《解 説》
一 事故の概要
北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR北海道」という。)函館本線の踏切自動警報器の警報灯の取替工事が行われた際、被告人は、自動警報器の支持柱に設置されている踏切支障報知装置等の非常装置の作動を停止させ、列車見張員Aを配置して、作業員Bに補助させながら脚立の上で警報...
《解 説》
一 本件は、X1~X8の居住する一三階建てマンションの南西側隣接地(本件土地)にZがマンション(本件建物)を建築することになり、Yに対して、いわゆる総合設計制度を定める建築基準法(以下「法」という。)五九条の二に基づいて、容積率及び斜線制限の緩和の許可を求める申立てをしたところ...
《解 説》
Xは、Yから期間を五年と定めて本件店舗を借り受けるに際して保証金を預託したが、XY間の契約書には右保証金の償却について、五年で二〇パーセントを償却し、償却分は五年目にうめるが、途中解約の際にも二〇パーセントの償却をする旨の規定が存した。その後、Xは一年未満の期間で、本件賃貸借契...
《解 説》
一 本件は保険会社の出資により設立された損害調査会社(債務者)のアジャスター(債権者)が、秋田市から債務者会社東京事務所(東京都立川市)への配置転換命令は人事権の濫用により無効になるとして、東京事務所で勤務する義務のないことを仮に定める仮処分を申し立てた事案である。
本件では...
《解 説》
本件はいわゆる第二次原野商法詐欺の事犯である。第一次原野商法詐欺に遭って購入した北海道の土地を処分できずに困っている被害者に対し、会社で土地の転売を仲介する意思も見込みも全くないのに、営業マンをして「(税金対策のために)お宅の土地を欲しがっている人が沢山います。お宅の土地はいい...
《解 説》
本件は、追突事故を起こした加害者Xから被害者Yに対する損害賠償債務不存在確認請求本訴事件と、これに対するYからXに対する四九五〇万円の損害賠償請求反訴事件とから成っている。Xは、追突事故を起こしたときのXの進行速度は時速一一キロメートル程度であり、この場合に生じる加速度は無傷限...
《解 説》
一 本件は、弁護士Xの被疑者甲、乙との接見を妨害した検察官Aに過失があったとする国Yに対する国家賠償請求事件の控訴審判決であるところ、第一審札幌地判昭63・6・23本誌六六九号八七頁は、慰謝料一〇〇万円の請求に対し六〇万円を認容し、本控訴審判決も同額の損害を認定してYの控訴及び...
《解 説》
一 本件は、仕手集団のリーダーとして著名なAが、藤田観光やT社との関係で生じた債務を処理したり、自らが経営権を掌握したK社に対する債務を返済する目的のため、自らの保有する藤田観光株をT社の関連会社に高値で引き取ってもらうこととし、T社側の税務対策上、市場価格で取引をする必要があ...
《解 説》
一 請求者X(夫)と拘束者Y(妻)との間には、被拘束者Z1(長女、当時五歳)及びその弟であるZ2(長男、当時三歳)とがある。Xは、Yの両親と同居して、その家業に従事していたが、次第にこれに不満を持つようになり、法事に出席するとしてZ1を連れて自分の実家に帰ったままY方には戻らず...
《解 説》
一1 本件は、会社が国鉄時代乗務車掌の指導を業務とする運用教導係にあり昭和六三年四月JR東日本発足後もこれに相当する内勤車掌として勤務していた国労組合員甲に対し国労からの脱退勧奨を最終的に拒否した翌日から電車乗務を命ずる指定変更がされたが、このことが労働組合法七条一号の「不利益...
《解 説》
本件は、債務者との間で一年間の期間の定めのある嘱託契約を締結していた債権者が、契約期間の満了または解雇予告を理由とする契約の終了を主張する債務者に対して、右嘱託契約に基づく賃金相当額の仮払いを求めた事案である。
債務者は、前記判示事項記載のような更新拒絶条項の解釈及び効力を争...
《解 説》
一 土地賃貸人であるXは、土地の賃借人であるYらに対し、賃料の不払を理由として、賃貸借契約を解除した。右意思表示は、長年にわたってYらに代わり賃借権の維持・管理にあたってきたYに対してなされたが、Yが不在であったため配達できず、所定期間の経過によりXに返還された。そこで、右意思...
《解 説》
一 Xらは、宗教法人幸福の科学の会員であり、同宗教法人の代表役員である中川隆(通称大川隆法)を信仰の対象とし、同宗教法人に帰依している者であるが、Y(講談社)発行の三種類の雑誌に掲載された幸福の科学及び大川隆法に関する記事が中傷及び捏造の記事であり、右記事によってXら各自の宗教...
《解 説》
一 本件は、業務用ストレッチフィルム(いわゆるラップ)の製造・販売をする業界大手の会社(三井東圧株式会社以下八社)の役員又は社員が、平成二年七月及び一〇月の二回にわたり、各会社の業務に関し、右フィルムの販売価格を一本当たり一五〇円(第一回)又は二五〇円(第二回)協調して値上げす...
《解 説》
甲は乙に対して金銭債権を有していた。平成三年六月一二日Aが、同月二一日Bが右債権の仮差押えをした。そこで、乙は同月二九日右債権をS法務局に供託した。Xは同年一一月一五日右供託金の還付請求権の仮差押命令を得、右命令は同月一八日S法務局に送達された。更に、同月一九日Cが右還付請求権...
《解 説》
一 X所有の甲地の北側には訴外A所有の乙地が、さらにその北側にはY所有の丙地が存在していた。丙地は南側が低くなる斜面であり、乙地を挟んで甲地も南側低地に南側斜面となっている。つまり、丙地は高地であり、甲地は低地である。Yは丙地内に排水設備を造り、これを利用して、乙地経由で甲地内...
《解 説》
Y2の従業員で証券外務員であるY1は平成二年七月二七日Xに対して、「『インサイダーぽい情報』であるとして、A社が近く店頭取引から東証二部に上場するが、一〇〇〇株で一〇〇万円から一五〇万円位の利益を得ることができる」と断定的判断を示して、A社の株式の購入を勧め、Xはこれに応じて同...