《解 説》
一 本件は、証券会社従業員の勧誘行為ならびに取次委託契約成立後の処置等について、証券取引法上禁止されている断定的判断の提供・説明義務違反等の違法があったとして、同従業員の不法行為責任及び証券会社の使用者責任が問われた事案である。
本判決は、原告の請求のうち、株価指数オプション...
《解 説》
X両名は、中華民国(台湾)籍を有する亡A男と日本人女性Bとの間に生まれ、亡Aに認知された者である。亡Aには妻Y、亡AとYの間の子五人がおり、中華民国民法により右の全員が均等の相続分(八分の一)を有する。亡Aは、本件一の土地につき持分一〇分の五を有していたが、同人の死後、真正な登...
《解 説》
本件は、塾の経営などを目的とする株式会社であるY1会社との間で学習塾経営を目的とする加盟契約(いわゆるフランチャイズ契約)を締結し、その開設資金を支払ったXらが、右資金はY1会社の社員らが右学習塾の経営に関して虚偽の内容を説明して行った違法な勧誘行為により支払わされたものである...
《解 説》
Xは、大手の証券会社Y1の支店従業員Aから支店次長Y2が本州製糸株の仕手戦をしているBと連絡をとっており、情報が入るから必ずもうかると言われ、Y1との間に信用取引口座を設定していなかったため、平成二年八月三一日、他の中小証券会社のC、Dを通じて本州製糸株七〇〇〇株を買い受けた。...
《解 説》
Xらの被相続人Aは、タクシー運転手として勤務中であった昭和五七年九月二八日、高血圧性脳内出血を発症し、同五八年七月二日まで入院治療を受けた。Xは、右脳内出血は業務に起因するものであると主張し、Y労基署長に対し労災保険法による療養補償給付及び休業補償給付を請求したところ、Yは本件...
《解 説》
一 本件は、大阪府の住民が、地方公営企業である大阪府水道企業の管理者の権限に属する事務を処理させるために地方公営企業法一四条に基づいて設置された同府水道部において、昭和五六年一二月二八日に同年度水道事業会計から会議費として八件の飲食店に対して支払われた支出は、手続上は他府県の公...
《解 説》
一 事案の概要
Aは、昭和四二年三月六日付で、土地建物その他債権のすべてをY(妻)に遺贈するという内容の自筆遺言証書を作成していたが、平成元年一〇月一九日死亡するまでの二〇年余りの間に、遺贈の対象となる土地の一部を売却したり、建物の一部を取り壊すなどした。
AとYの間には子...
《解 説》
一 新聞社である原告は、その社員である新聞記者が作成した新聞記事についての著作権者である(著作権法一五条)ところ、被告は、原告の右記事を要約して英訳し、他の記事と共に主題別に分類して編集して、文書、ファックス、オンラインにより頒布、送信した。
二 本件は、被告の右の行為が原告...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、海外商品先物取引の受託会社(以下「甲会社」という)の業務管理部長を被告人とする詐欺事件である。甲会社は、設立当初から、顧客から預かり管理すべき委託保証金を会社の経費に充てる意図でありながら、委託を受けて海外商品先物取引を行うという名目で顧客を勧誘し、顧...
《解 説》
X1X2は、福岡県弁護士会所属の弁護士であるが、昭和六〇年一一月二四日午前四時一〇分頃、共産党の演説会のポスターを貼っていて屋外広告物条例、軽犯罪法違反の容疑で現行犯逮捕されたAに、当初は弁護人となろうとする者として、弁護人選任後は弁護人として、同日朝(X1は午前六時四〇分、X...
《解 説》
本件は、福岡県弁護士会所属の弁護士Xが、殺人等被疑事件の被疑者Aの弁護人として、勾留中のAに接見しようとしたが、昭和六〇年七月二七日から同八月八日までの間に合計六回にわたり、担当検察官に接見日時等の指定の要件がないのに具体的指定書の持参を要求され、これに応じないことで接見を妨害...
《解 説》
本件は、東名高速を走行する夜行定期高速バスの運転手が、当時降雪のため路面がシャーベット状となり、規制速度も変更されていたのに、雪道に対する甘い判断から、ダイヤどおりの走行を考えて規制速度を無視し、並走していた大型貨物自動車を追い越すべく同車の動向に注意を分散させて進行した過失に...
《解 説》
一 事案は、本件土地を所有するXが、Y1の賃借権及びY2の転借権が建物所有目的のものではないとして、Y1に対し賃貸借契約解約の意思表示をした上、Yらに対し、本件土地の明渡し等を求めたのに対し、Yらが、(1)本件土地の賃借人はY2であって、右解約の意思表示は無効である、(2)仮に...
《解 説》
一 Xは、Yの経営する百貨店にテナントとして飲食店を出店していたが、XYの右関係は当事者間では賃貸借契約的なものとして意識され、Xがその店舗を改装するにはYの承諾が必要とされていた。当時(昭和六一年から平成二年)、Yにおいては店舗全体にわたる大がかりなリニューアル事業が進められ...
《解 説》
Aは、面積六三四平方メートルの土地を賃借し、これをほぼ二分してそれぞれの部分の地上に建物を所有していたが、これを一括して長男Y1に相続させる旨の遺言をしたうえ死亡した。Aの相続人は、長男Y1、二男Y2、三女X1、四女X2および二女の子であるX3、X4であるが、Y1を除く相続人は...
《解 説》
亡Tは、旧ソ連のロシア連邦共和国で出生したロシア人であり、大正一二年ころ日本に入国して以来、洋服などの行商をして生計を立て、本件土地建物等の財産を築き、約六〇年間にわたって日本に居住していた。Tは、一旦本件土地建物を旧ソ連に遺贈する旨の遺言(第一の遺言)をしたが、その後、本件建...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、Yが、戦中、戦後にわたって経営していた長崎県所在の各炭鉱(既に閉山されている。)の従業員として粉じん作業に従事し、じん肺法によるじん肺管理区分等の行政上の決定を受けたじん肺患者(元従業員)六三名の本人又は相続人(Xら)が、Yに対し、雇用契約上の安全...