《解 説》
本件は、秋田県内で発生した現住建造物等放火被告事件に対する無罪判決である。
本件の公訴事実は、被告人が深夜酩酊の上、親しくしていた女性宅を訪ねたところ、翌日の行事を控え早く就寝したいと考えていた同女に快くとりあってもらえなかったことに立腹し、持参したライターで室内に干してあっ...
《解 説》
本件は、航行中の大型カーフェリー内で、乗客が気管支喘息発作を発症した際、同船の船長らが、最寄りの救急病院と電話連絡を取らず、右乗客を直近の港(松山港)に搬送するための航路変更もせずに予定航路上を航行し、右乗客が発作発症から約三時間後に今治市の病院に搬送された時には既に死亡してい...
《解 説》
一 本件は、信号機の設置されている交差点における貨物自動車同志の出合い頭の衝突事故であって、被害運転者が即死し、目撃者もいないという態様の交通事故である。被害運転者Aの妻子X1ないしX4は、加害運転者Y1に対しては赤信号無視、制限速度違反があるとして民法七〇九条に基づいて、加害...
《解 説》
一 本件は、被告が「シャネル No. 5タイプ」あるいは英文による説明文中に「CHANEL NO.5(R)」等の表示がなされているスティック型香水を販売したのに対し、原告が商標権に基づいて右販売行為の差止めなどを求めたものである。
二 被告は、「シャネル No.5タイプ」ない...
《解 説》
一 大阪駅前第三ビルは、大阪市街地改造事業により、大阪市により建設されたものである。本件は、この大阪駅前第三ビルの区分所有者で組織する団体であるXからY(大阪市)に対して、ビル北側道路上に設置されている昇降車路(本件ビル地上三階、地下三階の各駐車場に通じるもの)の使用料債務の不...
《解 説》
本件は、縁石で区切られた歩道内を歩行していた被害者Aが、暴走してきた加害者Y1運転の自動車に跳ねられて死亡したというもので、Aの両親及び妹であるXらが、右Y1及び右加害車輛の運転供用者Y2に対し、損害賠償を請求した事案である。
本判決は、Aの逸失利益の算定について、Aは死亡当...
《解 説》
一 共同相続人のひとり(Y)に相続開始前から単独の登記名義がある遺産(土地建物)について、他の共同相続人のひとり(X)がYに対し抹消に代わる所有権移転登記を求めたところ、Xの持分に応じた所有権の一部移転登記手続が認められた事例である。
二 判決の認定事実によれば、事実関係の概...
《解 説》
一 X(クロアチア・ライン。旧商号ユーゴリニヤ)は、船舶による海上物品運送を業とする外国会社で、リベリア船籍の貨物船マーゴ号を船主から定期傭船契約により傭船し航海運送の用に供した者であり、Y1(被告日本曹達株式会社)は商法により設立され、化学製品の製造販売を業とする会社で、Y2...
《解 説》
本件は、警ら用無線自動車(いわゆるパトカー)に乗車勤務する現職の警察官二名が、シンナーを吸入している可能性のある少女を探してパトカー内に連れ込み、職務質問等をしたうえ、所持品検査に名を借りて衣服を脱がせてわいせつな行為に及んだという強制わいせつ及び特別公務員暴行陵虐事件の判決で...
《解 説》
一 本件訴訟は、原告が、被告(証券会社)の社員(外務員)に預託した株券を不法に領得、処分されたとして、主位的に、預託契約の終了に基づき株券の引渡しを、予備的に、不法行為に基づき損害賠償の支払を求めたものである。
二 本件は、株券が多数にわたり、また、それらを預託した事情も、株...
《解 説》
一 Yらは、暴力団組長とその内縁の妻であり、Xらは、Yらの自宅(内縁の妻の所有、本件建物)の周辺住民である。
二 Xらは、本件建物の構造、建築の経緯、Yらの言動等から、本件建物が組事務所ないし組活動の連絡場所として使用されることは明らかであり、その場合、Xらは平穏な生活を脅か...
《解 説》
一 事案の概要
「水俣病」は、工場におけるアセトアルデヒド製造工程において副生されたメチル水銀化合物を含む排水が不知火海に排出されたことにより、魚介類の体内にメチル水銀が蓄積され、地域住民がこれを多量に経口摂取したことによって発生した中毒性神経疾患であり、このことは今や周知の事...
《解 説》
一 被告は、米国においてサーカス団を形成し、興行を行う訴外リングリング社の代表者である。原告は、同会社との間で、二年間にわたり同会社のサーカス団を日本に招聘し興行する権利を取得する興行契約(以下「本件契約」という。)を締結し、日本においてサーカスの興行を行ったところ、一年目に比...
《解 説》
一 Xは、昭和二二年九月、Yの前身である銀行に入行し、以来昭和六三年一〇月、Y銀行を定年退職するまでの間、出納係、証券係、管理係等に配属され、窓口業務、受払業務、公金代理業務等に従事してきたものであるが、昭和四五年八月から両手、両肘、左肩に痛みが現れ、昭和四七年二月、「手根管症...
《解 説》
A社は平成三年一二月二一日、裁判所に破産の申立てをし、同月二四日破産宣告を受け、Xが破産管財人に選任された。これより先、同年一〇月二四日、Aは国Y(大蔵省所管)に対してA所有不動産上にBを債務者として債権額五八五〇万九〇〇〇円の所得税(延滞税を含む)債務について抵当権設定登記を...