《解 説》
一 X会社は、Y1会社に対して手形金債権を有していたが、Y1会社の経営が破綻に瀕してその債権回収が危ぶまれていたところ、Y1会社がその所有にかかる製紙機械(以下「本件機械」という。)をY2会社に売却したとの情報を得て、Y1会社の売買残代金債権七五〇〇万円に対して仮差押えをした。...
《解 説》
一 X1とX2の子A(当時五歳)は、昭和六三年八月一八日、「県立親水公園」の人工池で遊んでいた際、降雨により増水した池に入り込んだため、水に溺れて死亡した。
そこで、X1とX2は、右公園の設置管理に瑕疵があったとし、Y(埼玉県)に対し、総額四七〇〇万円の損害賠償の支払いを求め...
《解 説》
一 Y(控訴人、被告)は、昭和一四年七月二日にX(被控訴人、原告)の実弟B・C夫婦間の子(長女)として出生したが、X・A夫婦とB・C夫婦との間で、YをX夫婦の跡継ぎとする約束があったことから、出生後まもなくX夫婦に引き取られ、同月一一日X・A夫婦の嫡出子(長女)として出生届がさ...
《解 説》
一 本決定は、本誌本号二三六頁に掲載されている浦和地判平4・3・9に関する本案判決前の証拠決定である。
本件において、被告人X、Yの各弁護人は、両名の捜査段階の各供述調書の一部を不同意とした上、右は、(1)違法な身柄拘束状態を利用して作成されたもので、許容性がない、(2)著し...
《解 説》
本件は、ピクニックセンター内のボート店で飲酒休憩していた被告人に道案内を頼んできた女性(当時五六歳)と同園付近を散策中、同女を失神させて姦淫しようと所携の丸太杭でその頭部付近を強打したが、失神せず、犯行露見防止と強姦を遂げるため、殺意をもって更に頭部を強打し、同女を死亡させて殺...
《解 説》
一、本件は、訴訟の終結段階においてなされた相殺の抗弁等の主張につき、時機に遅れたものとして民事訴訟法一三九条によりこれを却下した事例である。
二、右の点に関する事実関係の概要は以下のとおりである(詳細は判文を参照されたい。)。
1 本件原告であるXは、本件被告であるY外一名...
《解 説》
A村は河川改修工事をB社に請け負わせたが、B社は定められた工事期限を七三日間超過して工事を完成させた。住民であるXは、村長YがA村財務規則の定める遅延日数一日につき契約金額の一〇〇〇分の二に相当する遅延損害金を徴収しなかったことは違法であると主張して監査請求したが、監査委員はX...
《解 説》
一 本件は、税関実務におけるいわゆる予納手続制度につき、その適法性が争われた事例である。
国税犯則事件においては、刑事手続に移行する可能性があるため、通告処分が確定してその履行がされるのを待って差押物件を還付するのが原則的な取扱いである。しかし、犯則嫌疑者が船舶・航空機の乗組...
《解 説》
本件は、マンションで階上からの騒音に悩んだXが、階上の住人Yに対し、慰謝料の支払と共に、いわゆるフローリングを撤去して、畳敷又は絨毯敷に変更せよと求めた事案である。
Xの主張によれば、四人の子持ちであるYは平成二年七月の入居に先立ち、床を板張り(いわゆるフローリング)にしたた...
《解 説》
一 本件は、横浜市の住民約数百名(以下単に申立人という)が、横浜市(以下単に市という)を相手方として、市が西区所在の掃部山公園内に建築を予定している能楽堂の建築について、同公園の自然環境を悪化し、子供達の遊び場を奪い、保護者等の権利を侵害する違法な行為であるから、環境権及び人格...
《解 説》
一 本件は、金額一億二〇〇〇万円の手形の割引先を探していたXの依頼を受けて本件手形を預かったYが、Xに対して本件手形の割引金のうち五五〇〇万円は返還したものの、割引料五〇〇万円を除いた残余の六〇〇〇万円を返還しないとして、XがYに対し不法行為による損害賠償請求権または不当利得の...
《解 説》
一 本件は、約三か月の間における大麻の譲受二件(うち一件は営利目的)、譲渡三件(うち一件は営利目的)、営利目的所持一件及び栽培一件につき起訴された被告人に対し、懲役二年及び罰金八〇万円を言渡した第一審判決が、被告人からの控訴申立を受けた控訴審判決により、起訴されていない犯罪事実...
《解 説》
本件は、Y(被告・大阪府地方労働委員会)がX会社(原告)にZ組合(被告補助参加人)の組合員の差別の禁止、団交応諾等を命じた救済命令について、X会社が取消しを求めた訴訟の判決である。本件では、次のような事実関係の下で、X会社による不当労働行為の成否が問題となった。
生コンクリー...
《解 説》
一 事件の概要
本件は、昭和四八年一一月に発生した大洋デパート火災事故についての上告審判決である。
事件の概要は、営業時間中の午後一時一〇分ころ以後に、デパート店舗本館の南西隅にあるC号階段の二階から三階への上がり口付近で原因不明の火災が発生し、火災は同階段から三階店内に侵...
《解 説》
一 本件事案は、次の通りである。
X(申請人、抗告人)は、昭和五五年五月二四日頃、進行性筋ジストロフィー(デュシェヌ型)と診断された者であるが、昭和六三年三月に、公立の小学校を卒業し、ついで、平成三年三月に同じく公立の中学校を卒業した。
Xは、A市立のS高等学校に入学するこ...
《解 説》
一、Xの父Aは、昭和三三年、三菱電機静岡製作所に入社以来、空調機の組立、資材管理の仕事等に従事していたが、昭和五五年七月、埼玉県富士見市内の電器販売店に出張するよう命じられた。
そこで、Aは、同月一日上京し、都内の宿舎に宿泊したうえ、右電器販売店に出勤し、店頭販売業務に従事し...
《解 説》
Xは県立高校に理科担当教諭として勤務する者であるが、Y県教育委員会に対し、地公法四六条に基づき、四点にわたる措置要求をした。その詳細は、本判決の請求原因欄に掲げられているとおりであるが、これを簡約すると、その①は物理実験室での有料補習の全面的見直し等、②は学校行事について職員会...
《解 説》
本件は、抵当証券による担保権実行事件であり、抵当証券には期限の利益喪失約款の記載がない事例である。債権者は、原因関係に属する証券外の契約書に、期限の利益喪失約款の記載があると主張して、利息の不払い及び債権者の請求により期限の利益を喪失した債務者は、債権者の請求後の損害金債務につ...