《解 説》
一 本件は、空手初段の資格を有する被告人が、朝の乗降客で混雑している駅構内の喫煙場所以外のホーム上で喫煙していた被害者に対し、回し蹴りを加えて転倒させ、脳挫傷等の傷害を負わせて死亡させたという事案であり、禁煙運動や公共施設における分煙の動きとも絡んで、比較的広く報道されて巷間に...
《解 説》
一 X(当時一八歳)は、道路交通法違反(共同危険行為等の禁止違反)の被疑事実で逮捕され、取調べを受けていたところ、取調べに当たった大阪府警察本部所属の警察官であるY1から腹部を手拳で四、五回殴打され、そのはずみで取調室内の壁で額を強打し、その結果、腹部打撲傷、左右前額部の表皮剥...
《解 説》
一 本件は、期限付任用に係る非常勤の国家公務員である日々雇用職員(任期を一日と定め、任用予定期間内は任命権者が別段の措置をしない限り任用を日々更新し、任用予定期間が経過したときは、任期満了により当然に退職する職員)として任用され、国立大学の付属図書館のいわゆるカウンター業務に従...
《解 説》
一 Xは工場抵当法(以下「法」という。)一条にいう工場に属する建物(本件建物)につき順位一番の根抵当権を設定していたが、右設定登記について法三条に規定する目録(以下「三条目録」という。)は提出されていなかった。Yは後順位の抵当権者であるが、その抵当権設定登記については三条目録が...
《解 説》
一1 債権者Aは、債務者Bに対し、四二〇〇万円と一億二八〇〇万円の二口の貸付を行い、右各貸金債権(以下、それぞれ「甲債権」「乙債権」という。)の担保のため、B所有の不動産につき抵当権の設定を受けた(以下、それぞれ「甲抵当権」「乙抵当権」という。順位は、甲、乙の順である。)。
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《解 説》
一 本件は、いわゆる不公正発行が新株発行の無効事由に当たるかどうかが問題になった事案であるが、その事実関係の概要は、次のとおりである。
Y株式会社は、創業以来、Xのワンマン会社であって、Xが発行済株式の過半数を有して代表取締役に就任していた。ところが、Xが健康を害してから、Y...
《解 説》
一 本件は、第二次世界大戦中、日本軍属として、戦地において戦傷を受け、右手切断、左足切断の障害を負ったいわゆる在日韓国人である原告らが、被告に対し、戦傷病者戦没者遺族等援護法(以下「援護法」という。)に基づく障害年金の請求を行ったところ、被告が援護法附則二項の「戸籍法の適用を受...
《解 説》
一 事実の概要と裁判
Yは、Xから本件土地を賃借していたAからその二分の一を転借し(Xは黙示的に転貸を承諾)、地上に建物を所有していた。Aが賃料の支払を怠ったので、Xは、Aに対し延滞賃料支払の催告をした上で、賃貸借契約を解除し、Yに対して、所有権に基づいて建物収去土地明渡を請...
《解 説》
一 A会社に勤務するXは、約五一一万円の債務を抱え、その返済に窮する状態となり、B弁護士に多重債務の整理を委任した。Y銀行は、Xとの間の当座貸越契約(本件当座貸越契約)に基づき、Xに対し、貸金債権を有していたところ、Xの代理人であるB弁護士からいわゆる債務整理の受任通知を受け、...