《解 説》
一 訴外A(昭和三八年三月生)は、平成二年一一月、ウイルス性脳炎の疑いでYの開設する「赤穂市民病院」に入院したが、Aが錯乱状態にあったことから、担当医師は、鎮痛剤と筋弛緩剤を投与してAの自発呼吸を抑制したうえ、気管切開術を行い、切開部に挿入したカフ付き「カニョーレ」を人工呼吸器...
《解 説》
一 XとAとはもと夫婦で、Yとの間でその製品の販売活動につき財産的価値のある一定の契約上の地位を共同名義で有していた(ディストリビューター契約)。AはXに対し、離婚に伴う夫婦の共有財産の所有権移転等を求める訴訟を提起してアメリカ合衆国バージニア州の判決を得、右判決は確定した。そ...
《解 説》
一 本件は、いわゆる統一教会の合同結婚式に出席し、Y(韓国籍)との婚姻届出を済ませたX(日本国籍)が、Yに対し、右婚姻の意思がなかったことを理由に、婚姻無効確認訴訟を提起した事案である。なお、Yは、裁判所に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しなかった。
本判決は、まず、本...
《解 説》
Xは、母Aが合名会社であるYの社員であり、合計二分の一の持分を有していたところ、Aが死亡退社したので、Xの相続分二分の一に応じた持分の価格七九九四万円余の払戻請求権を有すると主張して、その支払いを求める訴えを提起した。これに対しYは、本案前の抗弁として、Aの遺産につき、分割の協...
《解 説》
一 Yは旅行業等を行う会社であり、ホテルを経営するAとの間で、宿泊券の発行及びこれに関連する業務について定めた宿泊券契約を締結していたところ、Xは、Aを債務者、Yを第三債務者として、旅行者とYとの旅行契約に基づく宿泊に関しAがYに対して有する売掛金債権について仮差押決定を得、そ...
《解 説》
一 被告は中部地方における唯一の電力会社であり、原告ら九〇名(三名が途中死亡しその遺族が訴訟承継している。)は、昭和二三年から四〇年にかけ中学又は高校を卒業して被告に入社し各地の発電所、支社等に勤務していた者である。本件は、被告が、昭和四〇年頃から、反共労務施策の一環として、原...
《解 説》
一 X1は女優、X2はX1と専属出演契約を締結している会社である。Y1は写真集の企画制作会社、Y2は写真集の出版社である。Yらは、X1の写真(ヘアヌードを含む。)を使用した写真集を出版しようとしていた。Xらは、右写真集の出版は、写真集に使用する写真はXらの事前の承認(フィルムチ...
《解 説》
Xは爆発物取締罰則等違反等被告事件により死刑判決が確定した者であるが、在監中にAと養子縁組をし、上告棄却判決後、その確定前にBと婚姻届を提出した。Xは、同判決確定後、拘置所長からBとの接見交通を一時認められず、その後も接見及び信書の発受回数を制限された。また、Xは矯正関係判例集...
《解 説》
一 本件は、JR関係の労働者で組織する労働組合の連合体であるXが、何者かによって殺害されたその総務部長を追悼する合同葬のため、Y市の設置する公の施設であるY市福祉会館の使用許可を申請したところ、これを不許可とされたため、この不許可処分が違憲、違法なものであるとして、Yに対して、...
《解 説》
Xら二八名は自動車部品製造会社Yに二か月の雇用契約により採用され、更新を続けた女子臨時社員であるが(最古参者は昭和四三年一月採用)、労働内容が正社員と同様であるのに、賃金の額において違法に差別を受けたと主張し、不法行為に基づき、平成二年一〇月以降の差額賃金相当の損害金、慰謝料及...
《解 説》
Xの妻A(当時三八歳)は、県立養護学校高等部の教諭であったところ、昭和六一年一〇月三日、校外マラソンの指導中に急性心不全を発症し、一〇日後に死亡した。Xは、Aの死亡が公務に基づくものであるとして、Y(地方公務員災害補償基金県支部長)に対し、公務災害の認定を求めたところ、公務外災...
《解 説》
X(水資源開発公団)はC県内にダム用地を所有しているが、隣接するY1所有の本件土地内にその甥のY2らの仲介によりY3社(代表者Y4)及びY5社(代表者Y6)が大量に土砂や産業廃棄物を投棄したため、これらがX所有地に滑り落ち、大量に堆積したとして、Y1、Y3、Y5に対し、所有権に...
《解 説》
本件の二件の判決は、いずれも酒販店のコンピュータシステムにかかるリース契約について、リース物件が未納入である場合の法律関係が争われた事案であり、事実関係はおおむね共通している事例である。これにつき、本件の各判決はいずれも、それぞれの事実関係の下ではリース物件の納入がなされていな...
《解 説》
一 本件は、人工透析を必要とする腎臓病患者が、精神病を併有していたために透析を断られ、死亡に至ったことにつき、透析を断った病院の責任が問われた事例である。
Aは、平成三年当時四二才で、腎臓病等の治療のため、甲病院に入院していたが、腎機能の急激な悪化のため、血液透析を含む治療を...
《解 説》
Xの妻Aは、証券会社Yの社員Bの勧めによりXの名でワラント(外貨建て分離型)を購入したが、無価値となって損害を被った。Xは、右ワラント購入は、Xに無断でなされたものであり、そうでないとしても、Bがワラントの危険性について説明しなかったのは、債務不履行又は不法行為に当たると主張し...