yは、和歌山県知事選挙に立候補し落選した者であるが、Yの選挙運動において、公職選挙法(平成六年法律一〇五号による改正後のもの)二五一条の三第一項にいう組織的選挙運動管理者等が同法二二一条一項一号所定の犯罪を犯し有罪の確定判決を受けた。そこで、検察官Xは、Yに対し、同法二...
《解 説》
一 本件の事案は、以下のとおりである。Xの兄である訴外Aは、訴外Bらから、その所有する本件土地を賃借し(本件借地契約、本件借地権)、Y1に対し、その西側半分(本件敷地部分)を転貸し(本件転貸借契約、本件転借権)、Y1は、右地上に本件建物を建築所有した。その後、Xは、Aから本件借...
《解 説》
一 本件は、大阪府高槻市の内申書開示請求訴訟の控訴審判決である。
市立中学三年に在学していた原告Xは、公立高校への入学願書の提出に先立ち、高槻市個人情報保護条例に基づいて、市教育委員会Yに対し、入学者選抜の資料として公立中学から公立高校に送付される調査書(内申書)の開示を請求...
《解 説》
Xの夫Aは昭和四二年以来バス会社に勤務し、観光バスのいわゆるスペア運転手(代替要員)として観光客を乗せたバスを長距離運転していた者である。Xは、昭和六三年二月二〇日バスを運転中に左手のしびれを発症し、高血圧性脳出血(右視床部出血)と診断され、左半身麻痺の後遺症を残したため、Y労...
《解 説》
Xら夫婦は、妻X1の分娩に関し、産婦人科から社会保健診療報酬支払基金に提出され、社会保健事務所に送付された診療報酬明細書(レセプト)について、Y知事に対し公文書の公開等に関する条例に基づき公開を求めた。これに対しYは、本件公文書が兵庫県の公文書の公開等に関する条例八条一号所定の...
《解 説》
一 訴外Aは、平成四年一〇月二九日、山口県熊毛町内の県道上を、軽貨物自動車を運転して走行中、島田川にかかる橋の欄干に衝突し、全身打撲により死亡するに至った。
そこで、Aの相続人であるXらは、Aが傷害保険契約を締結していたY保険会社に対し、死亡保険金八〇〇〇万円を請求した。
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《解 説》
一 事実経過
Xら二四名(相続人を含まない)は、水俣病に罹患したと主張し、昭和四七年一二月から同五二年五月にかけて、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法三条一項又は公害健康被害補償法(昭和六二年法律第九七号による改正前のもの)四条二項に基づいて、K県知事宛に水俣病の認定...
《解 説》
一 連帯保証債務を担保するための抵当権に基づく競売の申立て及び競売開始決定正本の連帯保証人に対する送達が、連帯保証の主債務の時効中断の効力を有するかが争われた事件である。
二 本件の事実関係の概要は次のとおりである。
1 Xは、住宅ローン融資などを業とする会社、Aは、不動産...
《解 説》
一 固定資産評価基準(地方税法三八八条一項、以下「評価基準」という。)によれば、Xの所有していた山林の評点数は、①原則として小字の区域ごとに状況類似地区を区分し、②各地区ごとに標準山林を選定し、③各標準山林に評点数を付した上、④これに搬出距離の差異等を基にした補正をして求めなけ...