《解 説》
一 事案の概要
1 本判決は、いわゆる小松基地騒音公害訴訟の控訴審判決である。
石川県小松市に所在する小松飛行場は、国(Y)が昭和三六年以降航空自衛隊(第六航空団)の基地として設置、管理する飛行場であるが、日本海側における唯一の自衛隊の航空基地として、重要な機能を果たしてき...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六一年一〇月、Yの経営する医院において、腰椎麻酔下に痔瘻病巣の完全切除及び開放手術、肛門の根治手術を受け、その後通院して手術創等の治療を受けていたが、同年一一月、手術創付近の痛みを覚えたため、同医院を訪れたところ、蜂★織炎(蜂巣織炎・蜂窩織炎)を起こしていると...
《解 説》
本件は、競売事件における売却により建物を取得したXが公売処分により土地を取得したY1(控訴審においてはこれを承継取得したZ)に対し法定地上権の確認、地代確定及び地上権設定登記手続を求め、国Y2に対しては、国税局長が公売処分に際し、仮登記仮処分によるXの地上権設定仮登記の抹消登記...
《解 説》
A社の破産管財人Xは、A社が六階建てビルの一階部分を賃借していたYに対し、未払賃料合計四〇〇万円余の支払を求める訴えを提起した。これに対しYは、Xに対する賃料債務の不存在確認を求め、A社の前主であるZ社に対し保証金の残額一二九〇万円余の支払を求める訴えを提起し、両者が併合審理さ...
《解 説》
一 Xらの子Aは、昭和六三年一〇月当時、土浦日大高校一年に在学し、野球部に所属していたが、同月二六日午後、同校のグランドに集合し、コーチの指導のもとに全力疾走等の練習をしていた際、突然グランドに倒れ、救急車により病院に搬送されたが、急性心不全により死亡した。
そこで、Xらは、...
《解 説》
Xは、Aに対する不動産仮差押命令を得た後、売買代金の支払を求める訴えを提起した。XとAは訴訟上の和解において、Xが仮差押命令申立事件を取り下げるのと引換えにAがX代理人口座に四〇〇万円を振り込む方法で支払うとの合意をした。右和解においては、Aが仮差押命令申立事件を取り下げるとの...
《解 説》
Aは、平成四年一月三一日、Yから三五〇〇万円を借り受け、二〇〇〇万円、一〇〇〇万円、五〇〇万円の手形計三通をYに差し入れた。Aは、同五年八月二日、二〇〇〇万円の手形を決済し、同年九月三〇日、Yに対する残債務一五〇〇万円の支払いに代えて、Yに営業権を譲渡した。Aの他の債権者である...
《解 説》
一 X1は、主として南予地区で無線機の販売を行っている会社であるが、松山市で同種の営業を行っているYが、競争関係にあるXからシェアを奪う目的で、X1の従業員に対して退社と独立を勧誘したり、顧客ファイルを持ち出させたほか、電気通信監理局へ告発したり、特約店契約の解除を迫ったりなど...
《解 説》
一 Xは約一三年前から実兄の運営する会計事務所に勤務し、税務会計に関する事務に従事していたが、平成二年にYの営業担当者から外国ワラントの取引を勧められ、買い付けた。それに先立つXの投資歴としては、Yほか一社で数年前から株の取引をしていた程度である。その後、右ワラントの価格が下落...
《解 説》
一 X1は、昭和五八年二月、Yの経営する産婦人科医院において、診察により妊娠していることが判明し、出産予定日が同年一〇月六日と診断されたが、妊娠直後から出血があったため、同医院に入・通院しながら、治療を受けていた。
ところが、X1は、同年七月二二日に、多量の出血があり、前置胎...
《解 説》
一 Xは、昭和六一年六月、訴外A農協との間において、五年満期、受取人をXとする四口の養老生命共済契約を締結したうえ、五年分の共済掛金を払込んだと主張し、満期経過後に、A農協を承継したYに対し、満期共済金四〇〇万円の支払いを求めた。
これに対し、Yは、本件共済契約を締結したのは...
《解 説》
Xは土木建築の請負等を目的とする会社であり、平成二年一〇月、Aからマンション(本件建物)の新築工事を代金七億九三一〇万円で請け負った。Xは同四年一月、右工事を完成させ、Aの完了検査を受けたが、残代金の支払いを受けられなかったため、本件建物について商事留置権を行使する旨告知し、こ...
《解 説》
X(都)は、所有権に基づき、都営住宅を占有しているY1及びY2に対して明渡し及び使用料相当の損害金の支払を求める訴えを提起した。これに対しYらは、Yらの母Aが昭和四六年三月にXから本件住宅の使用許可を受けた際、同居人として居住することを許可されたこと、Yらが一時、本件住宅から転...
《解 説》
日本の大学院に留学するために来日していたAは、平成元年七月、東京都内の道路を横断中、Yの運転する自動車と衝突し、頭蓋内損傷により死亡した。Aの妻X1及び母X2は、自賠法三条に基づき、Aの治療費、逸失利益、慰謝料等として、X1が四八六四万円余、X2が二四三二万円余の損害賠償を求め...
《解 説》
本件は、元暴力団組長が、①自動小銃一一丁、けん銃三丁、小銃一丁、実包一一五四発を所持し、②営利の目的で覚せい剤約七・九㎏、乾燥大麻約一三㎏を所持し、③ヘロイン約三九〇g、覚せい剤約〇・五g、大麻草約一・三gを所持し、④覚せい剤を自己使用した、という事案である。
発見された銃器...
《解 説》
一 判決要旨に即して事実関係を簡略化して説明すると、次のとおりである。
本件建物は鉄筋コンクリート造五階建(床面積各階約二六〇㎡)のビルであるところ、その所有者であったAは、本件建物のうち二階部分を除いた残余の部分をYに賃貸した上、AYの合意に基づいて本件建物全部についてYを...