《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件はいわゆるバラバラ殺人事件であり、平成元年二月五日に被害者のものと思われる下半身が名古屋港海上を浮遊していたビニール袋内から発見され、続いて同二年五月二五日に白骨化した頭蓋骨が愛知県瀬戸市の国有林山中で発見されたが、死体の残部分は未だに発見されてい...
《解 説》
本件は信販会社であるXから立替払契約及びカードローン契約により与信を受けていた主婦Yに対する訴訟四件(元本合計八三万円余)が併合審理された事案である(多重債務の毎月の状況は、本判決添付の別表1で明らかである)。Yの訴訟代理人は、XのYに対する与信は、割賦販売法四二条の三(支払能...
《解 説》
一 Y神社の宮司であるXは、宮司=代表役員を免職されたが(免職処分)、この処分を争いその地位にあることの確認を求めるとともに、未払いの給与を請求した。これに対して、Yは、宮司宿舎明渡し及び仮払した金員の返還を求めて対抗した。原審は、Xの請求を棄却し、Yの請求を認容(一部)した。...
《解 説》
本件は、カラオケスナックにおける、いわゆるオーディオカラオケ装置又はレーザーディスクカラオケ装置を使用したカラオケ伴奏による従業員又は客の歌唱行為について、社団法人日本音楽著作権協会が提起した音楽著作物使用料相当損害金(著作権法一一四条二項)請求事件であり、① 右歌唱行為が店の...
《解 説》
Xは五歳一〇か月であった昭和五〇年一一月自転車に乗っていたところ、Yの従業員Aの運転する小型貨物自動車と接触し、左大腿骨骨折等の傷害を受けた。Xには左右の脚長差が生じ、昭和六〇年一月からB病院に通院し、腰椎椎間板ヘルニア等の診断を受けた。Xは、Aには徐行義務及び前方注視義務違反...
《解 説》
Yは昭和五八年一月、普通乗用車を運転して交差点を左折した際、左折先の道路左端を歩行していたXと衝突し、Xを負傷させた。Xは、その損害について一四九三万円余の填補を受けたが、さらに椎間板ヘルニア等の後遺症が残ったと主張し、逸失利益、慰謝料等の残額として三六六七万円余を請求した。Y...
《解 説》
一 債務者は、アメリカ合衆国の在日海軍基地等における建設工事等の競争入札に参加していた建設業者であるが、昭和五九年三月、他の建設業者とともに「星友会」なる組織を結成し、以後会員間で入札予定価格を決定することにより落札価格を操作していた。ところが、右組織の実態を公正取引委員会に知...
《解 説》
一 本件は、遺産である土地建物の所有権の帰属をめぐる共同相続人Xら及びYらの間の紛争である。
本件土地建物については遺産分割等を原因としてYら名義の登記がされているが、Xらは、右遺産分割協議は成立していないと主張してYらに対し真正な登記名義の回復を原因として土地建物の持分の一...
《解 説》
一 本判決は、福岡県宗像市が自然環境の保全等の観点から産業廃棄物処理施設に対して規制を及ぼすことを目的として制定した同市環境保全条例の規定が平成三年法律第九五号による改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)等に違反するとして争われた訴訟の第一審判...
《解 説》
一 本件は、市立小学校及び市立中学校の教職員十数名に対する戒告処分の取消が求められた事案である。懲戒事由はいずれも職務命令違反であるが、具体的には、小学校の関係では校長就任式のボイコットであり、中学校の関係では校舎等落成式のボイコットであって、両者は事実関係を異にする。
二 ...
《解 説》
一 X(原告・反訴被告)は、自己所有地に四階建店舗付共同住宅の建築を計画したところ、近隣住民であるYら(被告・反訴原告)は、他の住民とともに、右建築に対する反対運動を展開し、Xに対して建築計画の撤回を要求したほか、市役所に建築確認をしないように働きかけたり、県土木事務所に建築反...
《解 説》
一 本件は、シナリオライターである原告が、被告会社が企画制作し、放映したテレビドラマ「四月四日に生まれて」の脚本(被告甲作成)は、「ぼくのスカート」と題する原告脚本(判決によれば、原告脚本は、昭和六三年度NHK大阪放送局ラジオドラマ脚本募集の入選作品となり、FMシアター「ぼくの...
《解 説》
一 本判決は、宗教法人である寺の檀信徒が寺院に対し、その会計帳簿等の閲覧謄写を求めるとともに、権利能力なき社団である檀信徒会に対してもその会計帳簿等の閲覧謄写を求めたが、檀信徒にはこれら会計帳簿等の閲覧謄写の請求権がないとしてこれを斥けた原判決(本誌八四二号一九九頁)を取り消し...
《解 説》
一 本件は、原告国及び独立当事者参加人日本道路公団が、被告に対し、自衛隊北富士演習場周辺土地(旧米軍演習場)の所有権に基づき、入会団体と称する被告が同地上に設置した建物等の撤去及び将来の建物等の設置禁止等を求め、これに対し、被告が右建物等は入会権に基づいて建設したものである等主張...
《解 説》
一 Xら五三名は、公害健康被害の補償等に関する法律(公健法)によって指定された倉敷市内の第一種地域又はその隣接地域に居住し、慢性気管支炎、気管支喘息等の指定疾病にかかったとして認定された者又はその相続人らである。Xらは、水島コンビナートを形成する化学工業、製鉄会社、電力会社Yら...
《解 説》
XはI市の住民であるが、同市において職員の勤務時間は平日が午前九時から午後五時一五分まで、土曜日は午前九時から午後〇時三〇分までと定められていたのに、実際には平日は午後五時、土曜日は午後〇時までしか勤務せず、職員一人当たり一年間で九一時間勤務時間が不足していたのに、その分の給与...
《解 説》
Xは信販会社であり、Y1がA社との間で中古自動車を買い受ける契約を結び、その資金としてB銀行から金銭の貸付を受けることとし、Y1の委託によりXが連帯保証し、その求償権につきY2を連帯保証人とするという、いわゆる四者型のクレジット契約関係にある(クレジット契約の種類について、清水...