《解 説》
一 Xは、昭和六二年一二月、パンの製造販売に関するフランチャイズ・チェーンの本部であるYとの間でフランチャイズ契約(以下「本件契約」という。)を締結し、京都市西京区に「パンの店」の営業を開始したが、パンの売上げが少なくて経営に行き詰まり、昭和六三年二月、閉店に追い込まれた。
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《解 説》
一、債務者所有の土地・建物のうち土地に抵当権が設定された後に、両者を目的として強制競売による差押えがされ、抵当権による任意競売事件の記録が添付された(旧法事件)。まず、土地をXが競落して法定地上権が成立した後、この法定地上権付き建物をYが競落した。Xは、本件建物を債務者が所有し...
《解 説》
本件は、大手タクシー会社の管理職(営業部長)にあった被傭者(債権者)が、突然守衛部署に配置転換されたうえ、その配転の一か月後に普通解雇されたため、解雇権を濫用して行われた当該解雇は無効であるとし、賃金仮払いと雇用契約上の地位保全を求めて仮処分を申し立て、これが全面的に認容された...
《解 説》
一 近隣住民のX1、X2(父娘)及びYはかねて生活騒音を契機に反目し、以後いさかいや嫌がらせが続いていて暴力行為に至ったこともあり、本件はこれが露呈したものであるが、特に問題となったのは、Xらが地元の保健所長に対し、Yには変質的行為があるとし、精神障害者又はその疑いのある者とし...
《解 説》
1 事案の争点
本判決の事案では、公訴事実のうち、住居侵入、窃盗の点が争われており、争点は、被告人の手を借りて住居に侵入し、ネックレス一個を盗んだとする共犯者の供述の信用性である。被告人は、事件当時、共犯者と同性愛の関係にあったが、その後共犯者の覚せい剤使用による幻覚症状等か...
《解 説》
一、X1(大正一二年生)は、一五歳のころ結核に罹患し、その後自宅で療養したり、病院に入通院して治療を受けたが、生命に別状はなく、家業である醤油、味噌製造販売業や家事の手伝をするなどして暮してきた。しかし、X1は、昭和五六年八月に続いて昭和五七年三月にも数回血痰、喀血をみたので、...
《解 説》
一 本件は、区分所有権の使用収益侵害の有無如何という形で、マンションの運営に関する紛争が民事訴訟となった事例である。
原告X(判文中にもある通り、芸名馬渕晴子)は本件マンションの区分所有者であり、被告のYらは、F建設会社を中心として、その従業員、関連会社、その従業員、本件マン...
《解 説》
一、本件移送決定の前提となる事実関係の概要は次のとおりである(詳しくは決定理由を参照されたい。)。
1 本件申立人であるXは、本件相手方であるY外一名を被告として売買代金等を請求する訴えを千葉地方裁判所に提起していたところ、Yは、Xに対し、請負契約上の債務不履行に基づく損害...
《解 説》
Y新聞(全国紙)は、A私立大学(X理事長)において財政状況が悪化したため学債返還に行き詰まった旨の記事やXが独断で大学の経費により株売買に三四億円つぎ込み、五億円の損害があった旨の記事を計四回掲載した(記事目録一ないし四)。Xは、右記事により自己の名誉を毀損されたと主張し、Yに...
《解 説》
本件はいわゆる事情の変更による仮処分取消申立事件である。本件において取消しを求められた仮処分決定は、建物の売買契約に基づく被申立人(仮処分債権者)の申立人(仮処分債務者)に対する所有権移転登記請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分である。申立人は、本案訴訟(申立人を原告とする...
《解 説》
一 本件は、塗装業務に従事していた控訴人(一審原告)が、会社内で会議中に脳出血で倒れ、右片麻痺、言語障害等の後遺症を残すに至ったが、被控訴人(一審被告)労働基準監督署長から、労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付及び休業補償給付をしない旨の決定(本件決定)を受けたので、その取...
《解 説》
Y女は、昭和三八年五月、Xら夫婦の子A男と結婚し、Xが所有する本件建物でXらと同居したが、Aはその後他の女性と親しくなり、同五九年九月に家を出て行き、Yと離婚するに至った。その際、AからYに別の不動産が財産分与され、また、Yは引き続きX方に居住するが、Xらと折合いを欠くに至った...
《解 説》
建物賃貸借契約が建物の一時使用を目的とするものである場合は、借家法の適用が排除され(借家法八条)、解約申入れには正当事由が不要であり、法定更新の適用もない。一時使用の賃貸借であるか否かの判断は、その期間の長短だけでなく、「賃貸借の目的、動機、その他諸般の事情から該賃貸借契約を短...
《解 説》
一 本件事案の概要等は、次のとおりである。
1 不動産競売事件において、競売不動産の所有者の代理人(弁護士)が、裁判所書記官に対し、同事件の記録の閲覧・謄写を申請したところ、これを拒絶された。そこで、この拒絶処分に対して異議の申立をしたが、これが却下されたので、更に、抗告し...
《解 説》
一 事案の概要
原告は、略称をJR総連といい、東日本旅行鉄道労働組合などの単位組合の連合体であるが、右総連の総務部長が平成元年一二月二日帰宅途中、自宅付近で何者かによって殺害されたため、同人を追悼する合同葬を行うことを計画し、同月一六日、上尾市福祉会館に対し(以下、「本件会館...
《解 説》
一 X(原告)は、Z(被告補助参加人)を債権者、Y(被告)を債務者兼所有者とする不動産競売申立事件(本件競売)において、一括売却された五筆の土地である本件土地を買い受け、代金を納付した。本件競売の期間入札の公告書、物件明細書、現況調査報告書、評価書には、いずれも登記簿の記載に基...
《解 説》
一 本件は、C信託銀行本店(以下、C信託という。)不動産営業部次長の地位にあり、同本店における不動産取引の業務に従事する傍ら被告人株式会社A(以下「被告会社」という。)の実際上の経営者としてその業務全般を統括していた被告人甲が、(ⅰ)その実弟で被告会社の経理事務担当取締役であっ...
《解 説》
一、Xら六名(弁護士)は平成二年二月に施行された衆議院議員選挙において広島県第一区の選挙人であったが、その当時議員一人当たりの選挙人数の最も少ない宮崎第二区の一〇万五九三九人と最も多い神奈川県第四区の三三万六八五九人との間で投票価値の較差が約三・一八対一となっていたことから、Y...