《解 説》
一 Xらの母親Aは、発熱、腹痛等を訴えてY医院を受診したところ、細菌性の急性大腸炎と診断されたが、大腸炎の細菌による腎盂炎の合併症が疑われ、脱水もみられたため、Y医院において抗生物質ルニアマイシン、抗コリン剤セスデン、ビタミン剤等を含む輸液を受けた。ところが、輸液開始後約一時間...
《解 説》
Xは日本人女性の非嫡出子として出生して日本国籍を取得した。その後、中華民国の男性に認知され、中華民国国籍を取得した。そして、Xは昭和五九年法律第四五号による改正前の国籍法一〇条に基づき、国籍離脱届を提出し、これが法務大臣に受理された。ところが、Xについて、認知の無効が確定した。...
《解 説》
抵当証券に記載のない期限の利益喪失特約の効力については、証券の設権証券性を認めてこれを否定するか、設権証券ではないとして、証券に記載のない背後の権利主張を認めるかについて、争いのあるところである。また、抵当証券の設権証券性を否定して証券に記載のない期限の利益喪失特約の効力が認め...
《解 説》
一 本件は、漁業・水産物の輸出入、さけ、ますの孵化及び養殖等を事業目的とするウタリ共同株式会社の代表取締役である被告人が、同社の監査役及び同社が傭船した動力漁船第二新博丸の船長らと共謀のうえ、北海道知事の許可を受けないで、平成元年一〇月二〇日ころから同年一一月五日ころまでの間、...
《解 説》
一 Xは、訴外Aから、四階建旅館(本件増築前の建物)を買受け、その後右建物に接して増築(本件増築部分)したが、本件増築前の建物について、訴外BからCに所有権移転登記がなされたうえ、本件増築前の建物から本件増築後の建物へと建物表示登記の変更登記がなされているため、本件増築部分につ...
《解 説》
一 本件は、いわゆるセクシャル・ハラスメントの法理につき初の本格的な司法判断が示された事例として、注目を集めたものである。
二 裁判所の認定した事実関係の概要は、以下のとおりである。
原告は、昭和六〇年一二月に、学生向けの情報雑誌の発行等を業務としていた被告会社乙に入社し、...
《解 説》
一 Y2は昭和四二年に設立されたソース製造を目的とする株式会社である。XはY2会社の株主で従業員でもあった。Y1は昭和六二年にY2会社の従業員株主により設立された社員持株会であって権利能力なき社団である。Y1の規約(本件規約)では、①会員は全株式を理事長に管理信託し、理事長はY...
《解 説》
一 監獄法四五条一項は、「在監者ニ接見センコトヲ請フ者アルトキハ之ヲ許ス」と規定し、監獄在監者と外部の者との接見について許可制を採用している。そして、刑事被告人として拘置所に勾留されている在監者の場合の右の接見許可の基準は、最高裁の裁判例(最大判昭58・6・22民集三七巻五号七...
《解 説》
事案の概要は次のとおりである。共同相続人一一名のうち、被相続人の子X1、X2、Y及び被相続人の妻Aが遺産の分割について話し合い、右四名の間で、遺産の一部である本件土地については、いったん相続によってYに移転登記をしてからX1、X2取得分として一人当たり面積七〇坪分を分筆して、移...
《解 説》
一 Xは、機械等のリースを主たる業務とする会社であり、Y1とオフィスコンピューターについてファイナンスリース契約を締結し、Y2がY1の債務を連帯保証した。これに伴い、Y1はサプライヤーZから本件コンピューターのほかに顧客管理用ディスク及びコンピューターソフトウェア一式を導入し、...
《解 説》
XはYに本件建物を建築材料販売等ホームセンター用店舗として賃貸していたが、Yが本件建物の敷地内にXの明示の承諾を得ず、プレハブ建物、看板、広告塔等を建てたり、床を全面改装したりしたので、Yの行為は契約当事者間の信頼関係を破壊するものとして賃貸借契約を解除し、その明渡しと賃料の倍...
《解 説》
Xは、本件係争地がX所有地(札幌市中央区北一条西一八丁目一番二一号)に属すると主張し、同地上にあるY所有の塀の撤去と係争地(北海道立近代美術館の駐車場として使用されている)の明渡しを求めた。Y(北海道)は、本件係争地は、昭和八年に行われた北海道地方費財産取扱規定二八条による査定...
《解 説》
一 X1は、昭和五九年九月当時、福岡大学附属大濠高校の二年生であったが、同月一六日、同校で行われた体育祭の色別対抗の棒倒し競技に参加し、守備陣の先頭に立って相手方の攻撃の防止に努めていたところ、相手方に腹部を蹴られて転倒したうえ、腹部を数回踏みつけられたため、脾臓破裂等の傷害を...
《解 説》
本件事案は、原告が土地を賃貸していたところ賃借人が死亡して数人の相続人が賃借権を相続したが、賃料の延滞が続いたため、賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除して、相続人である被告らに対し地上建物の収去及び土地の明渡しを求めたものである。本件においては、賃借物件を使用し実際に賃料を支払...
《解 説》
一 Xは、Y1社の社員であり、同社の有する工場内で同僚のAと向かい合ってコンテナの運搬作業をしていたところ、近くで作業をしていた同僚Bが不用意に押したコンベア上のカットコアに接触するなどしてバランスを失い、コンテナを支えきれずに手を離し、コンテナの片側を床面に落とした。Xは、右...
《解 説》
一 宮城県所在の山林と原野(以下「本件山林」という。)は、登記簿の表題部所有者欄及び旧土地台帳の所有者氏名欄に「武川久太夫外二百九十三名」と記載されている。Xは右のとおり記載された者の子孫にして本件山林を使用収益する組合員によって構成される組合であり、Yらは、武川久太夫の後裔で...