《解 説》
一 本件は、芸能人とプロダクションとの間でされた専属契約をめぐって争われた事案である。
人気タレントであるY1は、所属していたプロダクションXとの間で芸能に関する専属契約を締結していたが、右専属契約の更新を拒絶した等と主張してXのもとを離れ、現在の所属プロダクションであるY2...
《解 説》
本件は、昭和五三年二月下旬から三月上旬にかけて、富山県内の女子高校生と長野県内のOLとが連続して誘拐、殺害された、いわゆる「富山長野連続女性誘拐殺人事件」の控訴審判決である。事件は、被告人甲と同丙とが、共謀の上、長野市内などで、みのしろ金目的拐取、殺人、死体遺棄、拐取者みのしろ...
《解 説》
一 本件の概要
A夫妻は、本件建物(貸ビル、六階建)を土地賃借権付で購入・所有していたところ、土地所有者がY(不動産業者)に本件土地を売却し、Yは賃貸人の地位を承継した。A夫妻は、その後、本件建物の四階の一室を娘夫婦であるB夫妻に賃貸し、また、弁護士X(東京弁護士会所属、懲戒...
《解 説》
一 X市が市有地を駐車場用地として使用することを条件にY1に売却したところ、Y1が約定に反して暴力団組事務所を築造したため、Xは契約違反による解除を理由にY1及び転得者Y2(背信的悪意者)に対し、売却土地の所有権移転登記の抹消登記手続等を求めた。右訴訟に住民らが補助参加を申し立...
《解 説》
一 事件の概要
新潟水俣病は、昭和電工鹿瀬工場のアセトアルデヒド製造工程で副生されたメチル水銀が阿賀野川に排出されて川魚に濃縮蓄積され、これを食した多数の地元漁師らに感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄、難聴などの身体症状が現れ、中には死亡に至った患者も発生した、という痛ましい...
《解 説》
本件は、原告ら所有地について何らの権限取得がないまま市道供用開始処分がなされたとして、原告らが被告市長に対し、右供用開始処分の無効確認を求めた事案である。
本件判決は、行政処分の無効確認の訴えは、処分をした行政庁を被告として提起しなければならないところ、市道の供用開始処分をし...
《解 説》
一 本件は、法人がその資産を時価相当額より低廉な対価で譲渡するいわゆる低額譲渡がされた場合について、法人税法二二条二項により課税の対象となる収益の額はいくらであると解すべきか、この点について時価相当額と譲渡価額との差額が法人の収益であると解した場合に、役員賞与に当たるとして源泉...
《解 説》
一 本件は、日本で出生し、かつ、定住しているが永住権を有しないX(したがって、在留資格は現行法では出入国管理及び難民認定法別表第二の定住者となる)に対する、直前の四回の在留期間更新許可処分の在留期間が三年間であったのに、在留期間を一年間とした本件処分が違法であるとして、処分の取...
更地に1番抵当権が設定された後,建物が建築され,土地建物に 2番抵当権(共同担保)が設定されたが,土地の抵当権につき順位変更がされた場合の法定地上権の成否(消極)
《解 説》
1 一について
交差点における交通事故における過失割合についてはいつも問題のあるところであり、東京地裁民事交通部所属裁判官等の研究結果として公表された、別冊判例タイムズ一号・民事交通訴訟における過失相殺率等の認定基準(一九九一年全訂版・判例タイムズ社刊)に多くの事故態様ごとの...
《解 説》
一 事案の概要
Aは戦前からBに本件建物を賃貸していたが、昭和二二年に死亡し、Y1~Y8(本訴被告・反訴原告)が賃貸人の地位を承継した。X(本訴原告・反訴被告)はY1の知己であるが、Y1に対して本件建物の賃借を申し込み、昭和二五年、Y1の代理人Bと賃貸借契約を締結し、現在本件...
《解 説》
昭和五三年六月一二日夕刻、金華山沖の東方約六〇キロメートルを震央とするマグニチュード七・四の宮城県沖地震が同県一帯を襲い、死者二七名、負傷者一万〇九六二名、住家全壊一三七七戸、同半壊六一二三戸、被害総額二六八七億円という大規模な被害を及ぼした。Xら一四名は、仙台市緑ケ丘地区に不...
《解 説》
一 本件においては、イラン人の被疑者に対する取調べ及び供述調書の作成が、被疑者の母国語であるペルシャ語の通訳人を介してではなく、英語の通訳人を介して行われ、かくして作成された被疑者(被告人)の供述調書が、原判決の有罪認定の証拠とされた。そのため、弁護人は、控訴審において、右取調...
《解 説》
本判決の認定した事実によれば、本件は、鳶職として茨城県鹿島郡神栖町内で働いていた被告人が、昭和六〇年初めころにA女と知り合って、A女やその子供達であるB女及びC女と共にA女方(以下「本件建物」という。)で生活を始め、昭和六二年一月ころ、A女から資金提供を受けて熱帯魚店を開店した...
《解 説》
一 Xは、千葉県浦安市の元会社員であるが、昭和五二年頃から右耳下部に腫瘤が発生し、圧痛を伴うとともに、徐々にその数が増えてきたため、昭和五五年四月、東京大学附属病院で受診したところ、悪性腫瘍と診断された。
そこで、Xは、同病院の指示により東京大学医科学研究所附属病院に転医し、...
《解 説》
本件は、被告私立Y学苑(A高等学校)に約一年間の期限付非常勤講師の辞令を受けて雇用された原告Xが、一年間の雇用期間経過によって雇用期間が終了したとするYに対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認等を求めた事案である。Xは、本件雇用契約は、初年度非常勤講師で次年度以降は...
《解 説》
Aは、死亡時に、七五三三万七八三七円の金銭を所有していた。X、Yらは、亡Aの相続人である。Yは、A死亡後、これを銀行における「A遺産管理人Y」名義の通知預金とした。
Xらは、そのうち六一九一万九一五五円についての法定相続分の支払を、本訴で求めた。
第二審判決は、金銭は、被相...
《解 説》
一 本件は、当時長野県飯田市の市議会議員で、衆議院議員(N)の後援会会員であった被告人両名が、昭和六一年七月六日施行の衆議院議員総選挙に際し、長野県第三区から立候補する予定のNに当選を得させる目的で、共謀の上、立候補届出のない同年六月一一日に、右後援会支部事務所内において、選挙...