《解 説》
A村は河川改修工事をB社に請け負わせたが、B社は定められた工事期限を七三日間超過して工事を完成させた。住民であるXは、村長YがA村財務規則の定める遅延日数一日につき契約金額の一〇〇〇分の二に相当する遅延損害金を徴収しなかったことは違法であると主張して監査請求したが、監査委員はX...
《解 説》
一 本件は、税関実務におけるいわゆる予納手続制度につき、その適法性が争われた事例である。
国税犯則事件においては、刑事手続に移行する可能性があるため、通告処分が確定してその履行がされるのを待って差押物件を還付するのが原則的な取扱いである。しかし、犯則嫌疑者が船舶・航空機の乗組...
《解 説》
本件は、マンションで階上からの騒音に悩んだXが、階上の住人Yに対し、慰謝料の支払と共に、いわゆるフローリングを撤去して、畳敷又は絨毯敷に変更せよと求めた事案である。
Xの主張によれば、四人の子持ちであるYは平成二年七月の入居に先立ち、床を板張り(いわゆるフローリング)にしたた...
《解 説》
一 本件は、横浜市の住民約数百名(以下単に申立人という)が、横浜市(以下単に市という)を相手方として、市が西区所在の掃部山公園内に建築を予定している能楽堂の建築について、同公園の自然環境を悪化し、子供達の遊び場を奪い、保護者等の権利を侵害する違法な行為であるから、環境権及び人格...
《解 説》
一 本件は、金額一億二〇〇〇万円の手形の割引先を探していたXの依頼を受けて本件手形を預かったYが、Xに対して本件手形の割引金のうち五五〇〇万円は返還したものの、割引料五〇〇万円を除いた残余の六〇〇〇万円を返還しないとして、XがYに対し不法行為による損害賠償請求権または不当利得の...
《解 説》
一 本件は、約三か月の間における大麻の譲受二件(うち一件は営利目的)、譲渡三件(うち一件は営利目的)、営利目的所持一件及び栽培一件につき起訴された被告人に対し、懲役二年及び罰金八〇万円を言渡した第一審判決が、被告人からの控訴申立を受けた控訴審判決により、起訴されていない犯罪事実...
《解 説》
本件は、Y(被告・大阪府地方労働委員会)がX会社(原告)にZ組合(被告補助参加人)の組合員の差別の禁止、団交応諾等を命じた救済命令について、X会社が取消しを求めた訴訟の判決である。本件では、次のような事実関係の下で、X会社による不当労働行為の成否が問題となった。
生コンクリー...
《解 説》
一 事件の概要
本件は、昭和四八年一一月に発生した大洋デパート火災事故についての上告審判決である。
事件の概要は、営業時間中の午後一時一〇分ころ以後に、デパート店舗本館の南西隅にあるC号階段の二階から三階への上がり口付近で原因不明の火災が発生し、火災は同階段から三階店内に侵...
《解 説》
一 本件事案は、次の通りである。
X(申請人、抗告人)は、昭和五五年五月二四日頃、進行性筋ジストロフィー(デュシェヌ型)と診断された者であるが、昭和六三年三月に、公立の小学校を卒業し、ついで、平成三年三月に同じく公立の中学校を卒業した。
Xは、A市立のS高等学校に入学するこ...
《解 説》
一、Xの父Aは、昭和三三年、三菱電機静岡製作所に入社以来、空調機の組立、資材管理の仕事等に従事していたが、昭和五五年七月、埼玉県富士見市内の電器販売店に出張するよう命じられた。
そこで、Aは、同月一日上京し、都内の宿舎に宿泊したうえ、右電器販売店に出勤し、店頭販売業務に従事し...
《解 説》
Xは県立高校に理科担当教諭として勤務する者であるが、Y県教育委員会に対し、地公法四六条に基づき、四点にわたる措置要求をした。その詳細は、本判決の請求原因欄に掲げられているとおりであるが、これを簡約すると、その①は物理実験室での有料補習の全面的見直し等、②は学校行事について職員会...
《解 説》
本件は、抵当証券による担保権実行事件であり、抵当証券には期限の利益喪失約款の記載がない事例である。債権者は、原因関係に属する証券外の契約書に、期限の利益喪失約款の記載があると主張して、利息の不払い及び債権者の請求により期限の利益を喪失した債務者は、債権者の請求後の損害金債務につ...
《解 説》
一 Xは、Yの前身である日本国有鉄道(昭和六二年四月一日日本国有鉄道清算事業団となった。)に雇用された職員であり、A鉄道管理局B電車区運転検修係の職務に従事していた者であり、昭和六〇年一一月当時、国鉄千葉動力車労働組合(以下「動労千葉」という。)B支部の執行委員であった。Xは昭...
《解 説》
直進車は、対面信号が青色であること、反対方向から進行してきた郵便車が交差点内で直進車の通過を待って右折するために停止しているのを確認して交差点内に進入したところ、郵便車の左横を通過して、反対方向からの直進車の有無等を確認しないまま右折してきたミニバイクと衝突し、ミニバイクの運転...
《解 説》
一、Yは昭和五一年にX銀行名古屋支店に普通預金をした。ところで、普通預金口座には、手形・小切手の証券類をも受け入れることができ、受入店で取り立てて決済確認をした上で払い戻すが、証券類が不渡りとなったときは預金とはならず、普通預金元帳からその金額を引き落とし、証券類を店頭で返還す...
《解 説》
一 訴外Aは、埼玉県春日部市内で桐箱の製造業を営んでいたが、平成二年五月一日、自宅に隣接する作業場で火災が発生したことを発見したので、バケツで水をかけるなどして消火作業を行っていたところ、突然地上に倒れ込み、救急車で病院に搬入されたが、「急性心不全」により死亡した。
そこで、...
《解 説》
一 本件の事案は、やや複雑であるが、判示事項に関連する限度で要約すると、自動車学校を経営していた訴外会社の倒産に関し、同社の金融機関に対する債務を被告銀行が保証し、同社の同被告に対する求償債務を原告ら及び同社の代表取締役である被告新藤が連帯保証していたところ、被告銀行が、保証債...