《解 説》
一 本裁判例は、都市ガス供給等を業とする会社であるXのした法人税確定申告(青色申告書によるもの)について、Yがした更正及び過少申告加算税賦課決定の取消請求に関するものである。Yは、Xの法人税確定申告において原料ガスの仕入価額が過大に計上されていることを理由として右更正及び過少申...
《解 説》
本裁判例の事案の概要は、以下のとおりである。被告会社は、遊園地の運営等を目的とし、岡山県が資本金の一部を出資して設立された第三セクター方式の株式会社であるが、被告岡山県知事は、平成二年二月二〇日以降、被告会社との間で締結された協定に基づいて、同県職員を被告会社に派遣し、その業務...
《解 説》
一 本件は、遷延した分娩に関する医療過誤訴訟で、事案の概要は以下のとおりである。
妊婦であるX2は、午前零時二〇分、陣痛が始まったのでYの経営管理する病院に入院したが、その後破水したため、午前九時に分娩室へ移動した。担当の甲医師は、午前一〇時三〇分、入院後初めてX2を診察した...
《解 説》
X1・X2夫婦の子Aは自転車に乗っていたところ、Bの運転する貨物自動車による交通事故のため死亡した。右交通事故については業務上過失致死事件として立件されたが、検察官はこれを不起訴処分とした。X1は、検察審査会に審査の申立てを行ったところ、同会はX1を検察審査会法三〇条の申立権者...
《解 説》
Xは、業務上横領事件で起訴され、一部有罪判決が確定した者であるが、右刑事事件の第一審において裁判長Y2が訴訟指揮により公判の最終段階で公判調書の立証趣旨に関する記載等の書換えを行わせ、変更後の立証趣旨に対するXの意見陳述の機会を奪い、公正な裁判を受ける権利を侵害したとして国Y1...
《解 説》
一 XはY2(会社)から、本件土地及び本件土地上にY2が建築する本件建物を購入し、X名義でY1(市)の建築主事から本件建物の建築確認(以下「本件確認処分」という。)を得、Y2が本件建物の建築を開始した。ところが、Aが、本件土地の北側に接する通路部分(以下「本件通路」という。)は...
《解 説》
一 Xは、日本の先進的知識・技術を学ぶために来日した中華民国の私費留学生であるが、平成五年六月八日、アルバイトとして、飲食店の看板を歌舞伎町内の道路標識柱に取り付けていたところ、新宿警察署の警察官から質問され、外国人登録証を所持していなかったため、歌舞伎町派出所に連行され、取調...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、国立の医科大学の付属病院で髄膜腫の手術を受け、抗痙攣剤二種(アレビアチン、フェノバール)の投与を受けていた患者である亡戸田幸代(以下「幸代」という)が、退院の際に処方された右抗痙攣剤二種及び便秘薬(ラキサトール)を服用していたところ、その副作用によって...
《解 説》
一 本件の事実関係は、若干複雑であるが、標題に関する限度で単純化すると、次のとおりである。
リース業者Xは、ユーザーA組合との間で、AがサプライヤーBから購入した厨房用冷凍冷蔵庫一式についてリース契約を締結し、Aの従業員であるY1及びY2が、AのXに対する債務につき連帯保証し...
《解 説》
一 X1は、第二子Aを懐妊したが、血小板が減少し、出血傾向が出現する可能性のある特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に罹患している疑いがもたれたため、切迫流産及びITP合併妊娠管理の目的で、国立大学医学部付属病院に入院した。その後、胎児は、推定体重が二七一二・三グラムになるなど正...
《解 説》
医師Aは平成二年一月Y銀行に三三〇〇万円を定期預金として預け入れ、その後、一か月満期の定期預金として元本を増額させ、同五年一〇月までに定期預金の元本は五二三七万円余に達した。Aは、平成六年一月死亡したが、同人の相続人である妻Xは、保存行為又は管理行為としてYに対し右預金の払戻請...
《解 説》
一 X1は、昭和五九年二月一三日、分娩のため、Y1の開設する国立埼玉病院に入院したところ、前置胎盤の疑いがある旨診断され、帝王切開術により次男X2を分娩したが、X2は新生児仮死状態に陥ったため、無酸素症による重篤な脳障害の後遺障害が残った。
そこで、X2とその父X3、母X1は...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、いわゆる富士見産婦人科病院事件に関連する名誉毀損事件である。
富士見産婦人科病院事件とは、昭和五五年九月に、「富士見産婦人科病院において無資格者である病院経営者が超音波検査装置を操作し、手術の必要のない多数の「患者」に対し、手術をしなければ命が危ない...
《解 説》
一 本件は、幼児の結核性髄膜炎に対する治療の当否が争われた事例である。
昭和四九年一一月二五日、当時二歳のX1は、高熱、嘔吐等の症状で、被告Y1が運営する広島赤十字病院を受診し、そのまま入院した。担当医となったY2医師は、アセトン血性嘔吐症及び急性咽頭炎と診断して解熱、点滴、...
《解 説》
本件は、自動車を運転中に事故により負傷したXが、その原因は、Yの製造した本件自動車が、その自動速度制御装置(ASCD)の欠陥により増速し、解除機構が作動しなかったことにあるとしてYに対し損害賠償を請求した事案である。原審はXの請求を棄却した。
Xは控訴審においてさらに、本件自...
《解 説》
一 本件は、週刊新潮一二月八日号に掲載された「特集・東京都税金Gメンが逆に怒鳴られた『二千三百億』滞納者」という記事の見出し、同誌宣伝のための新聞広告の見出し、原告の顔写真が、原告の名誉を毀損し、肖像権を侵害したとして、慰謝料一〇〇〇万円と謝罪広告の掲載とを求めた事案である。
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《解 説》
Y1は、石材の採取・販売を業とする有限会社であり、Xらはその代表取締役ないし取締役の地位にあった者である。
Y1は、平成元年一二月一九日、株式会社Tとの間で、Tが進めるマリーナ開発事業に協力し、同事業用地の現地における取得作業をする旨の業務協定を締結した。同協定は、同二年一月...
《解 説》
X1は、平成二年一月、Y3保険会社との間で4口の変額保険契約を締結し、保険料として合計一億五三三四万円余を支払ったが、その原資としてY2信用保証会社の信用保証のもとにY1銀行から一億七〇〇〇万円の貸付を受け、Xら夫婦は所有する不動産に根抵当権を設定した。本件は、X1がYらの変額...