《解 説》
一、本件は、Y町立羽村第一中学校の三年生であったX1が二学期開始後間もない昭和六〇年九月一七日から登校拒否をしたことについて、同級生であるA、Bらのつっぱりグループからいじめを受けたことがX1の登校拒否の原因であり、学校側がいじめを発見して防止する努力を怠りこれを放置したために...
《解 説》
一 Xらは、いずれも昭和二四年以来久留米市荒木町に居住していた者であるが、久留米市荒木に工場を有する三井東圧系の農薬製造会社から流出する農薬によって土壌、地下水が汚染され、それにより慢性気管支炎、角膜実質炎、過敏性大腸炎、自律神経失調症、脳波異常、皮膚炎等の健康被害を被ったとし...
《解 説》
一 Xは昭和四七年七月から昭和四九年一二月まで内閣総理大臣の地位にあった者であるが、その母校Yが、学校創立八〇周年記念事業の一環として、戦後の復興に多大の貢献をし、長年にわたって理事長を務めたXの記念胸像の制作を企画し、東京芸大助教授に依頼して胸像と銘板を制作したうえ、公開、展...
《解 説》
一 土地の容積率(建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合)の決定は、各用途地域について、建築基準法五二条の規定の制限内で、都市計画法八条二項二号イに基づき都市計画決定の一つとしてされ、また、定められた容積率の変更は、同法二一条に基づき都市計画の変更としてされることになっている。...
《解 説》
原告母が、助産婦の被告の助産によって原告子を出産したものの、原告子がその数日後に核黄疸に罹患し、脳性小児麻痺の事態を招いたことにつき、被告との間で締結の新生児の保健指導等を委託する旨の契約不履行を理由に、逸失利益等の損害賠償を請求した事案である。
核黄疸とは、脳性麻痺の原因を...
《解 説》
一 事案の概要は以下の通りである。
Xの夫Aはフランス人であるが、気管支喘息の持病を有していたところ、被告Yが実施している冷凍療法が有効であると聞いて来日した。冷凍療法とは、Yが元来リウマチ治療法として考案したもので、新聞報道によると、患者を氷点下一〇〇度位の冷気にさらすこと...
《解 説》
Xら県民は、県知事Yが昭和天皇の病気見舞記帳のために上京したのは国民主権主義及び法の下の平等に違反するものであり、またYが県庁前に記帳所を設置したことは地方公共団体の事務に該当せず、違法であると主張し、これらの費用総額五七万円余の損害賠償を求めて住民訴訟を提起した。一審の福岡地...
《解 説》
本判決の認定によると、何者かが土地登記簿の原本を閲覧の機会に持ち出し、正規のものと酷似する活字を用いて所有者AからBへの所有権移転登記を改ざんし、これを利用してXから土地売買代金名下に二億円を詐取した。しかし、約一か月後にAからBへの所有権移転登記が、次いでBからXへの所有権移...
《解 説》
一 本件は、X(原告・控訴人)が、身元保証等の引受を業とし保証証券を発行する(受託協会)会社Y1・右保証証券を販売する(保証協会)会社Y2・両会社の代表者Y3(以上、いずれも被告・被控訴人)を相手方として、会社と総代理店契約を結んだが、その契約がマルチ商法等で違法なものであると...
《解 説》
一 本件は、横浜港に入港したコロンビア船籍の貨物船内から史上最高量の約三三キロのコカインが発見押収され、同船船員の甲(コロンビア人)が現行犯逮捕された事案で、コロンビアの麻薬組織が、アメリカの厳しい取締りにあって、コカイン密売の標的を日本に向けるようになったことがその背景にある...
《解 説》
一 事案の概要は以下の通りである。
Aは昭和五五年当時五八歳であったが、胆石症の治療のため被告Yが運営する国立病院医療センターに入院し、六月六日に第一回の手術を受けて胆石を摘出した。しかしその後急性膵炎を発症し、病状が悪化したので、Y側では同月一二日に腹膜炎との診断で二回目の...
《解 説》
X会社は昭和五八年一一月、地上一〇階建ての事務所・店舗専用部分、ワンルームタイプ専用部分、共用部分、駐車場の四種から成るビルを新築し、同五九年一一月、事業所税(地方税法七〇一条の三〇以下)の課税標準となる事業所の床面積を五〇三八・〇八メートルと算定して、納付税額を三〇二二万八四...
《解 説》
一 Xは、昭和五五年九月五日にA所有の旧建物(一)について、Bは昭和五六年一月一四日にA所有の旧建物(二)について、Aとの間で抵当権の設定を受け、その旨の登記を経由していた。
旧建物(一)(二)は、縦割連棟式建物の隣接した二戸で、床面積も価格も相等しく、区分所有の目的たる建物...
《解 説》
本件は、一八歳の学生であったXが深夜アルバイト先からの帰宅途中、その直前に道路を通過した大型車両との接触によって地上一・二メートルまで垂下し道路を横断していたY(NTT)所有の電話線に頚部を接触させ重傷を負ったため、XとXの両親がYに対し損害賠償を請求した事件である。
X側は...
《解 説》
一 本件は、土地賃料を非課税としながら、家賃に課税する消費税法(平成三年法律第七三号による改正前のもの)の合憲性が争われた事例である。
原告Xは、被告Yが所有・運営する団地の一室に居住しているが、その月額賃料は従前七万九九〇〇円であったところ、平成元年三月頃、Yは消費税相当額...
《解 説》
一、本件は、X(原告=株式会社)が代表取締役甲を被保険者、Xを保険金受取人、主契約保険金を一億円、特約による保険金を一億円とする生命保険契約に基づき甲の死亡に伴って保険会社から支払を受けた保険金を甲の遺族に交付し、当該事業年度の益金に算入しなかったのに対し、Y(被告=税務署長)...
《解 説》
一、本件は、原告が、被告に対し、被告の発行する週刊誌に掲載された記事によって名誉を毀損されたとして、慰謝料八〇〇万円の支払いを求めたのに対し、被告が、記事の公共性・公益性・真実性ないし真実と信ずるにつき相当の理由の存在を主張して争った事案である。
本件で問題となった記事は、①...