《解 説》
一 本件は、甲山学園長の被告人Aと指導員の被告人Bが、同施設に収容されていた児童が殺害された殺人被疑事件につき保母Cを逮捕・勾留して捜査したことが違法であるとして提起された国家賠償請求事件の法廷で、保母Cのアリバイに関して偽証したとして起訴された事案である。偽証したとされる各証...
《解 説》
Xはフリーのカメラマンであり、Y1は海外旅行者向けに旅行情報誌を出版している出版業者であり、Y2は右雑誌を制作している会社である。
本件は、Xが撮影した写真を、その掲載を企画していた旅行情報誌の特集記事以外の同種旅行情報誌にXの氏名表示をしないで使用したことについて、Y1、Y...
《解 説》
XはAからオフィスコンピューターによる経理処理システム等のソフトウェアのバグの除去作業、改善作業等を請け負い、これをタイムチャージ制によりYに下請けさせた。XはYが報告した作業時間を正当なものと信じてYに下請代金一三九七万円余を支払った。しかし、Xは、Aから作業時間が水増しであ...
《解 説》
Y1梼原町は、明治二一年の旧町村制により四万川村等の六か村を統合した西津野村がその後、梼原村と改称され、梼原町となった地方自治体である。Xは、Y2四万川区(旧村)の一区域である井高部落の全世帯の世帯主二四名により選定され、当事者となったものである。Xは、井高部落の入会地であった...
《解 説》
Xは、土地区画整理事業による仮換地として指定された土地に建物を建築しようとして昭和六一年八月三〇日、業者に地質調査を依頼した。本件仮換地は、土地区画整理事業により約九・五メートル盛土がされているが、右調査結果によれば、本件仮換地の地盤は軟弱で、支持基盤としては不適切であるとされ...
《解 説》
一 昭和五五年一〇月に発生した殺人等被疑事件につき、警視庁の司法警察員は、同五六年一月一三日、被疑者Aに対する逮捕状を請求し、同日、東京簡易裁判所裁判官から逮捕状の発付を得て、全国指名手配をし、報道機関にその旨を発表した。Aは、逃亡中のため、逮捕状の再請求と追跡捜査が継続されて...
《解 説》
一 Xらの所有又は共有に係る本件各土地は、がけに隣接した一体としてみると比較的整った台形状の宅地であって、宅地造成等規制法三条一項による規制区域に指定され、また、兵庫県建築基準条例が定めている「がけ地に建築物を建築する場合には、がけの態様等又は建築物の用途、構造等により安全上支...
《解 説》
一 現行法上、風俗営業については、風俗営業の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)によって、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を要することとされ(同法三条一項)、その許可の基準が定められている(同法四条)とともに、その委任に...
《解 説》
一 建物所有を目的とする賃貸借契約について借地非訟手続が導入されて二六年になるが、その間には、条件変更の裁判を得ながら相当期間にわたり堅固建物の建築をしないで経過したとか、一旦は予定どおりの堅固建物を建築したが長期間を経てより規模の大きな堅固建物に改築する必要が生じたという事例...
《解 説》
一 判示事項に関係する事案の概略は以下のとおりである。
1 破産者は、証券会社であるが、昭和五七年七月、破産宣告を受け、Xが破産管財人に選任された。Yは、京都駅前の公共地下道及び店舗等の建設とその管理運営を目的に国鉄等の出資で設立された会社であるが、昭和五五年四月一日、破産者...
《解 説》
一 本件は、建設業者であるXが土地所有者であるYとの間で店舗用建物全部の建築工事の請負契約を締結し、その工事を完成させたとして、Yに対しその工事残代金の支払いを請求したものである。
Yは、本案につき、その工事は、建物構造部分はYが注文したものの、その余の大半の工事は店舗賃借人...
《解 説》
本件の事案の概要は、次のとおりである。
原告は、自己所有地にワンルームマンションを建設して土地と共にこれを売却すること(いわゆる専有卸)を計画し、売先を探していたが、被告との間で交渉がまとまり、原・被告間で協定書が作成された。協定書の骨子は、①売買代金は専有坪単価四〇五万円とす...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
1 被告は、当時県議会議員の地位にあった原告について、朝刊の社会欄に、「県議、組長と灰色交際」「神戸区画整理事業めぐり」の見出しを付け、その下に原告の上半身の写真とともに、「個人の権利に絡む灰色交際。議員として軽率な行動」、「再開発事...
《解 説》
Xは、平成三年二月四日、Yから信号無視、駐車違反等の道路交通法違反行為を理由に六〇日間の運転免許効力停止の処分を受けたが、これを不服として福岡県公安委員会に対し処分取消しの審査請求をした。同委員会は右請求を棄却する旨の裁決をしたところ、Xは、右違反行為のうち信号無視については事...
《解 説》
Xの娘であるA(当時一八才)はY(当時二六才)と心中を図ったが、Aのみが死亡し、Yは生き残った。Yは自殺幇助事件として起訴され、実刑判決を受けた。XはYに対し、Aの死はYが教唆したものであると主張し、Aの逸失利益及び慰謝料の相続分並びにX自身の慰謝料総計九三九七万円余の内金とし...
《解 説》
一 本件は、難民国際救援センター内におけるベトナム難民間の殺人事件の控訴審において、過剰防衛の成立を認めるに止まった原判決が破棄され、正当防衛に該当する余地のあることを理由に無罪が言渡された事例である。
二 事案の内容は、被害者が被告人の姪の部屋に押し入って同女に対して包丁を...