《解 説》
本件は、被告人が、妻の知人である被害者を、同人方一階廊下及び八畳間において、殺意をもって刃体の長さ一〇センチメートル内外以下の刃物で被害者の背中、右肩部等を数回突き刺し、また胸部を靴履きのまま踏みつけるなどし、被害者を右肩部及び背中の各刺切創と胸部打撲若しくは圧迫による肋骨骨折...
《解 説》
一 本件は、平成三年四月七日京都競馬場において開催された桜花賞競走における落鉄事故に端を発する事件である。
右レースでは、イソノルーブル号(以下「本件馬」という。)がいわゆる一番人気であり、Xも本件馬がらみで金五〇〇〇円分の連勝複式の馬券を購入した。ところが、発走直前になって...
《解 説》
一 Xは造園業者であるが、昭和五七年六月八日、庭石の設置作業等の造園作業の依頼を受けたので、重機の賃貸会社から運転手付きで配車されたクレーン車と大型トラックを使用して行うことを決め、重さ約一・五トンの庭石に玉掛けしたうえクレーンで吊り上げたうえトラックの荷台に移そうとしたところ...
《解 説》
一 本件は医師の患者に対する説明義務が争われた事例で、原審は東京地判平3・3・28本誌七六四号二二四頁である。Xは、変形股関節症で左右股関節についてYらの手術を受けたが、症状が悪化して生活に大きな支障が出ているとして、執刀医Y1と病棟主治医Y2を相手取って、損害賠償請求の訴えを...
《解 説》
一 Xは、昭和四六年六月一日、Y市の市長から、Y市労働相談員を嘱託する旨の辞令の交付を受けて、Y市の公務員に任用され、その後、ほぼ一年ごとに同様の辞令を受け、Y市労働相談室(その後雇用労働相談所)の事務に従事してきたが、昭和五七年一〇月一日、任期を六箇月とする辞令の交付を受けた...
《解 説》
一 原告は、被告の引っ越し作業責任者として稼働する従業員であったところ、顧客から被告の営業所に、原告外三名が担当した引っ越し作業中に財布がなくなったので至急探してほしい旨の依頼があり、この依頼を受けて、営業所長は、右作業から戻った原告ら従業員を守衛室に呼び、原告から右顧客宅にお...
《解 説》
一 砂利採取業を営むX1、X2は、国有河川における砂利の採取について、地方建設局長Y1に対し河川法二四条、二五条に基づく許可申請(以下「本件許可申請」という。)及び砂利採取法一六条に基づく砂利採取計画認可申請(以下「本件認可申請」という。)をしたが、Y1が本件認可申請に対して不...
《解 説》
一 A市は、毎年六月及び一二月に期末手当各一・九月分及び二・五月分を支給するとの議員報酬条例の定めに基づいて、市議会の各議員に右の支給割合による期末手当を支給し、また、市議会の各会派に対して、会派に属する議員の数を基準として計算した調査研究費補助金を交付していた。A市の住民であ...
《解 説》
本件は、違法収集証拠の証拠能力に関する裁判例であるが、外国人である被告人が、捜査官の英語による説明によって、任意提出に関する手続の意味を真実理解した上で所持品を警察官に任意に提出したものかどうかが問題になった事案であるという点に特徴がある。すなわち、本件では、被告人と犯人の同一...
《解 説》
一 判示に関連する事案の概要はこうである。(一) 原告の亡母Aは、妹の夫Bが甲地にビルを建築する資金の融資を受けるにあたり、その依頼で、自己所有の本件土地建物につき被告(信用金庫)に根抵当権を設定した。被告の連帯保証のもとに日本生命から一億五、〇〇〇万円の融資を受けた。(二) ...
《解 説》
本件はY1社が配信しY2ないしY37各社が発行する新聞に掲載された各記事につき、当該記事の対象であるXが名誉を毀損されたとして、謝罪広告の掲載及び慰謝料の支払を求めた事案である。
本件各記事は、株式会社明電工の実質的経営者であった中瀬古功の高額の所得税法違反及びこれに関する一...
《解 説》
繊維製品の製造販売等を営む株式会社Aの代表取締役Yは、取引先のB社から融通手形の引受を依頼され、本件各手形を含む為替手形の引受をしたが、その後A社、B社はいずれも倒産し、本件各手形は不渡になった。そこで、本件各手形の所持人であるXがYに対し商法二六六条ノ三の責任を追及したのが本...
《解 説》
一 本判決は、胃内視鏡検査・胃生検における施術上の過誤、消化管出血に対する止血措置についての医師の裁量等が問題となった事案である。
原告は、昭和五九年四月二三日午後一〇時頃、激しい腹痛を覚えて、被告病院で診察を受け、引き続き入院のうえ、諸検査を受けることになった。原告は、五月...
《解 説》
一 本件は、先天性水頭症治療のためV―Pシャントが施されていたA(死亡当時一〇歳)の死亡について、Aの両親から被告国に対し、Aが死亡したのは、シャント機能不全に由来する頭蓋内圧亢進に陥っていたAに対し、被告病院医師Bが、適切な処置を講じなかったためである等として、逸失利益等の損...
《解 説》
一 Bは、亡Aの妻であったが、Aとは別の男性CをA本人に仮装してA本人として振る舞わせ、第一ないし第三事件被告(反訴事件原告)からA、Bを連帯債務者として金銭を借り入れた上、A所有の不動産について被告のため根抵当権等を設定して登記し、被告の社員に右借入金債務に係る執行受諾文言付...
《解 説》
一 本件は仮処分申立却下決定に対する即時抗告事件であるが、建築基準法四二条二項として見做し位置指定されている私道上の塀の撤去請求をめぐる仮処分紛争であるが、旧建物解体・新建物建築施行の自動車利用を目的とする通行自由権に基づく塀撤去申立が否定された原仮処分申立て却下決定が維持され...
《解 説》
一、本件は、Yが昭和天皇死去約一〇日後の平成元年一月一八日に発行する東京新聞「昭和史特集保存版」に、X発行の書籍「ドキュメント昭和天皇」の広告を掲載する旨約したにも拘わらず、Yは契約に反し広告掲載を拒否したとして、XがYに対し、一二〇万円の損害賠償を請求した事案であり、広告掲載...