《解 説》
Xは昭和六一年一〇月ころ、Aからビルディングの一部を賃借したが、その際、敷金として賃料の六か月分、保証金として賃料の二〇か月分をAに支払った。敷金については、明渡しの一か月後に返還し、保証金については、一〇年間無利息で据え置かれ、一一年目から一〇分の一ずつ返還するものとの約定で...
《解 説》
Xら一七名のうち一六名は、平成四年九月から同五年二月にかけて不動産業者Y1(Y2銀行が販売代理)により宮城県多賀城市内の九階建マンション(エクレールⅠ)の専有部分を購入した者である。Y1はその後の平成六年二月、エクレールⅠの南側隣接地の所有権を取得し、建築業者Y3に発注して、同...
《解 説》
原告は、「日本人の配偶者」の在留資格をもって日本に在留していた外国人女性であるが、被告法務大臣から、実質的な婚姻関係がないという理由で在留期間の更新を不許可とされた(以下「本件処分」という。)ことから、右処分の取消しを求めた。
ところで、被告は、本件処分後、原告に対し、在留資...
《解 説》
X及びAは、昭和六二年七月、B社から懲戒解雇され、同六三年三月、法律扶助協会の扶助決定を得て、同年五月、Y弁護士にBらに対する訴訟手続を委任した。Yは、X及びAの代理人として、一年一一か月後の平成二年四月、B社及びその代表取締役Cを被告として不当解雇を理由とする慰謝料請求訴訟を...
《解 説》
Xは、保険会社Y1の外務員であるY2の勧誘により、A銀行から一億二〇〇〇万円を借り入れたうえ、平成二年六月、Xを被保険者とする保険料七〇〇〇万円の変額保険及び妻Bを被保険者とする保険料三〇〇〇万円の変額保険に加入した。Xは、同四年九月、変額保険を解約したが、解約返戻金は六七一九...
《解 説》
一 Xは、Yの組織するお好み焼きを扱うフランチャイズチェーンに加入し、従来Yが直営店として営業していた店舗を引き継いで営業を開始したが、売上が伸びず赤字経営が続いたため、約一年九か月後に閉店した。Xは、①本件フランチャイズ契約を締結するにあたってYの従業員が内容虚偽の試算表を示...
《解 説》
一 原告X(当時五四歳)は、昭和六〇年一月、子宮筋腫及び貧血で被告Yが運営する大学病院に入院し、同月一六日に子宮全摘手術(「本件手術」)をうけたが、その翌日に脊髄クモ膜下に大出血が発生して脊髄障害を来し、両下肢完全麻痺、第二胸髄節以下の運動・知覚麻痺等を有して、常時介護を要する...
《解 説》
Yの発行する月刊誌「選択」上において、就職情報誌の発行を目的とする株式会社Xに不渡り騒動があったとの記事が掲載された。Xは、右記事が読者にXがいつ不渡りを出してもおかしくないほどの経営危機の状態にあるとの印象を与えるもので、Xの名誉・信用を著しく毀損されたとして、Yに対し、名誉...
《解 説》
H社(代表取締役X)は宝石の展示会を開催したが、展示品につきY保険会社との間で保険期間一週間の動産総合保険契約を締結した。保険金額は二億三二六六万円余、保険料は二〇万円余であった。右保険契約を締結した日の翌日の午前中、展示会場が火災となって展示品が焼失したため、HはXに保険金請...
《解 説》
1 本件は、被告を通じてワラントを購入した原告が、被告またはその従業員のした当該ワラントの勧誘に、適合性の原則違反あるいは説明義務違反等の違法があるとして、被告に対し、ワラント購入代金相当額につき不法行為(民法七〇九条又は七一五条)による損害賠償を求めた事案である。
原告は、...
《解 説》
一 本件は、売買土地のすぐ近くに暴力団事務所が存在していたことが目的物の隠れた瑕疵に当たるとして、売主に対し損害賠償等を命じた事案である。
不動産業を営む会社である甲は、自社事務所兼賃貸マンションの建設用地として、同じく不動産業を営む会社である乙から宅地を購入したが、その宅地...
《解 説》
Aは、X信用保証協会の信用保証の下にB銀行から一四〇〇万円を借り受けた。B・X間の約定書においては、Xの保証した貸付をもってBの既存の債権に充てないこと(旧債務振替禁止条項)、右の違反があった場合、Xは保証債務の全部又は一部の責を免れることが規定されていた。Aが借入金債務の弁済...
《解 説》
一 X(原告・相手方)は、サイボー株式会社(東証二部上場)の株主であるが、同社が平成三年三月第三者割当増資として行った新株発行に関して、取締役会決議で著しく不公正な発行価額が定められたことにより同社に総額八三億九八〇〇万円相当の損害が生じたと主張して、当時の取締役又はその相続人...
《解 説》
一 Xは、平成六年四月、高卒の新入社員として運送会社(従業員約四〇名)に就職したところ、同社の社長Yと二人になったとき、Yから「Xちゃんは処女か」と尋ねられたり、Xの母校の生徒の素行などが話題にされたりするようになり、同年七月にYと食事した際、「わし、Xちゃんが欲しいねん」「ホ...
《解 説》
1 事案の概要は以下の通りである。
昭和六二年六月、当時大学生であったXは、側腹痛等でYが運営する病院を受診・入院した。Y病院の担当医は、多発性嚢胞腎及び嚢胞感染を疑い、感染対策として抗生物質の点滴を開始した。しかし、高熱、嘔吐が続くなどXの症状は好転せず、一〇日後のCT検査...
《解 説》
Xは、昭和三年生まれであり、貸しビル会社のオーナー社長であるが、Y証券会社の社員Aの違法な勧誘により、五回にわたりワラントの取引をし、その結果、五〇七四万円余の損害を被ったと主張し、弁護士費用を含めて合計五五七四万円余の損害賠償を求めた。Xが主張するAの違法行為とは、①機関投資...
《解 説》
一 Xは、岐阜県関市にあるYの農場でその従業員として稼働していた者であるが、その就労中、ベルトコンベヤーの端に備えつけてある椅子に座って流れてくる卵を拾って箱詰めする作業をしていたところ、ベルトコンベヤーのギヤボックスに右手が入って負傷し、右手第二指を切断するを余儀なくされた。...
《解 説》
一 事案の概要
1 別件の大麻取締法違反事件の被告人として甲警察署留置場(代用監獄)に勾留中であったA参考人から、覚せい剤事件等の情報を入手した甲警察署のB警察官が、後日裏付けができたら調書化して読み聞けに行くと話してA参考人から白紙の供述調書用紙に署名、指印を徴していたが、...
《解 説》
信販会社Xは、Yとの間のクレジットカード契約に基づき、Yがカードを利用して借り受けた金員の残元金一九万円余とYの夫AがYのカードを利用して買った商品の残代金三一一万余の合計三三〇万円余の支払いを求めて提訴した。これに対しYは、①同居人のカード不正利用による損害をカード会員の全額...