《解 説》
東京都区内にあるいわゆる環状六号線道路を拡幅し、併せてその地下に高速道路及び地下鉄を通すという都市計画事業に関し、右道路の沿線に居住し、或いは土地を所有する等している住民ら多数が、建設大臣のした右各事業の認可のうち、東京都知事に対してした地上拡幅道路整備事業の認可及び首都高速道...
《解 説》
本件は、売買代金請求訴訟を提起され、訴状等が書留郵便に付して送達され、欠席判決を受けたYが、送達が違法であるとして控訴したケースである。
本判決は要旨次のとおり判示して、原判決を取消し、原審に差し戻した。すなわち、本判決は、①本件では、平成二年一〇月四日に訴訟が提起された後、...
《解 説》
一 本件の事案の概要はこうである。京都府は、いわゆる府政記者クラブに対し記者室を貸与し、取材の便宜を図っている。京都府の住民である原告は、これを違法な公金支出であると主張した。記者室の電話代、ファクシミリ代などや専属の女子職員の給与の公金支出、記者室の無償貸与が財産の管理を怠る...
《解 説》
本判決は、最三小判昭63・7・19民集四二巻六号四八九頁、本誌六八一号一一七頁の差戻後の控訴審判決であり、その事案の概要は、以下のとおりである。控訴人高橋の設立した控訴人会社は、右高橋の考案に係る本判決添付の別紙第一目録記載の自動車接地具(車体に溜まった静電気を地上にアースする...
《解 説》
一 本件は心室中隔欠損症(心臓の左心室と右心室とを隔てる壁に穴が開いていること)の手術の首尾が争われた事例である。
原告X1は心室中隔欠損症であったが、五才であった昭和五七年六月、被告Yが開設、運営する国立療養所岐阜病院に入院してその欠損孔を閉じる手術を受けた。閉鎖手術自体は...
《解 説》
本判決の認定した事実によれば、Xらは昭和二八年一一月、設立中のYの発起人代表との間で本件土地(公簿上五万八六五四平方メートル、実測九万二六五七平方メートル)についてゴルフ場に使用することを目的として期間一〇年の約で賃貸借契約を締結したという(Yが設立されたのは昭和二九年三月であ...
《解 説》
一 株主が代表訴訟を提起するにあたっては、まず、会社に対し書面で取締役の責任を追及する訴えを提起するよう請求しなければならない(商二六七条一項)が、その請求を受けるについては監査役が会社を代表する(同法二七五条ノ四後段。もっとも、商特法上の小会社では代表取締役が会社を代表する(...
《解 説》
一 本件は、原告(開発業者)が、合計戸数一〇〇〇戸を超えるマンションを建設する計画に基づき、被告(町)に対して給水の申込みをしたところ、被告が「開発行為又は建設で二〇戸(二〇世帯)を超えるものには給水しない。」と被告制定の水道事業給水規則三条の二第一項(以下「本件給水規則」)と...
《解 説》
X(佐賀市消防吏員)は、昭和四四年八月消防車に乗車中の事故により、下顎骨骨折、下大腿骨骨折、歯牙欠損などの傷害を受けたところ、この傷害については公務上の災害との認定を受け、そのうち歯牙欠損については、義歯を装着するなどの治療を受け、昭和四五年四月末ころまでに治療を受け終わった(...
《解 説》
一 本件は、一三年前に心筋梗塞の既往のある患者が二回目の心筋梗塞を起こして入院中、入院後五日目に三回目の心筋梗塞を起こして死亡した事案であり、相続人らが原告となり病院と担当医師を被告として、不法行為または債務不覆行を理由に慰謝料等の支払いを求めたものである。
二 争点は多岐に...
《解 説》
本件は、裁判所の競売で土地を競落した原告が、執行官の現況調査に誤りがあったため、意図したのとは別の土地を買わされ損害を蒙ったとして、国家賠償法一条一項に基づき、国に対し損害賠償請求をした事案である。
原告は執行裁判所に備え付けられていた現況調査報告書の写しを閲覧して、廃屋が存...
《解 説》
本件は、長野県のリゾート地にある預託金会員制クラブ施設の利用権(会員権)を有するXら一五名が、このクラブを運営するY1株式会社及び会員権を媒介した百貨店Y2に対して、主位的に債務不履行、予備的に不法行為に基づいて損害賠償を請求したケースである。Xらは、Y1の債務不履行の事由とし...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、東京地判平2・3・28本誌七四三号一六〇頁、金法一二八一号二八頁の控訴審判決である。
Y(被告、控訴人)が、A(本件判決では「ユーザー」と呼んでいる。)に対して住宅資金を融資し、これについて住宅販売会社であるBが連帯保証し、さらに右連帯保証債務を被担...
《解 説》
一 外国為替公認銀行である原告は、被告から外国向為替手形を買い取ったところ、右手形は、支払人(米国の会社)が米国で破産宣告を受けており不渡りとなった。右手形には輸出手形保険が付保されていたので、原告は保険者である政府から手形金額の八〇パーセントに相当する保険金の支払いを受けたが...
《解 説》
一 本件事案の概要は、次のとおりである。
Zは、本件建物において印刷業を営んでおり、本件当日、ガソリンを使用して作業をしていた。そこへ、Zと取引のあるY1信用金庫の営業員Y2が同所を訪れた。Zは右ガソリンを一升瓶に入れて作業机脇の床上に置いていたのであるが、ZとY2が右作業机...
《解 説》
(一) Xらは、もとA社の役員又は従業員であり、昭和五七年六月末日をもってA社を退社した者であるが、同五九年二月七日、A社から、四〇〇万ないし三二三五万円の金員(以下「本件金員」という。)を支給された。A社は、Xらに対し本件金員を支給した際、これらが給与(賞与)の支給に当たると...
《解 説》
判示事項一について
刑法四五条後段、五〇条の適用を遺脱した場合の判決への影響につき、名古屋高判昭31・2・28裁特三巻六号二四二頁、東京高判昭63・8・2本誌六八二号二三七頁は、特に理由を付していないがこれを消極に解している。刑法五〇条を、その文言どおり、さらに余罪につき処断...