《解 説》
申立人(福岡県)は、県営住宅に居住している相手方に建物明渡の訴えを提起し、勝訴判決を得たが、申立人は相手方に対し、賃料の遅滞が三カ月分に達したときは通知催告を要せずに自動的に契約解除となる旨の条項を入れた起訴前の和解に応じるならば、相手方を賃借人として賃貸してもよいとの意向を示...
《解 説》
一 被審人らは、各種年金の通知書等貼付用シール(「本件シール」)の製造業者であり、社会保険庁が指名競争入札の方法により発注する本件シールの受注予定者をあらかじめ決定するカルテル行為(「本件カルテル」)をしたとして既に排除措置を命ずる勧告審決を受けている。
本件は、そのカルテル...
《解 説》
一 原告(X)が被告建築主事(Y)に対して建築基準法六条一項に基づく建築物の建築確認申請(以下「本件申請」という。)をしたところ、Yは、本件申請に係る建築計画は、路地状部分の長さに対しその部分の幅員が不足するため、横浜市建築基準条例(以下「本件条例」という。)四条(建築物の敷地...
《解 説》
一 本件は、兵庫県議会議員選挙に立候補したが落選した原告が、その得票数が法定得票数に達しなかったことを理由に立候補の際に供託した六〇万円を没収されたため、公職選挙法九二条一項及び九三条一項に定められた供託(以下「選挙供託」という。)及び供託金の没収制度が憲法に違反する無効なもの...
《解 説》
一 本件は、被告人が多数回にわたって覚せい剤を他人に譲渡し、もって覚せい剤の譲渡を業としたことのほか、営利の目的で(一部はその目的なく)、覚せい剤を所持し、さらに、覚せい剤を自己使用し、けん銃用実包を所持したという事案である。
本件では、被告人が、「国際的な協力の下に規制薬物...
《解 説》
一 本件事案は、被告を起業者とする市街地開発事業に関し、県収用委員会がした原告らの土地を収用し金銭による損失補償をするとの収用採決につき、原告らが、土地収用法(以下「法」という。)一三三条に基づき、被告に対して、損失補償金に代えて替地による補償を求めたものであり、法一三三条の訴...
《解 説》
一 本件は、現職の茨城県つくば市長である被告人が、次期市長選で再選を果たすため、支持者と共謀の上、自己のために投票すること及び自己のための投票のとりまとめなどの選挙運動をすることの報酬として、選挙人ら二〇名に対し各五万円合計一〇〇万円を供与ないし供与しようとしたことについて、公...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年一〇月二四日から、神戸市中央市民病院に入院し、高血圧症等の治療を受けていたが、同月二七日、同病院一一階の面会コーナーに設置されていた椅子に腰掛けたところ、右椅子の座席部分を支える鉄パイプが突然外れたため、仰向けに一回転して床にひっくり返り、頚椎捻挫、腰椎捻挫...
《解 説》
一 Xは、Y(病院)において頚椎前方固定手術を受けたが、Yが右手術前にXに対して行った心電図検査ではXには異常が発見されており、Yは右手術を行うべきではなかったという事実を立証するために、右心電図記録(以下「本件文書」という。)が必要であるとして、その提出命令を求めた。これに対...
《解 説》
Xは、被相続人の有していた預金債権について遺産分割を申し立てたところ、原審は、預金債権が可分債権として当然分割されることを理由に遺産分割の対象にならないとしてXの申立てを却下する審判を下したようである。
Xの即時抗告により、本決定は、金銭債権であっても遺産分割の対象とされるこ...
《解 説》
債権者らが、債務者X1に対し、建物所有の目的で宅地を賃貸していたところ、債務者X1は、右土地上の木造建物が、平成七年一月の阪神・淡路大震災により全壊したとしてこれを取り壊し、債務者X2会社に発注して建物(以下「本件建物」という。)の建築工事に着手した。債権者らは、本件借地契約が...
《解 説》
一 X1は、建築の設計、施工等を業とする会社であり、横浜市港北区内において建物を建築中であったが、平成七年七月、Y1会社の駐車場に駐車していたY1所有の自動車を窃取して運転していた者の無謀運転による事故により右建築中の建物を損壊され、その復旧工事のため、六三一万〇三九八円の損害...
《解 説》
一 X(賃貸人)とY(賃借人)は、期間四年の建物賃貸借契約を締結したが、右契約においては、「Yが期間満了前に解約する場合は、解約予告日の翌日より期間満了日までの賃料相当額を違約金として支払う」旨の条項があった。Yは賃料支払が困難になり、約一〇か月後に契約を解約したため、XはYに...
《解 説》
一 X(請負人)とY(注文者)は、住宅建築請負契約を締結し、Xは工事を着工したが、Yは請負契約を解除する旨の意思表示を行い、建築中の未完成建物を取り壊した。XはYに対し、主位的に危険負担による工事残代金を、予備的に不法行為による損害賠償を請求した。これに対し、Yは、請負契約約款...
《解 説》
X1・X2夫婦の子であり、X3の孫であるY3市立小学校六年生のAは、平成四年四月一四日、学校近くの道路上で校外写生授業中、運送会社Y1の従業員Y2の運転するトラックに轢過されて死亡した。XらはYらに対し損害賠償を求める訴えを提起した。右訴訟においてY1が自賠法三条により、Y2が...
《解 説》
一 本件は、予防接種後に生じた障害について、予防接種との因果関係が争われた事例である。
原告X1は、昭和六三年一月(当時ほぼ五才)、百日せき・ジフテリア・破傷風の三種混合ワクチンの予防接種を受けたが、その数日後から発熱やけいれんを呈し、一か月後には意識障害、けいれん重積状態と...