《解 説》
Aは昭和四八年一〇月、Y2から建物(床面積六七五平方メートル余)を賃借し、スーパーマーケットを営業した。その後、Aは株式会社Xに、Y2は有限会社Y1にいずれも法人成りし、XY1間で建物賃貸借契約が締結された。平成元年ころ、本件建物の敷地及び建物の一部が市道の改良拡幅工事の対象用...
《解 説》
一 原告らは、東京都内又は広島市内で不動産業等を営む者であるが、大蔵省銀行局長が金融機関に対して行ったいわゆる不動産関連融資の総量規制及び被告日本銀行が平成元年五月以降数次にわたって実施した公定歩合の引上げにより、地価が下落したため損害を被ったとして、被告国に対し、主位的に国家...
《解 説》
一 本件は、貸金債権を担保するために、債務者Aの第三債務者Yに対する敷金返還請求権に質権の設定を受けたXが、Aが賃借建物を明け渡した後に、民法三六七条の質権に基づく取立権により、Yに対して敷金の返還を求める事案である。
二 本件事案の概要は、次のとおりである。
K Yは、Aに...
《解 説》
一 本件は、平成四年度上半期の京都市議会議員の出張の費用に関する公文書の公開を拒否した処分の取消訴訟である。第一審の京都地裁はこの公文書を全て公開すべきものとして市長の拒否処分を取消した。
二 本件での特徴は、市長の問い合せに対し、市議会議長は、「現在議会で情報公開について検...
《解 説》
Xはパチンコ店を経営する有限会社Kに景品用のライターの発火石を納入していたが、K社が倒産したため代金一億六八二七万円余の回収が不能となった。XはK社の倒産の原因は、K社の売上金がその親会社である株式会社Sの負債の返済のため流用されたことにあり、K社の取締役であるYがこれに関与し...
《解 説》
一 Xは、昭和六一年一二月、ゴルフ会員権の売買などを業とするYから、株式会社野澤観光が将来開設するゴルフ場(大月中央カントリークラブ)の正会員の地位を代金三二〇万円で買受け、Yに対して右売買代金を支払ったが、野澤観光が平成二年末ころ倒産し、右ゴルフ場の開設は不可能となった。
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《解 説》
一 A会社は、航空運送事業等を目的とする株式会社であり、その株式の大部分をX1ないしX9(X1ら)が、保有するいわゆる同族会社であったが、X1らは、右株式をB会社に売り渡した。その後、B会社が代金完済前に破産したため、X1らは、株式売買契約が破産法五九条により解除されたとして、...
《解 説》
一 Xは、訴外A社に対しコンピュータのリース料債権を有していたが、A社について任意整理が行われたため、A社との間で、右債権の約三割について中間配当を受けるとともに、残債権については、A社が第三者に対して提起した別件訴訟の帰趨に従って配当を受け、右配当を受けたとき又は配当原資が存...
《解 説》
一 本件は、本件土地(東京都小平市所在)の所有者であるX(青森県在住で本件土地上の本件建物をもと所有)が、本件建物を買い受けて本件土地の法定地上権を有するYに対して、地代不払を理由とする地上権消滅請求を主張して建物収去土地明渡等を求めた事案である。
Yは、Xが当初所在不明であ...
《解 説》
Xは、Yらからマンション建設につき設計・監理等の業務を代金一三五三万円の約で請け負い、設計等の業務を一部遂行したが、マンションの建設が近隣住民の反対にあって進行しなかったため、請負契約を解除したうえ、契約上の業務のうち、五三パーセントを遂行したとして、Yらに対し、Xの算定する出...
《解 説》
一 本件は、AVM(脳動静脈奇形)の全摘出手術に関する医療過誤事件である。
二 Aは、昭和四八年ころから左半身の麻痺や頭痛等の症状が出現し、大型のAVMと診断された。その後数年間、本件手術を行った病院等において投薬治療等を受けてきたが、症状の増悪、AVMの成長がみられたとして...
《解 説》
一 事案の概要
原告は労働者派遣を業とする被告との間で、業務内容を「ファイリング、給与計算、社会保険手続」として労働者派遣基本契約を締結し、派遣社員Kの派遣を受けた。Kは派遣先である原告で社会保険手続の一環として高額医療費一部負担還元金、家族療養付加金等の各種給付金の受け入れ...