《解 説》
一 Xは、Y(パチンコの景品交換を業とする資本金四〇〇万円の株式会社)の代表取締役であったが、預金利息が下がり有利な投資先を求めたことと、折りからの財テクブームに乗せられて、大量の株式の信用取引を行ったほか、インパクトローンと称する外貨建ての借入による投機取引を行っていた。しか...
《解 説》
X(一審原告・二審被控訴人)は、製薬会社であるところ、Y市(一審被告・二審控訴人)は起業者としてXの工場敷地を道路用地として収用することを申請した。市収用委員会は、Xに対する損失補償の金額を二六億六八七八万円余と定めて収用裁決を下した。しかし、Xは、その額を不服とし、Yに対し、...
《解 説》
一 本件は、平成三年度の明治大学の入学選抜試験に際し、現役の大学生などを替え玉受験生に使って入学選抜試験を受験させたいわゆる明治大学替え玉入試事件の上告審決定である。替え玉受験の方法は、志願者の代わりに替え玉受験生となる現役の大学生などの顔写真を入学志願者票に貼付して出願した上...
《解 説》
一 平成四年七月二六日に行われた参議院(比例代表選出)議員の選挙(「本件選挙」)の結果、日本新党が届け出た名簿のうち、第一順位の細川護煕、第二順位の小池百合子のほか第四順位までが当選となり、第五順位のXは次点となった。平成五年七月一八日に行われた衆議院議員総選挙に細川護煕と小池...
《解 説》
一 労働者災害補償保険法(以下「労災法」という)に基づく業務災害の療養としてなされた鍼灸治療の費用の支給(療養補償給付)については、昭和五七年五月三一日基発第三七五号労働省労働基準局長通達「労災保険における『はり・きゅう及びマッサージ』の施術に係る保険給付の取扱いについて」及び...
《解 説》
一 本件の被告人は、被告会社の昭和六一年九月期の法人税の確定申告書に、虚偽過少の所得金額を記載した上、その虚偽過少の申告所得金額を基礎にして算出される正しい税額(A)よりもさらに過少な税額(B)を記載した。その理由は、本判決及び原判決によるも不明であるが、おそらく計算違い等のミ...
《解 説》
Aは、昭和二四年三月以降、粉塵の発生する職場で労働し、同五五年六月にじん肺管理区分二との決定を受け、同五六年四月には、じん肺診査医から管理区分三イとの診断を受け、疾病補償年金が支給されるようになった。Aは、同五七年に入院し、同年五月に肺がんが発見され、同年一一月死亡した。Aの遺...
《解 説》
一 地方自治法二条一三項は「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては……最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と、地方財政法四条一項は「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」と規定している...
《解 説》
一 本件は、別紙目録のような構成からなる商標について、柿の葉茶を指定商品とする商標権を有する原告が、柿の葉を原料とする茶に「京の柿茶」の標章を付して販売している被告に対し、商標権侵害及び不正競争防止法二条一項一号該当を理由に、被告標章の使用の差止め等を求めると共に、被告商品に「...
《解 説》
一 Xら夫婦の子A(一五歳)は、昭和六〇年七月一九日、残土置場において死体で発見された。同月二三日、Y1・Y2夫婦の子のB(一五歳)が警察署に連行され、その三〇分後にBはAの殺害事実を認めた。Y3の子のC(一四歳)及びY4の子D(一四歳)も同日、任意同行され、Aの殺害事実を認め...
《解 説》
一 本判決は、非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の二分の一とする民法九〇〇条四号但書前段の規定(以下「本件条項」という。)が憲法一四条一項の規定に違反し、無効であるとした判決であり、東京高決平5・6・23日(本誌八二三号一二二頁)に続き、民法の同条号の規定について違憲の判断を示し...
《解 説》
一 本件は、別件の被告訴訟代理人であったXが、Y(国)に対し、裁判官Aの裁判の違法を理由に損害賠償を求めた事案である。
弁護士Xは、建物等の売主Bから買主Cに対して提起された別件売買代金請求訴訟につき、別件被告Cから、第一回口頭弁論期日の二日前に訴訟の委任を受けたが、第一回期...
《解 説》
本件は、ロッキード事件当時裏情報を握って活躍し、ブラックジャーナリストと喧伝されたことがあり、現在はファクシミリによる情報サービス業を主宰するに至っている原告が、著名な評論家である被告とロッキード事件の当時に対談をしたことがあったが、この対談が被告の近著に収録された際に、被告か...
《解 説》
一 本判決は、いわゆる自民党本部放火事件に関する控訴審判決である。
自民党本部放火事件というのは、いわゆる過激派が、火炎放射器を荷台に設置した二台の保冷車から、時限装置によって、火炎を自民党本部の建物に向けて放射したという事件であり、捜査の結果、中核派革命軍に属する被告人が、...
差止め・行政〔6〕住民訴訟(公金支出) 1 本来支出命令の権限を有する区長が部下職員に右権限を委任している場合、右区長は、地方自治法242条の2第1項1号に定める「当該執行機関又は職員」に当たる者として、差止請求住民訴訟における被告適格を有するか 2 区の助役が特定の支出負担行為を専決により処理している場合、右助役は、地方自治法242条の2第1項1号に定める「当該執行機関又は職員」に当たる者として、差止請求住民訴訟における被告適格を有するか 3 地方自治法242条の2第1項柱書中のただし書に定める「回復の困難な損害を生ずるおそれがある場合」は、同項1号に定める差止請求住民訴訟における訴訟要件か 4 東京都新宿区内の旧陸軍軍医学校跡地から発見された人骨の火葬又は埋葬に要する約450万円の費用について、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、その支出負担行為、支出命令及び公金の支出の差止めを求める住民訴訟が、同項柱書中のただし書きの定める「回復の困難な損害を生ずるおそれがある場合」に当たらないとして、却下された事例
《解 説》
一 事案の概要
本件は、Xが、Y証券会社に対し、いわゆる「飛ばし」取引に関する合意の履行を求めた事案であり、証取法の平成三年法律第九六号による改正前に締結された右合意の私法上の効力をめぐって争われたものである。
Xは、Yとの間において、平成二年九月二六日、Aが保有する株式を...
《解 説》
一 事案の概要
東京都新宿区内にある旧陸軍軍医学校跡地である国立予防衛生研究所建設予定地から人骨が発見された。同区は、埋葬等を行う者が不明のときは死亡地の市町村長が行う旨の墓地、埋葬等に関する法律九条一項に基づき、右人骨の火葬又は埋葬に要する費用(以下「本件費用」という。)と...
《解 説》
一 被告は、昭和二一年に全国水平社の伝統と組織を継承して結成された、部落差別から部落民衆を完全に解放することを目的とする権利能力なき社団である。原告らは、被告の構成員(同盟員)であり、被告の地方組織である岡山県連合会(岡山県連)執行部を構成していた者である。
被告は、平成元年...