《解 説》
一 本件は、司法書士名簿への登録を申請したところ、右申請に係る登録を拒否された原告が、右拒否処分の取消しと、慰謝料などの支払いを求めている事案である。
二 司法書士となるには、司法書士名簿に氏名等を登録しなければならないが、司法書士法六条の三第一項三号によると、登録申請者が司...
《解 説》
XはAに対しイカ釣りロボットの前面操作パネル三〇一台を一台二六万六〇〇〇円、合計八〇〇六万六〇〇〇円で売り渡した。AはBに運送を委託し、Yとの間で右貨物につき一台三三万四〇〇〇円、合計一億〇〇五三万四〇〇〇円として運送保険契約を締結した。Bの運転手は、右貨物をトラックに積載して...
《解 説》
一 訴外Aは、平成五年一月、Y銀行の池袋支店に定期預金として三〇〇万円を預け入れていたところ、同年八月死亡したので、その法定相続人であるX1、X2、X3は、遺産分割において、X1が五〇万円、X2が一五〇万円、X3が一〇〇万円をそれぞれ取得する旨の合意をしたうえ、Yに対し、それぞ...
《解 説》
一 本件は、フランチャイズシステムによるコンビニエンスストアの経営・委託等を事業目的とする株式会社ニコマートの株主であると主張する原告らが、同社の取締役・前取締役である被告らに対し、被告らが会社の事業に属さない不動産投機に乗り出し、会社に一〇〇億円を超える損害を与えたとして、そ...
《解 説》
一 本件は、被告テレビ局の記者が人権擁護団体に同行して原告法人が経営する精神病院との交渉の様子と病院の内部を無断で撮影取材した行為の不法行為の成否、及び被告テレビ局が右病院を実名で取り上げ精神病院一般の閉鎖性を問題とするドキュメンタリー番組を制作放映した行為が名誉毀損の不法行為...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和五一年四月、Y1(保険会社)に入社し、昭和六〇年八月から東京営業第二部小岩支社勤務となっていたが、昭和六二年一一月、東京女子医大病院において肺癌による呼吸不全により死亡した。
そこで、Aの姉であるX1と兄であるX2は、当時Aが勤務していたY1がY2(診療所)...
《解 説》
本件は、連帯保証人であるXから他の連帯保証人であるY1及びY2に対し、Xが代位弁済した額について求償を求めた事案である。原判決は、Xの出捐は、自己の不動産を売却するのに根抵当権設定登記を抹消してもらう必要があり、Xの出捐にもかかわらず、Xの包括根保証人としての地位に変更はなかっ...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
1 原告は、新技術事業団法に基づき政府の全額出資により設立された特殊法人であるところ、新技術事業団法には、事業団が企業等への委託により新技術の開発を実施しようとするとき、あるいはこれを変更しようとするときは、その新技術及び企業等の選定...
《解 説》
一 A信用組合の組合員であるXが、同信用組合のB社等に対する融資に関し、当時の担当理事であったY1(現在は代表理事)及び代表理事であった亡Cの遺族であるY2~Y5に対して理事の損害賠償責任(中小企業等協同組合法三八条)を追及して提起した代表訴訟において、A信用組合が、被告Y1ら...
《解 説》
一 本件事案と訴訟の経過は、次のとおりである。
Xの家族は、昭和五八年二月、神奈川県座間市にあるスーパーマーケットY店内でぺットショップを営んでいたテナントAから、手乗りインコ二羽を購入した。ところが、このインコがオウム病クラミジアを保有していたため、間もなく、家族がオウム病...
《解 説》
契約の締結に関する当事者の行為が契約の締結の誘引か契約の申込かは意思表示の解釈の問題であるが、この点に関する裁判例は非常に少ない。本件は保証契約に関するものであるが、債権者の取引開始前における保証人必要の発言は契約の申込ではないと判示したものである。取引の実務においては、債権者...
《解 説》
一 本件は、被告人が妻と被害者の不倫の現場を押さえたことから、憤激の余り、現場付近にあった文化包丁で被害者の左側胸部を突き刺して殺害したという事案において、犯行後の被告人の捜査機関に対する言動が自首に当たるかどうかが争われた事例である。
すなわち、被告人は、犯行直後自首を決意...
《解 説》
一 訴外Aは、平成二年一一月、助手席にXを、後部座席に訴外Bを乗せ、普通乗用車を運転して、千葉県市原市内の道路を走行中、右自動車を歩道上の街路樹に衝突させて炎上させ、自らは焼死するとともに、Xに対し全身熱傷の傷害を負わせた。
そこで、Xは、死亡した運転者Aの相続人であるY1と...
《解 説》
本件は、民法七三三条の再婚禁止期間の規定のために婚姻の届出が受理されるのが遅れ、これによって精神的損害を被ったと主張する原告らが、国に対し憲法一四条一項及び二四条に違反する民法七三三条の削除又は廃止の立法をしない国会の行為及び民法七三三条の削除又は廃止を求める法律案を提出しない...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、共同相続人の一人が、相続財産である不動産について、勝手に単独相続した旨の所有権移転登記を経由して第三者に譲渡した場合、この第三者が他の共同相続人に対して、民法八八四条に規定する相続回復請求権の時効を援用できるかが争われた事案である。
共同相続人の一人...
《解 説》
本件は、前訴(土地賃貸借の終了を原因とする建物収去土地明渡請求事件)で敗訴が確定した賃借人Xが賃貸人Yに対して、建物買取請求権を行使するとともに、前記債務名義の執行力の排除を求めたのに対して、Yは、本件の場合に建物買取請求を認めることは確定判決の既判力ないし遮断効に抵触する、建...
《解 説》
一 本件は、覚せい剤の密売人である被告人が、三回にわたって、営利目的で覚せい剤を代金合計一万六〇〇〇円で他人に譲り渡したほか、営利目的で覚せい剤約二・六gを所持したこと等により起訴されたという案件である。一審判決は、起訴事実すべての有罪を認定した上、懲役三年・未決一五〇日算入・...