《解 説》
A、B、Cの三名は、北海道をレンタカーで旅行する計画を立て、Cがレンタカー会社Xに予約申込みを行った。Xは、Y保険会社との間で自賠責保険契約、D社との間で任意保険契約を締結していた。Aらは、約一か月後Xの事務所に現れ、Bが契約書に運転者及び借受人として署名した。北海道旅行中、レ...
《解 説》
XはAを債務者としてA所有の土地建物に共同抵当権の設定を受けた。その後Aは、建物を取り壊し、跡地に建物を新築して保存登記をしたうえ、直ちにBに所有権移転登記をした。その後Bは、新築建物についてC(代表者B)を債務者とする抵当権をDのため設定した。Xは、土地と新築建物の一括競売を...
《解 説》
一 本件は、子宮筋腫手術の際の手技が争われた事例である。
昭和六三年七月、Xは五〇代半ばであったが、子宮筋腫のため、Y1病院で、Y2医師の執刀により子宮全摘及び右卵巣摘出の手術を受けた。しかし、その後Xには腹部に引っ張られるような痛みが生じ、翌年二月頃からは排尿時に激痛が生じ...
《解 説》
一 本件は、保険会社が詐欺による保険契約の無効、給付金の請求に関する詐欺行為などを理由とする保険契約の解約を主張して契約の効力を争ったのに対し、原告が保険契約者たる地位の確認を求めた事件である。
原告は、平成元年一月二五日から同年一二月二一日までの間、生命保険会社との間の契約...
《解 説》
Xは、Y証券会社本店投資相談室から送付されたダイレクトメールをきっかけとして、自己や夫、子供の名義で株式売買及びワラント取引を数百回にわたり継続し、ワラント取引に二七億二四五八万円余をつぎこんで一億一四二一万円余の利益を上げるとともに二億八九三六万円余の損失を出した(権利消滅分...
《解 説》
一 契約上の給付が契約の相手方以外の第三者の利益になった場合に、右給付をした契約当事者が第三者に対してその利益の返還を請求することがあるが、そのような請求権は一般に「転用物訴権」と呼ばれる。本判決は、極めて限定された場合においてのみ転用物訴権の成立を認めることを明らかにしたもの...
《解 説》
一 本件は、被告会社の代表取締役であり、B会社の代表取締役でもあったAが、被告会社所有の土地をB会社に売却する利益相反取引の承認を求めて被告会社の取締役会を開催し、自ら議長となって承認の決議(本件決議)をしたのに対し、被告会社の株主であるXが本件決議の無効確認を求めた事案であり...
《解 説》
一 本件は、交差点の出会い頭の交通事故により受傷した原告が、その損害の賠償を求めた事案であるが、その概要は以下のとおりである。
昭和五八年三月一〇日、本件事故発生。原告は本件交通事故により頚椎捻挫等の傷害を負い、現在も通院治療中であると主張して、昭和五九年七月二日、被告らに対...
《解 説》
一 主要な争点に関する事実関係を摘示する。
大手不動産業者であるXは、バブル経済のピーク時である平成元年に六階建のビルを転貸目的でYから賃借した。賃料は月五五〇万円、敷金は七二〇〇万円、賃貸借期間は一二年間であった。ところが、Xから右建物を転借したAは、バブルの崩壊後である平...
《解 説》
一 本件は、①県議選挙立候補予定のAの選挙運動者である被告人甲が、AのB村後援会長の被告人乙に現金一〇〇万円を供与し、②その供与を受けた被告人乙は、そのうちから合計七一万円を同後援会幹事長の被告人丙らに供与し、二二万円を自己の用途に費消して、残り七万円を押収され、③被告人丙は、...