《解 説》
一 並行輸入については、商標権に関する裁判例が多いが、本件は著作権(頒布権)に関するものである。Xは、アメリカ合衆国において適法に製作販売されたディズニー映画「一〇一匹わんちゃん」のビデオカセットを輸入し、これを日本国内において販売しようとしたところ、日本国における映画のビデオ...
《解 説》
Xは、A県警(Y本部長)の警官であったが、昭和六一年内にYから地方公務員法二八条一項一号(勤務実績が良くない場合)及び三号(その職に必要な適格性を欠く場合)に該当するとして分限免職処分を受け、これを不服として右処分の取消請求の訴えを提起した。Xは右訴訟において、Xの昭和四八年以...
《解 説》
一 本件の事案は、東京都に本店を有する信販会社の原告が、パーソナルコンピューターリース契約の主債務者及び連帯保証人(いずれも山口市居住)を被告として提起したリース料請求訴訟事件において、リース契約約款中の管轄合意条項の効力が争点となったものである。
二 原告会社は、リース契約...
《解 説》
一 Xは、アルミサッシ・その関連製品の製造・販売等を業とする会社であるが、昭和四七年四月、訴外Aから、その所有の本件土地を倉庫、作業場等の建築敷地として賃借し、右土地上に平家建倉庫・作業場(一八九・五九平方メートル)を建築し、これを倉庫、事務所、作業所として使用してきたが、昭和...
《解 説》
Xは、証拠調べ期日に行われた証人尋問、本人尋問の結果を記載した調書の内容が逐語的に正確に録取されていないとして、書記官に異議を述べたが、書記官は異議申立てがあった旨を調書に記載しただけで調書の訂正に応じなかった。そこで、Xは、これを不服として裁判所に異議を述べたものの、裁判所が...
《解 説》
本件は、商品名「カビキラー」の名で知られる、噴霧式家庭用かび取り剤の使用によって健康被害を被ったとして、使用者XがメーカーYに対し損害賠償を求めた事件の控訴審判決である。Xは、Yに対し、主位的に、カビキラーの反復継続的使用により、カビキラーに含まれている次亜塩素酸ナトリウム、水...
《解 説》
Xは旅行代理店を介し、わが国の航空会社Yに成田―北京、北京―上海、上海―成田間の航空券四名分の予約を依頼した。Xらは、入手した航空券により北京から上海に向かおうとしたところ、北京発の東方航空便の出発時刻が既に繰り上げられていたため同便に搭乗できなかった。XはYに対し、債務不履行...
《解 説》
一 本件は、原告(弁護士)が、商法違反被疑事件の被疑者から弁護人に選任され、勾留中の被疑者と接見するべく、警察署に赴いたところ、同署警察官及び担当検察官に、後述のとおり、被疑者との接見を妨害されたことを理由に、国及び県に対し、国賠法一条一項に基づき、検察官及び警察官に対し民法七...
《解 説》
本件は、建築の総合請負、不動産の売買を業とする被告会社(株式会社)の代表取締役が、業務に関し、一〇億円の架空仕入れを計上する方法により、六億円余りの法人税を免れたという法人税法違反事件の控訴審判決である。控訴審で、弁護人は、事実誤認の主張として、原審では主張しなかった不動産売買...
《解 説》
一 本件は、平成五年一二月六日公然わいせつで勾留中起訴され、同六年三月三一日神戸地裁で同罪等の被告事件について有罪の実刑判決を受け、同年四月一四日控訴を申し立てていた被告人が、同年五月二日神戸地裁がした同月六日から勾留期間を更新する旨の決定に対し、同月一七日抗告を申し立て、大阪...
《解 説》
X(請求者・妻)とY(拘束者・夫)は別居中の夫婦であり、その間の二名の子(請求当時六歳及び四歳)はXが監護していたところ、Xが申し立てた離婚調停の第一回期日に、Yは、調停委員に対して、保育園の冬休みの間に限り子らをYに預けるようXを説得してほしい旨要望し、これをいれた調停委員会...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、親権者変更申立事件を本案とする審判前の保全処分(家審一五条の三、家審規五二条の二)として、幼児引渡の債務名義を得たXが、執行官に対して幼児の引渡執行(直接強制)の申立てをしたところ、執行官は、幼児の引渡執行は執行官法一条所定の事務に該当せず、かつ、意思...
《解 説》
一 本件は、以前水俣湾周辺地域に居住し、後に関西地方に転居した原告らが、種々の症状等を訴え、この原因は、水俣湾周辺地域で魚介類を摂取し、メチル水銀が体内に蓄積されたことによる水俣病であるとして、被告チッソ株式会社(以下「チッソ」という)に対しては、同被告がメチル水銀化合物を含む...
《解 説》
一 Xら一三名(内三名は死亡し、相続承継があった)はいずれもYの経営する造船所において本工(三名)又は社外工(八名)として勤務していた者であるが、右造船所において振動機具(チッピングハンマー等)を使った作業をしたことにより、いわゆる振動障害に罹患し、精神的損害を被ったと主張し、...
《解 説》
一 本件は、空手初段の資格を有する被告人が、朝の乗降客で混雑している駅構内の喫煙場所以外のホーム上で喫煙していた被害者に対し、回し蹴りを加えて転倒させ、脳挫傷等の傷害を負わせて死亡させたという事案であり、禁煙運動や公共施設における分煙の動きとも絡んで、比較的広く報道されて巷間に...
《解 説》
一 X(当時一八歳)は、道路交通法違反(共同危険行為等の禁止違反)の被疑事実で逮捕され、取調べを受けていたところ、取調べに当たった大阪府警察本部所属の警察官であるY1から腹部を手拳で四、五回殴打され、そのはずみで取調室内の壁で額を強打し、その結果、腹部打撲傷、左右前額部の表皮剥...