《解 説》
本件は、XからY3及び同人を代表者とするY1、Y2に対し、建物明渡し、売掛代金の支払いを求めた訴訟である。判旨の解説に必要な限度で、XからY1に対する訴訟の一部の骨子を述べると、XがY1に食品類の売掛金六〇万円余を請求したのに対し、Y1は、Xの依頼により額面金額三一五万円の為替...
《解 説》
Xを賃貸人、Yを賃借人とするおおとり丸等三隻の裸傭船契約が終了した際、これら船舶の修繕費の範囲及び負担者につき紛議が生じ、日本海運集会所の仲裁に付されたところ、平成元年一一月二〇日、Xの負担額を五〇七万円余、Yの負担額を一一九六万円余とし、YからXにその差額六八九万円余を支払う...
《解 説》
一 本件は、私立高校(Y学園経営)の教頭であるXの懲戒解雇をめぐって惹起された労働保全事件である。すなわち、Xが懲戒解雇後も学校に出勤してくることから、Yから土地建物立入禁止仮処分申請(A事件)がされたのに対して、Xからは、解雇無効を理由として地位保全・賃金仮払い仮処分申請(B...
《解 説》
Xは、いわゆる「ロス疑惑」事件で公判中の者であるが(東京地判平6・3・31は殺人罪等により無期懲役刑を言い渡した)、Yが発行するスポーツ日刊紙に、「麻薬密売容疑も」と題する記事が掲載され、Xの名誉が毀損されたと主張し、五〇〇万円(控訴審において二〇〇万円に減縮)の損害賠償を求め...
《解 説》
Xは著名な刑事被告人であり、名誉ないしプライバシーの侵害を理由とする民事訴訟を多数提起している者であるが、Yの発行する雑誌に掲載された右の民事訴訟に関する記事がXの名誉を毀損したとして損害賠償を求め、原審では請求の一部を認容された。Yは、Xの社会的評価はもともと消極的であり、本...
《解 説》
いずれも転勤命令の効力が争われ、同一時期になされた二つの判決を紹介する。
①の事案は、住所の移転を伴う転勤であるのに対し、②の事案は、住所の移転を伴わない転勤であるとの相違はあるものの、いずれの事案も共働き夫婦の一方に対する転勤命令であり、子供を養育中であるというところに共通...
《解 説》
XはYが建築基準法四二条二項の道路(同法三章の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したもの)に鉄パイプ製車止めや植木箱を置いてXの通行を妨害していると主張し、妨害物の撤去、通行妨害の差止め、建築工事遅延による損害賠償、Y...
《解 説》
一 Xは、Yが建築したマンションの居室を購入した区分所有者で設立した管理組合であるが、Yが右マンションの駐車場と管理事務所の隣の居室について専有部分に属するとして保存登記を経由したことに関し、右駐車場と居室は、構造上及び利用上の独立を有する専有部分とは認められないと主張し、Yに...
《解 説》
一 本件は、昭和六一年に加害自動車が対向車線に侵入・正面衝突した交通事故について、被害自動車に同乗していた原告X(控訴人・事故当時児童一〇歳)が、保母・幼稚園教諭等を志望して女子短大進学後、自動車損害賠償法三条に基づき、通院付添費・入院通院費等、更に眼・額・唇等に醜状を残してい...
《解 説》
一 本件は、土地とその地上に二個の区分所有建物を所有する者Xが、抵当権の実行に基づく競売において、一個の建物のみを除外して売却が実施されたことにより、除外された一個の建物の敷地利用権を失い、収去することを余儀なくされたと主張し、土地とその地上の二個の区分所有建物の一括競売を実施...
《解 説》
一 X(原告・控訴人)の夫Aは、昭和五五年四月当時、東京都立町田高等学校の体育科教諭であったが、四月一七日午後四時すぎころ、同校用務員室において執務中に心筋梗塞により死亡した。
そこで、Xは、地方公務員災害補償法に基づき公務災害認定請求を行ったところ、公務外と認定されたため、...
《解 説》
一 Yはゴルフ場経営会社であり、Xら一〇六名は、昭和四八年から平成四年にかけて、Yとの間で、Yの経営する預託金制ゴルフクラブの個人正会員となる旨の会員契約を締結し、入会金及び預託金の支払いをした本件ゴルフクラブの会員である。
本件は、Yが会員権を大量販売したことにより、プレー...
《解 説》
一 本件は、暴力団組員であった被告人が、組長Aの内妻であるBに暴行を加えて死亡させたという起訴事実について、被告人の捜査段階における自白及びAの証言の信用性をいずれも否定して、無罪(併合審理された別件の道路交通法違反については有罪)を言い渡した事案である。
二 本件は、次のよ...
《解 説》
一 本件は、殺人未遂の被疑者として逮捕されたXが、その際の警察官による連行方法に人権侵害があったと主張して、慰謝料及び弁護士費用合計五五〇万円の支払を求めた事件である。
本判決は、被告となった警視庁の警察官による連行方法には人権侵害の違法があったと判断してXの主張を認めたもの...
《解 説》
一 事案の概要は次のとおりである。
(1) 相手方銀行は、昭和五七年三月二〇日、申立外徳之島興産(株)との間の銀行取引約定書に基づき、徳之島興産に二〇〇〇万円を貸付けた。相手方は、抗告人は上記貸付について連帯保証したと主張して、平成四年二月二五日大阪地方裁判所に、抗告人に対す...