《解 説》
一 本件は、塩見訴訟等として報道された事件の第二次訴訟(昭和五六年法律第八六号による改正の施行日の後になされた裁定却下処分の取消しを求めたもの)についての第一審判決である。
二 国民年金法(昭和五六年法律第八六号による改正前のもの。以下「旧法」という。)八一条一項は、同条所定...
《解 説》
本決定は、破産者が破産法三六六条の九第一号、三七五条一号(浪費)に該当することを理由とする免責不許可の事例である。
本決定の認定したところによれば、X(昭和三九年生まれの女性)は、成人して間もなく、一〇〇万円の洋服をクレジットを利用して購入したのを始め、指輪数点合計約一〇〇万...
《解 説》
一 事件の概要
東京電力株式会社からの申請に基づき、内閣総理大臣は、昭和五二年九月一日、新潟県柏崎市及び同県刈羽郡刈羽村にまたがって建設が計画された原子力発電所の出力約一一〇万キロワットの沸騰水型一号炉について設置許可処分(以下「本件処分」という)を発した。Xら二八二名は、本...
《解 説》
一 本件は、広島県知事・因島保健所長が、骨関節結核の集団発生を認知し、その予防及びまん延を防止するために結核予防法及び医療法上の適切な措置をとるべき作為義務があったにもかかわらず、何らの有効適切な措置も講じなかった、との広島県知事・因島保健所長の不作為を理由に、骨関節結核の患者...
《解 説》
一 本件は、被告人が犯行日の前日に知り合ったばかりの若い女性とデートをし、多量に飲酒をしたうえ同女を誘っていわゆるラブホテルに入ったが、同ホテルの客室内で同女の顔面を殴打するなどの激しい暴行を加えたうえ頚部を両手で扼して殺害したという事案である。犯行現場及び死体の状況等からみて...
《解 説》
一 本件は、京都市に事務所を置く権利能力なき社団(X)が、鴨川の河川管理者である京都府知事(Y)の設置した鴨川改修協議会に提出されたダムサイト候補地点選定位置図の公開を京都府情報公開条例(昭和六三年京都府条例第一七号。以下「本件条例」という。)に基づいて請求したところ、Yはこれ...
《解 説》
X1女・X2男夫婦は、I市において運転代行業を営んでいた者であるところ、Y1が組長、その兄で特別相談役のY2、組員のY3らで組織する暴力団D会I組が代行運転業者の組合の組織化に関与し、右組合に加わろうとしないXらに対し、Y3がX1の顔を切り付ける、組員らが従業員を脅迫する、Xら...
《解 説》
民法三九五条ただし書の規定による短期賃貸借解除請求訴訟をめぐる問題の一つとして、賃貸人(抵当権設定者・所有者)が賃借人に対し、短期賃貸借の解除を命ずる判決(解除判決)を理由として明渡請求をすることができるかというものがある。本判決は、この問題を積極に解した最高裁の判決である。
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《解 説》
一 本件は、群馬県の赤城山麓を流れる一級河川鏑木川(利根川の第三次支川、流路延長約一三・四キロメートル)に架けられた鏑木橋(橋桁の長さ約五・六メートル、橋の幅約五・九メートル)が昭和六二年七月一四日に発生した集中豪雨により上流の杉立木が倒れて流れ、橋の台又はその付近に引っ掛かっ...
《解 説》
XとY保険会社は昭和五七年五月、Xを契約者及び受取人、被保険者をA(Xの子)とする生命保険契約を締結したが、それには「不慮の事故」を原因として事故の日から一八〇日以内に死亡したことを保険事故とする三〇〇万円の災害割増特約保険金三〇〇万円が付されていた。ところでAは、同六二年六月...
《解 説》
一 本件事案の概要は、次のとおりである。被相続人は亡父甲、相続人は五名であり、妻乙、子供A女、B男、C女、D女である。遺産の主要な部分には三つのグループに分けられる土地建物があったが、遺産分割調停が不成立に終わり、審判手続に移行して審理中、B男、次いでD女が第三者Eに主な不動産...
《解 説》
一 本件は、民事訴訟の原告であり、当該訴訟において文書送付嘱託の申立をしたXが、嘱託に応じて送付された文書の閲覧を申請したのに対し、担当書記官Sが当該文書の一部について閲覧を拒否する処分(以下「本件処分」という)をしたため、民事訴訟法二〇六条に基づく異議の申立をした事案である。...
《解 説》
本件は、債務者会社の筆頭株主である債権者が、商法二八〇条の一〇の株主の新株発行差止請求権を被保全権利として、債務者の第三者割当てによる新株発行について、①「著シク不公正ナル方法」による新株発行であり、また、②新株の発行価額が「特ニ有利ナル価額」であるのに商法二八〇条の二の株主総...
《解 説》
一 Xは、宝石・貴金属等の販売を目的とする会社であるが、宝石類の卸売り業者から、香川県のホテルで開催する展示即売会のために宝石類を貸し出して欲しい旨の申出を受けたのでこれを承諾したうえ、Xの代表者Aは、鞄に宝石類を入れて右ホテルに持ち込み、平成三年三月九日・一〇日の両日、右宝石...
《解 説》
一 Xは、ビールの製造、販売等を行う著名な会社であり、欧文字の「Asahi」をデザインした文字標章(原告標章)をその営業表示及び商品表示として使用し、かつ、右文字標章を商標登録(平成三年政令第二九九号による改正前の二八類・指定商品ビール等、同二九類・指定商品清涼飲料等)もしてい...
《解 説》
一 本件の事案の概要
Yは、もと日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の職員であり、国鉄の公舎基準規程に基づいて本件宿舎の利用を認められ、本件宿舎に居住していた。Yは、昭和六二年四月一日の国鉄改革時に東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)に不採用となり、X(国鉄清...