《解 説》
原告は、昭和五八年五月一〇日、開業歯科医師である被告との間で、欠損歯部(前歯右上一番)についてブリッジ(架工義歯)補綴治療を受ける旨診療契約を締結し、被告からセラミック前装鋳造冠ブリッジの補綴を受けたが、その後、二年目、四年目の二回にわたって同ブリッジが脱離し、改めてブリッジ補...
《解 説》
本件は、共有持分の移転請求権仮登記権者に対して増価競売を求める事件である。
申立債権者は、共有持分の移転請求権仮登記権者に対して抵当権実行通知をしたところ、仮登記権利者から滌除の通知があったので、裁判所に対して、増価競売の申立てをした。仮登記権利者が申立債権者に対して、滌除の...
《解 説》
本件建物は、一階、二階とも二部屋で一階に共用の炊事場、便所があるアパートで、Xはそのうち、一階の二部屋と二階の一部屋を以前から賃借していた。Yは平成二年五月本件建物の所有権を取得し、Xが賃借していない残りの一部屋を改造して定員八ないし一〇名のもっぱら外国人労働者、旅行者向けの簡...
《解 説》
本件は、競技ダンス技術の向上・ボールルームダンスの普及発展等を目的とする権利能力なき社団であるYの会員資格の停止処分を受けたXが理事会決議の無効確認を求めたケースである。この処分の理由は、XがYの理事選挙が不公正であったかの如くY及び会員を中傷誹謗してその面目を毀損したばかりか...
《解 説》
本件は、貸金業者から貸金債権を譲り受けた原告より、借主(被告)に対する単純なる譲受債権(貸金債権)請求の事案である。
論点は、弁済期に元本の弁済をしないまま、借主が貸主に対して、定期的に利息に相当する金員(損害金相当の金員ではない。)を支払い、債権者がこれを異議なく受け取って...
《解 説》
一 Xは、「荒城の月」などの作詞で著名な詩人、土井晩翠の孫であるが、昭和五八年に晩翠の所有地を公共目的のためY(仙台市)に売却したのに租税特別措置法所定の譲渡所得等の特別控除を受けられなかったのは、Yの職員の不法行為によるものであるとして、Yに対して、損害賠償を請求するとともに...
《解 説》
一 本件は、殺人罪の共謀共同正犯者中、直接実行行為に出た者については過剰防衛の成立が認められたが、共謀者である被告人については過剰防衛の成立が認められなかったという事案である。
本件の事実関係については、本決定がその理由中において、控訴審判決(東高刑時報四一巻五~八号五〇頁、...
《解 説》
一 A(申述人、抗告人)らは、被相続人の子であるが、被相続人が死亡したことをその当日(平成三年二月二一日)に知り、同年一〇月二九日相続放棄の申述の申立てをしたところ、原審が右申述を熟慮期間経過を理由に却下したため、家庭裁判所では相続放棄の申述の熟慮期間について一応審査するにとど...
《解 説》
本件は、未熟児網膜症訴訟についての最高裁判決である。本件請求は、昭和四七年九月に出生した未熟児Xが未熟児網膜症により失明したのは担当の小児科医二名及び眼科医Aの注意義務違反と病院の医療体制の不備によるものであるとして、Xら(患児及びその両親)が、同病院の経営者であるYに対して、...
《解 説》
一 Y株式会社は、Aが個人で経営していた家具販売店が法人成りして設立された同族会社であり、その資金繰りに窮したときは、Aやその長男のB、次男のXら一族で資金を提供して切り抜けてきた。そして、それらの資金提供はYの帳簿上借入金等の負債として計上されていた。その後、BはAに替わりY...
《解 説》
土地及びその地上建物の所有者が、土地と建物を共同担保として、抵当権を設定した後、旧建物を取り壊し、土地を賃貸した。そして、土地の賃借人が新建物を建築して、これに抵当権を設定した。土地と旧建物を抵当にとっていた債権者の申立てにより、土地と旧建物について競売が開始された。旧建物は、...
《解 説》
本件は、いわゆる関西水俣病訴訟において、原告患者側から、原告ら又はその被相続人ら(以下原告らという)の公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病認定手続において作成された検診録、疫学調査記録について、これを所持する熊本県知事又は鹿児島県知事に対して文書提出命令の申立をした事...
《解 説》
一 Xは、昭和四八年四月から、Yの設置する高等学校の専任教諭をしていたが、昭和五五年四月から、それまで担当していた学科の授業、クラス担任その他の校務分掌の一切を外され、昭和五六年四月以降はそれに加えて職員室内の席を他の教職員から一人だけ引き離される形で職員室の出入口に移動され、...
《解 説》
宗教法人Xは、もと名古屋市内に本堂及び境内地を有していたが、昭和六二年に責任役員会の決議により春日井市(Y市長)に境内地を移転することに決した。Xは同市内の土地三筆を購入することとなったが、地主の都合により六三年には一筆のみを購入し、他の二筆は境内地として賃借した後、平成元年に...
《解 説》
Y水産業協同組合においては組合員の資格要件として、定款で「この組合の地区内に住所を有し、かつ一年を通じて九〇日をこえて漁業を営みまたこれに従事する漁民」と規定しており、さらに組合員資格審査規程において、準組合員として三年ないし五年経過後に正組合員として認めること、正組合員は一世...
《解 説》
一 Xは、昭和五八年一〇月当時、愛知県立惟信高校の一年生として在学していたが、同月八日、体育として柔道の授業を受け、A教諭の指示でB講師と乱取りを行っていた際、Bが足払いをかけ、足を強く払ったため、Xの体が宙に浮き、激しく倒れたことにより、左上腕骨顆上骨折の傷害を負い、後遺症と...