《解 説》
一 Yは、昭和五八年一二月一四日、Aに対して三億九〇〇〇万円を貸し渡し、同日その貸金債務を担保するために本件建物に抵当権を設定し登記を了した。他方、Xは、平成六年二月四日、Aとの間で取引限度額三〇〇〇万円の継続的金銭消費貸借契約を締結し、その貸金債務の担保として、平成六年三月分...
《解 説》
本件は、全身火傷を負って倒れていた女性Aを消防署員及び警察官が救護しなかったのは違法であるとして、夫X1、子X2らがY1市及びY2府に対して国家賠償を求めた事案である。
事実関係はおよそ次のとおりである。すなわち、平成元年九月一六日二三時四九分ころ、警察署に団地で人が燃えてい...
《解 説》
一 本件は、いわゆる保険金詐欺目的の殺人、詐欺等の事件について、第一審で死刑が宣告され、原審でもその科刑が維持されたが、最高裁が刑訴法四一一条二号によって職権で原判決及び第一審判決を破棄した上自判し、被告人を無期懲役に処した事案である。
原判決(本誌六七四号二四七頁)及び第一...
《解 説》
Y1旧国鉄(現日本国有鉄道清算事業団)の東北自動車部に採用され、青森営業所で車掌兼ガイドの仕事をしていたXら両名は、昭和六一年八月八日、人材活用センターに担務指定され、雑作業に従事した後、同六二年二月一二日、Y2(東日本旅客鉄道株式会社)の設立委員会委員長から同年四月一日付でY...
《解 説》
一 事案の概要
那覇防衛施設局長は、建築基準法一八条二項に基づいて、海上自衛隊の庁舎の建築工事に関する計画を那覇市建築主事に通知し、右建物の設計図及び建築申請に関する資料を提出したところ、建築主事は、右申請が建築基準法に適合している旨の判断をした。その後、この資料は那覇市で保...
《解 説》
一 本件は、「名古屋市議会の議員の定数及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例」に基づく定数配分規定の下で平成七年四月九日に行われた名古屋市議会議員一般選挙につき、投票価値の較差、逆転現象及び人口比定数と現行定数のかい離等から定数配分規定は公職選挙法(以下「公選法」と...
《解 説》
債権者が、債務者の預金債権を差し押さえる場合には、実務上取扱店舗を特定して差押命令を発している(東京地裁民事執行実務研究会・債権執行の実務一六七頁、東京地裁債権執行等手続研究会・債権執行の諸問題五七頁参照)が、債務者が同一金融機関の複数の支店ないし本店に預金債権を有している疑い...
《解 説》
一 Xは、昭和五四年以来、船橋市議会議員の職にあり、平成七年四月実施の同市議会議員選挙に日本共産党公認候補として立候補を予定していた者であるが、平成五年七月実施の衆議院議員選挙において千葉県第一区から無所属で立候補したYが、テレビの政見放送において、「共産党の市議会議員が、スキ...
《解 説》
一 Xの亡夫Aは、B会社に製鋼作業員として勤務し、ペンダント作業に従事していたが、休憩時間中に心筋梗塞を原因とする急性心不全で死亡した(当時四六歳)。XがYに対し、Aの死亡について労働者災害補償保険法に基づき遺族補償給付及び葬祭料を請求したところ、YがAの死亡は業務に起因するも...
《解 説》
一 Xの夫Aは、昭和六〇年四月から千葉県立匝瑳高校の教諭として勤務していた者であるが、昭和六二年九月二三日、同校グランドで陸上部の部員の練習指導をした後、墓参りに行くため、車で千葉県旭市にある実家に向かったところ、途中胸が苦しくなったため、救急車で旭市内の旭中央病院に搬送された...
《解 説》
一 XとY1Y2は隣接して土地建物を所有する者である。Xの土地内には、Xが土地所有権を取得する前からY1の水道管・ガス管とY2の水道管が敷設されていたが、Xは駐輪設備を設ける必要等が生じたとして、Y1Y2に対し、水道管及びガス管を撤去するよう求めた。これに対して、Y1Y2は、地...
《解 説》
Xらの子供であるAは、原動機付自転車(以下「原付車」という。)を運転してYが維持管理する国道を夜走行していたが、交通が渋滞し、停止・発進を繰り返している状況で、前方の大型トレーラーを追い抜くため、走行車線から道路の路肩に進入して右トレーラーを追い越し始めたところ、歩道の縁石に運...
《解 説》
一 本件は、賃貸人Yと賃借人Xとの間でされた建物賃貸借に係る起訴前の和解に対する請求異議請求訴訟である。
Xは異議事由として、この賃貸借は一時使用ではないのに、一時使用目的とされている旨主張したほか、本件和解調書は、「民事上ノ争」がないのに作成された無効のものであると主張した...
《解 説》
本件の事案の概要は、次のとおりである。A所有の建物にAの債務を被担保債権とする第一順位の根抵当権を有するY(被控訴人)は、その建物の賃貸による賃料債権について物上代位として差し押さえたが、上記建物にはAの債務を被担保債権として同じく第一順位でX(控訴人)のためにも普通抵当権が設...
《解 説》
本件は、交通事故を起こした後、Y府警の警察官により暴行の罪で現行犯逮捕されたXが右逮捕を違法であると主張し、総額一五二万円余の損害賠償を求めた事案である。本件は、XY双方の控訴による控訴審判決であり、原判決(一部認容)を引用しているため、事案の詳細は不明であるが、YはXの現行犯...