《解 説》
本件は、青森県三沢市の市勢映画製作のために撮影され、未だ使用されていない本件フィルムについての著作権が、この映画製作において監督であった原告に帰属するのか、この映画製作業務を受託した映画製作会社の被告に帰属するのかが争われた事件である。本訴のポイントは、「本件フィルムは映画の著...
《解 説》
一 本件は、インフルエンザ・ワクチンの予防接種により当時一〇歳の少女が国の行政指導に基づき、昭和四八年一二月町が指導したインフルエンザ・ワクチンの予防接種を受けたところ、高熱を発して脳炎により死亡したため、両親が国に対して損害賠償を求めた事案である。
一審では,接種と発熱・脳...
《解 説》
Xは県立A高校に勤務する教員であるが、二回にわたり、①A高校に議決機関としての職員会議を毎週開くこと、②時間外勤務をせざるを得ない新入生に対するオリエンテーション合宿をやめること、オリエンテーション合宿、修学旅行に際し用便をグループ別で行わせることをやめること等、③時間外勤務に...
《解 説》
Y町ではA小学校甲分校を平成四年三月三一日(その後の条例により平成五年三月三一日に変更)に廃止し、A小学校に統合する旨の条例が制定され、公布された。甲分校が所在する地区に住むXらは、①Y町に対し条例の制定の取消し、②Y町長に対し公布の取消し、③Y町長、Y町及びY町教育委員会に対...
《解 説》
Xは、国民年金法による障害基礎年金及び厚生年金保険法による障害厚生年金の各給付の裁定を社会保険庁長官Yに対して求めたが、各障害給付を支給しないとの決定を受けたので、長崎地裁に右決定の取消しを求めて出訴した。Yは、行訴法一二条一項に基づき、本件訴訟を行政庁の所在地を管轄する東京地...
《解 説》
一 原告は、小学校の教員であるが、被告らから原告の父親がいわゆる同和地区の出身であることを明らかにすること(部落民宣言)を強要され、意思決定・意思表明の自由を侵害されたうえ、これを巡るその後の経過の中で、プライバシーを侵害され、名誉を毀損された旨主張し、被告らに対し損害賠償及び...
《解 説》
Xらの子でY市立小学校六年生のAは、幼少の時から気管支喘息の持病があり、七歳の時に食事アレルギー症の一種であるそばアレルギー症に罹患していたところ、学校給食に出たそばを食してアレルギー症状が発生し、帰宅途中、強度の喘息発作のため異物を誤飲して窒息死した。本訴は、Xらが担任教師及...
《解 説》
一 本件は、芸能人とプロダクションとの間でされた専属契約をめぐって争われた事案である。
人気タレントであるY1は、所属していたプロダクションXとの間で芸能に関する専属契約を締結していたが、右専属契約の更新を拒絶した等と主張してXのもとを離れ、現在の所属プロダクションであるY2...
《解 説》
本件は、昭和五三年二月下旬から三月上旬にかけて、富山県内の女子高校生と長野県内のOLとが連続して誘拐、殺害された、いわゆる「富山長野連続女性誘拐殺人事件」の控訴審判決である。事件は、被告人甲と同丙とが、共謀の上、長野市内などで、みのしろ金目的拐取、殺人、死体遺棄、拐取者みのしろ...
《解 説》
一 本件の概要
A夫妻は、本件建物(貸ビル、六階建)を土地賃借権付で購入・所有していたところ、土地所有者がY(不動産業者)に本件土地を売却し、Yは賃貸人の地位を承継した。A夫妻は、その後、本件建物の四階の一室を娘夫婦であるB夫妻に賃貸し、また、弁護士X(東京弁護士会所属、懲戒...
《解 説》
一 X市が市有地を駐車場用地として使用することを条件にY1に売却したところ、Y1が約定に反して暴力団組事務所を築造したため、Xは契約違反による解除を理由にY1及び転得者Y2(背信的悪意者)に対し、売却土地の所有権移転登記の抹消登記手続等を求めた。右訴訟に住民らが補助参加を申し立...
《解 説》
一 事件の概要
新潟水俣病は、昭和電工鹿瀬工場のアセトアルデヒド製造工程で副生されたメチル水銀が阿賀野川に排出されて川魚に濃縮蓄積され、これを食した多数の地元漁師らに感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄、難聴などの身体症状が現れ、中には死亡に至った患者も発生した、という痛ましい...
《解 説》
本件は、原告ら所有地について何らの権限取得がないまま市道供用開始処分がなされたとして、原告らが被告市長に対し、右供用開始処分の無効確認を求めた事案である。
本件判決は、行政処分の無効確認の訴えは、処分をした行政庁を被告として提起しなければならないところ、市道の供用開始処分をし...
《解 説》
一 本件は、法人がその資産を時価相当額より低廉な対価で譲渡するいわゆる低額譲渡がされた場合について、法人税法二二条二項により課税の対象となる収益の額はいくらであると解すべきか、この点について時価相当額と譲渡価額との差額が法人の収益であると解した場合に、役員賞与に当たるとして源泉...
《解 説》
一 本件は、日本で出生し、かつ、定住しているが永住権を有しないX(したがって、在留資格は現行法では出入国管理及び難民認定法別表第二の定住者となる)に対する、直前の四回の在留期間更新許可処分の在留期間が三年間であったのに、在留期間を一年間とした本件処分が違法であるとして、処分の取...
更地に1番抵当権が設定された後,建物が建築され,土地建物に 2番抵当権(共同担保)が設定されたが,土地の抵当権につき順位変更がされた場合の法定地上権の成否(消極)
《解 説》
1 一について
交差点における交通事故における過失割合についてはいつも問題のあるところであり、東京地裁民事交通部所属裁判官等の研究結果として公表された、別冊判例タイムズ一号・民事交通訴訟における過失相殺率等の認定基準(一九九一年全訂版・判例タイムズ社刊)に多くの事故態様ごとの...
《解 説》
一 事案の概要
Aは戦前からBに本件建物を賃貸していたが、昭和二二年に死亡し、Y1~Y8(本訴被告・反訴原告)が賃貸人の地位を承継した。X(本訴原告・反訴被告)はY1の知己であるが、Y1に対して本件建物の賃借を申し込み、昭和二五年、Y1の代理人Bと賃貸借契約を締結し、現在本件...
《解 説》
昭和五三年六月一二日夕刻、金華山沖の東方約六〇キロメートルを震央とするマグニチュード七・四の宮城県沖地震が同県一帯を襲い、死者二七名、負傷者一万〇九六二名、住家全壊一三七七戸、同半壊六一二三戸、被害総額二六八七億円という大規模な被害を及ぼした。Xら一四名は、仙台市緑ケ丘地区に不...