《解 説》
一 本件は、いわゆる「長崎原爆松谷訴訟」と称せられているもので、長崎市内において被爆し、頭部外傷を負い、現在右半身不全麻痺の症状を有する原告が、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(以下「原爆医療法」という。)八条一項に基づき、右片麻痺及び頭部外傷が原子爆弾の傷害作用に起因する旨...
《解 説》
一 Xは、昭和五七年一〇月、自転車に乗って走行中、路上に転倒して左上腕骨粉砕骨折の傷害を負ったため、Y1の経営する病院に入院し、Y2医師の執刀により骨折部の骨接合手術を受けたが、右手術の際尺骨神経を損傷し、手術部に感染症が発症したため、左肘関節、手掌、上腕骨等に知覚運動障害の後...
《解 説》
日本税理士政治連盟(日税政)は、昭和五四年九月の衆議院の解散の際、衆議院議員立候補者多数に対し多額の政治献金をしたが、Y(大阪合同税理士会。現・近畿税理士会)は、その三か月前である同年六月、その定期総会において、「(1)会費を三〇〇〇円に増額する、(2)日本税理士会連合会(日税...
《解 説》
一 Xは弁護士であるが、勾留中でかつ接見禁止決定を受けている被疑者の弁護人となるべく、勾留場所である県警本部留置場に赴き接見を申し入れた。被疑者については一般的指定書が送付されていたので、留置係の警察官は具体的指示を受けるために名古屋地方検察庁に電話連絡をしたが、担当検事が不在...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六二年二月当時五九歳の主婦であり、家事や農業に従事していたものであるが、右頚部に拇指頭大の腫瘤が出現し、痛みを伴うとともに大きくなる様子がみられたので、同月二七日、国立岩国病院で診察を受けたところ、上深内頚リンパ節の腫大と診断され、抗生物質及び抗炎症剤投与等の...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年九月一三日に死亡した訴外Aの遺言の遺言執行者として、裁判所において選任された者であるが、Aが昭和五九年一一月一二日付公正証書によりした「Aの財産全部を妻である訴外Bに相続させる」旨の遺言の執行のため、Aの所有であった本件土地につき相続を原因として所有権移転登...
《解 説》
一 本件は、町長のした町職員に対する給与の調整措置が違法であるとして町長個人を被告として提起された地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく損害賠償請求住民訴訟の上告審判決である。事案の概要は、次のとおりである。
A町の町長Yは、条例等に定められた基準による初任給の決定が行われ...
《解 説》
一 事案の概要は必ずしも定かではないが、概ね次のようである。即ち、YはXから本件土地を昭和四六年二月ころから賃借しているが、契約書においては使用目的が「植木植込場、仮店舗用地」とされ、「一時使用」の文言もあるところ、Yは本件土地を植木の植込み・陳列販売用地として使用し、その一画...
《解 説》
Xは古稀の記念として句集を自費出版することとし、平成四年四月一三日、Yに書籍一〇〇部の印刷製本を九〇万四〇〇〇円で請け負わせた。Xは同年五月二九日、目的物を受け取り、代金を支払ったが、書籍の表紙が波打つような状態となったため、消費者センターに相談した。同センターの照会を受けたY...
《解 説》
X2・X3夫婦の子X1は、Y国立病院での出産の過程(牽引娩出術を試みた後、帝王切開が行われた)において臍帯脱出があり、そのため循環障害を来し、低酸素虚血症により重篤な脳性麻痺を後遺するに至った。Xらは、担当医師Aに過失があったと主張し、Yの使用者責任を追求して、総額一億〇四七二...
《解 説》
一 Xは、昭和五四年七月当時、京都市立洛南中学校二年に在籍し、野球部に所属していたが、同月二三日、同校運動場において、野球部のクラブ活動としての紅白戦の審判(主審)をしていたところ、打者の打ったファールチップのボールが左眼に当たり、左前房出皿の傷害を負った。
そこで、Xは、同...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六〇年四月、岩槻市高齢者事業団に入会し、Y1会社に派遣されて同社の作業場においてキャリーの組立作業に従事していたものであるが、昭和六二年六月二五日、コンビテナーを組立作業現場まで運搬するよう命じられたため、作業場の前庭の鉄製ラックに近づいたところ、突然コンビテ...
《解 説》
1 本件交通事故は、Y1が駐車車両の運転席ドアを開けたため、県道を足踏自転車に乗って走行してきた女子高校生がそのドアに衝突して車道に飛ばされ、折から、後方より進行してきたY2運転の大型貨物自動車に接触した上はね飛ばされて死亡したというものであり、被害者の相続人らがYらに対し、死...
《解 説》
一 現行の相続税法では、各相続人に課される相続税の額は、相続の対象となる総財産を相続人の全員が民法の定める法定相続分及び代襲相続分に応じてそれぞれ取得したものとして計算した相続税の総額(一六条)を、各相続人が現実に取得した財産の価格に応じて各相続人に割り振るという方法(一七条)...
《解 説》
一 Xら四名とYの父であるAは本件不動産をYに遺贈したのであるが、Xらはかつてした遺留分の放棄が錯誤により無効であると主張し、本件不動産について遺留分減殺を原因とする所有権の一部移転登記を求める訴えを提起した。なお、本件不動産については相続を原因としてXら及びYに対する所有権移...
《解 説》
一 Xらは、本件に先立って二度にわたり、地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく損害賠償請求訴訟を提起し、東村山市長であるYを被告として、同市が固定資産税額に満たない額の報償費を各所有者に支払って借り受けていた体育施設用地について、Yが非課税用途に供されている固定資産に当たると...
《解 説》
本件は、道路上にはみ出して駐車中のフォークリフト前部の鋼鉄製フォークに、その存在に気づかずに走行してきたバイクの運転手が激突し、死亡したという事故について、フォークリフトの運転手が業務上過失致死罪に問われた事件である。
被告人は、材木問屋の従業員であったが、フォークリフトのフ...