《解 説》
一 本判決は、教育界で議論され、発生防止のための各種の取組がなされている体罰について、その存在を認定し、東久留米市及び東京都に対する五〇万円の慰謝料請求を認容したものである。
X1は市立中学二年当時、社会科の教師であるY1の指示に反論したところ、これに激昻したY1は、X1の机...
《解 説》
一 本件は、中学校及び高等学校を経営する学校法人Yが、専任講師として採用していたXに対し、(一)一年間の雇用期間が満了した、(二)仮に期間の定めのない雇用契約であるとしても一年間の試用期間中の本採用拒否であり留保された解約権に基づく解雇であるとして、雇用契約の終了を通告したのに...
《解 説》
本件は、昭和四九年四月より江戸川区立葛西小で日本語学級の教諭として在職していたXが、昭和六三年四月一日付けで墨田区立中川小の教諭へ転任となり、普通学級を担当することになったところ、Yによる右転任処分がその裁量権の範囲を越えるほか、手続にも重大な違背があり違法であると主張し、右転...
《解 説》
一 Xは、昭和五八年一〇月二〇日、Y1の運転する自動車の助手席に同乗していたところ、Y2の運転する自動車との衝突事故が起き、脳挫傷等の傷害を負ったが、まもなく、髄液鼻漏(鼻から髄液が漏れる症状)が現れた。
そのため、Xは、八年以上にわたり、幾度となく入通院と手術を繰返し、髄液...
《解 説》
Xは化学ぞうきん等の清掃用品の貸付等を業とする会社であるが、昭和四四年二月、Y1との間で代理店契約を締結し、ママピカットなるサービスマーク入りの化学ぞうきんを提供した。右契約においては、Y2が代理店営業を他に貸与、譲渡しても差し支えないが、この場合はXの承諾を得るものとする約定...
《解 説》
大井コンテナ埠頭付近の片側五車線の道路の第四車線上に、牽引車両を切り離して駐車されていたコンテナ積載用の台車(トレーラー)の後部に、普通乗用自動車が衝突し、同車の運転者及びその同乗者が死亡した。本件は、右運転者及び同乗者の両親であるXらが、トレーラーの運転者の使用者(Y1)、ト...
《解 説》
一 原告は東証一部上場企業の株式会社であった。本件で問題となった根抵当権設定契約は、被告が吸収合併した大阪府民信用組合(以下「信用組合」という。)が行ったものである。
本判決の認定したところによると、原告は、内紛に乗じられて仕手集団の介入を受け、経営権を掌握された後、仕手戦の...
《解 説》
一 外国人Xは、日本人と婚姻し、「日本人の配偶者等」の在留資格(本件在留資格)で本邦に在留していたが、平成六年七月から妻と別居状態となっている(本件訴訟の口頭弁論終結時においても、妻がXに対して提起した婚姻訴訟が係属している。)。Xは、平成七年三月、本件在留資格に係る在留期間の...
《解 説》
X(昭和二〇年生)は、平成二年三月から一年一か月間、Y証券会社から一二銘柄のワラントを購入し、その売却により二一五万四五一三円の利益を得る一方、四五六万三五五五円の売却損が生じ、権利行使期間の経過による六二一万一四三七円の損失も含め、差引八六二万〇四七九円の損害を被った。XはY...
《解 説》
一 Yは、昭和五八年一二月一四日、Aに対して三億九〇〇〇万円を貸し渡し、同日その貸金債務を担保するために本件建物に抵当権を設定し登記を了した。他方、Xは、平成六年二月四日、Aとの間で取引限度額三〇〇〇万円の継続的金銭消費貸借契約を締結し、その貸金債務の担保として、平成六年三月分...
《解 説》
本件は、全身火傷を負って倒れていた女性Aを消防署員及び警察官が救護しなかったのは違法であるとして、夫X1、子X2らがY1市及びY2府に対して国家賠償を求めた事案である。
事実関係はおよそ次のとおりである。すなわち、平成元年九月一六日二三時四九分ころ、警察署に団地で人が燃えてい...
《解 説》
一 本件は、いわゆる保険金詐欺目的の殺人、詐欺等の事件について、第一審で死刑が宣告され、原審でもその科刑が維持されたが、最高裁が刑訴法四一一条二号によって職権で原判決及び第一審判決を破棄した上自判し、被告人を無期懲役に処した事案である。
原判決(本誌六七四号二四七頁)及び第一...
《解 説》
Y1旧国鉄(現日本国有鉄道清算事業団)の東北自動車部に採用され、青森営業所で車掌兼ガイドの仕事をしていたXら両名は、昭和六一年八月八日、人材活用センターに担務指定され、雑作業に従事した後、同六二年二月一二日、Y2(東日本旅客鉄道株式会社)の設立委員会委員長から同年四月一日付でY...
《解 説》
一 事案の概要
那覇防衛施設局長は、建築基準法一八条二項に基づいて、海上自衛隊の庁舎の建築工事に関する計画を那覇市建築主事に通知し、右建物の設計図及び建築申請に関する資料を提出したところ、建築主事は、右申請が建築基準法に適合している旨の判断をした。その後、この資料は那覇市で保...
《解 説》
一 本件は、「名古屋市議会の議員の定数及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例」に基づく定数配分規定の下で平成七年四月九日に行われた名古屋市議会議員一般選挙につき、投票価値の較差、逆転現象及び人口比定数と現行定数のかい離等から定数配分規定は公職選挙法(以下「公選法」と...