《解 説》
一 本件は、本件土地(東京都小平市所在)の所有者であるX(青森県在住で本件土地上の本件建物をもと所有)が、本件建物を買い受けて本件土地の法定地上権を有するYに対して、地代不払を理由とする地上権消滅請求を主張して建物収去土地明渡等を求めた事案である。
Yは、Xが当初所在不明であ...
《解 説》
Xは、Yらからマンション建設につき設計・監理等の業務を代金一三五三万円の約で請け負い、設計等の業務を一部遂行したが、マンションの建設が近隣住民の反対にあって進行しなかったため、請負契約を解除したうえ、契約上の業務のうち、五三パーセントを遂行したとして、Yらに対し、Xの算定する出...
《解 説》
一 本件は、AVM(脳動静脈奇形)の全摘出手術に関する医療過誤事件である。
二 Aは、昭和四八年ころから左半身の麻痺や頭痛等の症状が出現し、大型のAVMと診断された。その後数年間、本件手術を行った病院等において投薬治療等を受けてきたが、症状の増悪、AVMの成長がみられたとして...
《解 説》
一 事案の概要
原告は労働者派遣を業とする被告との間で、業務内容を「ファイリング、給与計算、社会保険手続」として労働者派遣基本契約を締結し、派遣社員Kの派遣を受けた。Kは派遣先である原告で社会保険手続の一環として高額医療費一部負担還元金、家族療養付加金等の各種給付金の受け入れ...
《解 説》
Yは、X町の税務課長であったが、平成二年五月、同和団体の役員を名乗る者から某農地について宅地として課税されていたとの証明書を発行するよう要求され、専決権限に基づき、宅地としての課税証明書を発行した。右課税証明書が利用され、右農地はH社に二億六五二〇万円で売却されたが、後に宅地開...
《解 説》
一 本件は、日本人の夫からドイツ人の妻に対する離婚請求訴訟である。
1 XとYは、昭和五七年にドイツ民主共和国(東ドイツ―当時)で婚姻し、その後、ドイツ連邦共和国(平成二年一〇月の東西ドイツ併合前の西ドイツ)で婚姻生活を営んでいたが、平成元年一月にYがXとの同居を拒み、Xは、...
《解 説》
一 本件は、寺の住職の後継者争いに起因する紛争である。
宗教法人である寺院においては、住職の地位(宗教上の地位)にある者を宗教法人の代表役員及び責任役員(法律上の地位・宗教法人法一八条)に充てるとされていることが多く、本件寺院(被告・被控訴人・被上告人)においても同様であった...
《解 説》
一 本件は、金融業者であるXが、大手不動産会社Yの従業員であるA(本社商業施設事業本部事務管理課課長代理)から、Yが約三か月後に本件土地を地上げ業者から四億円で買い上げる予定なので、右業者に対して短期のつなぎ融資をしてほしいと頼まれたため、これを信じて右業者に三億二〇〇〇万円を...
《解 説》
本裁判例は、収賄の容疑で逮捕され、辞職した元市長個人を被告として、同市の住民である原告が、地方自治法二四二条の二第一項四号後段に基づいて住民訴訟を提起し、元市長の受領した退職手当相当額の不当利得を市に返還することを請求したものである。
原告は、元市長に対して市が前記不当利得返...
《解 説》
X2女とY男は昭和六〇年一一月以降交際してきたところ、X2は同六二年一一月X1を出産した。本件は、Yに対し、X1の認知を、X2がX1の監護費用としてX1が二〇歳に達する日の属する月まで一か月八万円の支払をそれぞれ求めた事案である。Yは、X2と交際し、X2がX1を出産したことを認...
《解 説》
破産会社Aに対するB等の届出債権は、いずれもA所有の不動産に設定された根抵当権の被担保債権であり、その内容は、A社の代表者らが共謀して偽造した疑いの持たれているX振出名義でAの裏書に係る約束手形の手形買戻債務等である。Xは、B等から手形金ないし不法行為による損害賠償の請求を受け...
《解 説》
一 平成六年九月四日の関西国際空港の開港に伴い同空港で発生するタクシー需要に対応するため、近畿運輸局においては、同空港を事業区域とするタクシー事業者以外のタクシー事業者に対しても、同空港を発地とする旅客の輸送に限り同空港の地域において業務を行うことを可能にするために「ポイント免...
《解 説》
一 Xは、液化石油ガス等の仕入販売を業とする会社であり、昭和五一年一二月に更生手続が開始されたA会社のいわゆるスポンサー会社であって、A会社の必要とする原材料を供給したり、資金援助をしてきたが、平成四年四月A会社が手形の不渡りを出して倒産し、同六年八月に更生手続も終結したため、...
《解 説》
一 本件は、私立K大学付属女子高校(以下「K高校」)の教諭である被告人が、放課後に教室内で再試験を実施していた際、再試験を受ける必要のなかった生徒Jが教室内にいたため、Jを廊下に出させようとしているうちに、Jがスカート丈についての校則に違反していることに気付き、スカート丈を直す...
《解 説》
一 本件は大阪府知事の昭和六〇年一ないし三月の交際費に関する公文書の公開を拒否した処分の取消訴訟である。第一審大阪地裁はこの公文書を全て公開すべきものとして知事の拒否処分を取消し、差戻前の控訴審大阪高裁も同様に判断して控訴を棄却した。しかし上告審の最高裁第一小法廷は控訴審判決を...
《解 説》
東京都の臨海副都心事業は、昭和四一年の都条例により臨海副都心地域の整備開発を行うことを目的として設置された地方公営企業法の一部の適用がある公営企業であるところ、都は平成二年一月に策定した「臨海副都心開発に伴う都有地の管理及び処分についての基本方針」により都有地の処分は原則として...
《解 説》
X1の夫であり、X2らの父であるAは、平成六年三月、駅のプラットホームで喫煙していた。Yは、前にもAに喫煙を注意したことがあったので、「何で吸ってんだよ。前にも注意したろ。」などと言いながら左肩あたりで肘を小突いて注意したところ、Aが向き直って「何も小突くことはねえだろ。」と文...