《解 説》
一 Xは、自己名義で開設されている総合預金口座の普通預金について、預金通帳と印鑑を所持してY銀行に赴き払戻請求をしたが、Y銀行は、Xの前夫Aから支払差止め依頼を受けているとして預金の払戻しを拒絶した上、XとAとが預金の帰属を争っているので預金者を知ることができないとしてその弁済...
《解 説》
一 Aは、知人Bに代筆させて、自己の財産を全て孫のX(原告)に委譲する旨の条項を含む「遺言書」と題する書面を作成し、作成から約七年の後に死亡したが、A所有の不動産については、Aの死亡直前に、贈与や売買を原因としてYら(被告)への所有権移転登記がされていた。本件書面は、Aの自筆に...
《解 説》
本件事案の概要は本判決の「事案の概要」欄に記載のとおりであるが、ここでは、労基法三九条五項所定の計画年休協定の効力について判断を示したものとして紹介したい。
労基法三九条五項は、同法の昭和六二年法律第九九号による改正の際に追加されたものであり(昭和六三年四月一日から施行)、使...
《解 説》
本判決は、暴力団道仁会A一家と山口組系F一家との対立抗争に起因して、甲一家組員を中心に、これに道仁会内の他の組の組員が加わって敢行した、一連の殺人未遂事件二件、殺人事件一件(ほかに、この抗争事件とは無関係の暴力行為等処罰に関する法律違反、覚せい剤取締法違反事件も併合審理されてい...
《解 説》
本件は、被相続人Aの相続人である原告のX1ないしX4と被告のYとの間で、Aの創業にかかる運送業を目的とする有限会社Bの出資持分の帰属が争われた事案である。X1ないしX4は、当初、B社の全出資持分である八万五〇〇〇口がAの遺産であるとして、その確認を求めたが、弁論終結間際になって...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六三年一月当時、建設関係のビル型枠工事を主な業務とする工務店に勤務していた者であるが、同月一〇日、同僚の運転する普通貨物自動車に同乗して作業現場に向う途中、センターラインを越えて進行してきた大型貨物自動車と衝突し、脳挫傷、頭蓋骨骨折等の傷害を負った。
そして...
《解 説》
一 本件は、精神疾患で入院治療中の者が自殺したことにつき、病院の責任が争われた事例である。
訴外A(判文に年齢は現われていないが、認定事実中に「若い子」という表現がある。)は昭和五二年以降幾つかの精神病院に入院したことがあり、昭和五六年一二月以降は被告・被控訴人Yが運営する病...
《解 説》
本判決は、いわゆる「沖縄ゼネスト警察官死亡事件国家賠償請求訴訟」の差戻後の控訴審判決である。
一 重複をいとわずに同事件の内容と訴訟経過の概要を示すと、以下のとおりである(詳しくは、後記各審級における判決文を参照)。
1 昭和四六年一一月一〇日、那覇市内で「沖縄返還協定批...
《解 説》
一 本件は、いわゆるベトナム難民を偽装して日本に入国した中国人女性の原告が、その際受けた出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)による退去強制手続の適法性を争った事案である。
なお、原告は、いわゆる天安門事件に発展した中国の民主化運動に参加し、中国政府の追及を逃れる...
《解 説》
一 本件はアスピリン喘息(アスピリン等酸性解熱鎮痛剤によって発作が誘発される喘息)の患者が酸性鎮痛剤(「ボルタレン」)によるアナフィラキシー様ショックによって死亡したという事案で、原審は広島地判平2・10・9本誌七五〇号二二一頁である。
昭和五六年八月、当時四二才であったA女...
《解 説》
一 事案の概要等
1 本決定は、競売建物の所有者以外の第三者が執行妨害を目的として、競売建物に入居したことが、競売不動産の価値を著しく減少する行為に該当し、また、右第三者は所有者の占有補助者であると認定したうえで、同人を相手方とする建物退去の保全処分を認めたものである。
...
《解 説》
Xらは、資産運用に関するコンサルタント業務を行うA社との間で投資顧問委任契約を締結したが、その契約は、顧客であるXらが所定の管理費用をA社に支払い、金銭貸付とその保証を業務とするB社を通じて取引口座に運用資産を預託し、右口座による有価証券売買につきA社に委任し、その指示する株式...
《解 説》
本件は、大型ダンプカーを運転していた被告人が、渋滞の最後尾について、横断歩道をまたいで一時停車したのち、発進するに際して、横断歩行者の有無、動静に注意しなかった過失により、青信号に従って自車の直前を横断歩行中の被害者を自車に衝突させ、轢過し、死亡させた事実について、加害車両と被...
《解 説》
本件は、法定相続人のうちXら二名が共同法定相続人であるYら三名に対し、Yらは被相続人Aの遺言書を隠匿したから相続欠格事由があると主張し、YらがAの遺産につき相続権を有しないことの確認を求めた事案である。XらはYらに隠匿行為があったとする根拠として、Xら及びYらが弁護士立会いのも...
《解 説》
本件は、著名な俳優である被告人が、布袋に入れた麻薬(塩酸コカイン)約一グラムと大麻約九グラム(以下、「本件薬物」と総称する。)を着衣内に隠し持って、羽田発ホノルル行きの航空機に搭乗し、羽田空港を出発して、本件薬物を輸出したとして起訴された事案である。
公判において、被告人は、...
《解 説》
本件は、おにぎりを包装袋で包装し同包装袋を食用時に引き抜くというタイプのおにぎりについて実用新案権を有する原告が、同タイプのおにぎりに使用するための包装袋(被告製品)を製造販売していた被告に対し、被告製品で包被したおにぎりは本件考案の技術的範囲に属し、かつ、包装袋は原告の登録実...
《解 説》
Xは、平元・12・3号のサンデー毎日(Y1発行、Y2編集長)の記載中で前科があることを掲載され、プライバシーを侵害されたと主張して、Y1Y2に対して、慰謝料と「判決の結論の広告」を求めた。最大の争点は、前科の掲載の違法性の有無であった。
本判決は、要旨次のとおり判示して、請求...
《解 説》
X(国)は昭和三三年に八郎潟の干拓事業を始め、同四一年に完成させ、入植希望者に対し農林大臣が定める基本計画に従わない場合には土地取得後一〇年内に限り、Xが負担金相当額をもって買収することができるとの売買の一方の予約を付して農地を配分した。Yは昭和四四年に約九ヘクタール、同四九年...
《解 説》
一 本件の事実関係は、次のようなものである。
Yは、アメリカの多国籍企業の金融部門の中心をなす銀行であって、日本国内の二か所で営業所を有している。A社は、Yと資本系列を同じくするアメリカ法人の全額出資により設立された日本の株式会社であって、当初は営業活動をしない休眠会社であっ...