《解 説》
一 漁業を営むY社がその保有する漁船の整備点検等を甲、乙、丙の三社に分割発注したところ、冷凍設備の整備点検を請け負った甲社の作業員Aの過失によって、機関室内に冷媒用のアンモニアガスが噴出、充満し、機関等の整備点検を請け負っていた乙社関係の作業員四名が死亡するという事故が発生し、...
《解 説》
無権代理人が単独で本人を相続したときには、無権代理行為は有効になるというのが判例の立場である。しかしながら、その根拠として、最二小判昭40・6・18民集一九巻四号九八六頁、本誌一七九号一二四頁が、「無権代理人が本人を相続し本人と代理人との資格が同一人に帰するに至った場合において...
《解 説》
一 事案の概要は次のとおりである。
1 X会社(証券会社)とその従業員らが加入しているZ組合(労働組合)は団体交渉を行い、その席上X会社役員らはZ組合の諸要求に対し概ねこれを認める内容の回答を書面でした。ところが、後日、Z組合がこの回答内容について労働協約書の作成を求めたとこ...
《解 説》
XはA宗教法人の代表役員であったが解任された。Xは、右の解任が無効であると主張し、Aと新代表役員Bとを債務者として、Bの代表役員としての職務の執行の停止等を求める仮処分を申請したところ、原裁判所はこれを認め、代表役員職務代行者としてC弁護士を選任し、右職務代行者が常務外行為をす...
《解 説》
Xは元国会議員であるが、Yの発行する日刊新聞中にXがかつて選挙違反で起訴され、自民党から三年間の役職停止を受けたことがある旨の記事が掲載されたため、名誉と信用を毀損されたと主張し、Yに対し、慰謝料として五〇〇〇万円の支払い及び謝罪広告の掲載を求めて出訴した。Xは、右記事の「選挙...
《解 説》
前橋市に住所を有するXは栃木県下都賀郡内に住所を有する妻Yに対し、夫婦の最後の共通の住所が群馬県高崎市内にあったことを理由に、人訴法一条一項に基づき、離婚請求訴訟を前橋地裁に提起した。これに対しYは、高崎市に居住したことはなく、夫婦の最後の住所は栃木県河内郡にあったとして、Yの...
《解 説》
一 X1とX2は、平成三年一月、新婚旅行としてカナダを選び、Yが主催する「ルック、スキー、ウィスラーとバンクーバー」のパック旅行に参加したが、ウィスラーで宿泊した施設がホテルではなく、レストランや喫茶の設備のないコンドミニアムであったため、旅行契約上の義務不履行があったなどと主...
《解 説》
一 Yは昭和三五年に設立された株式会社であるが、当初は八〇〇〇株の株式を発行していたが、昭和五三年六月二日、従来の株主に対し持株一株につき新株一株を割り当てて発行済み株式は一万六〇〇〇株となった。Y会社の平成三年一〇月二二日の取締役は、Z、X、S、T、Uの五名であったが、Z以外...
《解 説》
一 X会社の代表取締役Aは、平成二年一一月三日午後三時ころ、普通乗用車を運転して福井県今立町内を走行中、県道から幅員の狭い未舗装の農道に進入し、鞍谷川の河川管理道路を進行中、堤防を乗り越えて鞍谷川に転落し、死亡するに至った。
Xは、昭和六三年三月、Y保険会社との間において、被...
《解 説》
一 本件は、甲山学園長の被告人Aと指導員の被告人Bが、同施設に収容されていた児童が殺害された殺人被疑事件につき保母Cを逮捕・勾留して捜査したことが違法であるとして提起された国家賠償請求事件の法廷で、保母Cのアリバイに関して偽証したとして起訴された事案である。偽証したとされる各証...
《解 説》
Xはフリーのカメラマンであり、Y1は海外旅行者向けに旅行情報誌を出版している出版業者であり、Y2は右雑誌を制作している会社である。
本件は、Xが撮影した写真を、その掲載を企画していた旅行情報誌の特集記事以外の同種旅行情報誌にXの氏名表示をしないで使用したことについて、Y1、Y...
《解 説》
XはAからオフィスコンピューターによる経理処理システム等のソフトウェアのバグの除去作業、改善作業等を請け負い、これをタイムチャージ制によりYに下請けさせた。XはYが報告した作業時間を正当なものと信じてYに下請代金一三九七万円余を支払った。しかし、Xは、Aから作業時間が水増しであ...
《解 説》
Y1梼原町は、明治二一年の旧町村制により四万川村等の六か村を統合した西津野村がその後、梼原村と改称され、梼原町となった地方自治体である。Xは、Y2四万川区(旧村)の一区域である井高部落の全世帯の世帯主二四名により選定され、当事者となったものである。Xは、井高部落の入会地であった...
《解 説》
Xは、土地区画整理事業による仮換地として指定された土地に建物を建築しようとして昭和六一年八月三〇日、業者に地質調査を依頼した。本件仮換地は、土地区画整理事業により約九・五メートル盛土がされているが、右調査結果によれば、本件仮換地の地盤は軟弱で、支持基盤としては不適切であるとされ...
《解 説》
一 昭和五五年一〇月に発生した殺人等被疑事件につき、警視庁の司法警察員は、同五六年一月一三日、被疑者Aに対する逮捕状を請求し、同日、東京簡易裁判所裁判官から逮捕状の発付を得て、全国指名手配をし、報道機関にその旨を発表した。Aは、逃亡中のため、逮捕状の再請求と追跡捜査が継続されて...