《解 説》
一 本件は、X(原告・控訴人)が、身元保証等の引受を業とし保証証券を発行する(受託協会)会社Y1・右保証証券を販売する(保証協会)会社Y2・両会社の代表者Y3(以上、いずれも被告・被控訴人)を相手方として、会社と総代理店契約を結んだが、その契約がマルチ商法等で違法なものであると...
《解 説》
一 本件は、横浜港に入港したコロンビア船籍の貨物船内から史上最高量の約三三キロのコカインが発見押収され、同船船員の甲(コロンビア人)が現行犯逮捕された事案で、コロンビアの麻薬組織が、アメリカの厳しい取締りにあって、コカイン密売の標的を日本に向けるようになったことがその背景にある...
《解 説》
一 事案の概要は以下の通りである。
Aは昭和五五年当時五八歳であったが、胆石症の治療のため被告Yが運営する国立病院医療センターに入院し、六月六日に第一回の手術を受けて胆石を摘出した。しかしその後急性膵炎を発症し、病状が悪化したので、Y側では同月一二日に腹膜炎との診断で二回目の...
《解 説》
X会社は昭和五八年一一月、地上一〇階建ての事務所・店舗専用部分、ワンルームタイプ専用部分、共用部分、駐車場の四種から成るビルを新築し、同五九年一一月、事業所税(地方税法七〇一条の三〇以下)の課税標準となる事業所の床面積を五〇三八・〇八メートルと算定して、納付税額を三〇二二万八四...
《解 説》
一 Xは、昭和五五年九月五日にA所有の旧建物(一)について、Bは昭和五六年一月一四日にA所有の旧建物(二)について、Aとの間で抵当権の設定を受け、その旨の登記を経由していた。
旧建物(一)(二)は、縦割連棟式建物の隣接した二戸で、床面積も価格も相等しく、区分所有の目的たる建物...
《解 説》
本件は、一八歳の学生であったXが深夜アルバイト先からの帰宅途中、その直前に道路を通過した大型車両との接触によって地上一・二メートルまで垂下し道路を横断していたY(NTT)所有の電話線に頚部を接触させ重傷を負ったため、XとXの両親がYに対し損害賠償を請求した事件である。
X側は...
《解 説》
一 本件は、土地賃料を非課税としながら、家賃に課税する消費税法(平成三年法律第七三号による改正前のもの)の合憲性が争われた事例である。
原告Xは、被告Yが所有・運営する団地の一室に居住しているが、その月額賃料は従前七万九九〇〇円であったところ、平成元年三月頃、Yは消費税相当額...
《解 説》
一、本件は、X(原告=株式会社)が代表取締役甲を被保険者、Xを保険金受取人、主契約保険金を一億円、特約による保険金を一億円とする生命保険契約に基づき甲の死亡に伴って保険会社から支払を受けた保険金を甲の遺族に交付し、当該事業年度の益金に算入しなかったのに対し、Y(被告=税務署長)...
《解 説》
一、本件は、原告が、被告に対し、被告の発行する週刊誌に掲載された記事によって名誉を毀損されたとして、慰謝料八〇〇万円の支払いを求めたのに対し、被告が、記事の公共性・公益性・真実性ないし真実と信ずるにつき相当の理由の存在を主張して争った事案である。
本件で問題となった記事は、①...
《解 説》
一 Xは、昭和六二年一二月、パンの製造販売に関するフランチャイズ・チェーンの本部であるYとの間でフランチャイズ契約(以下「本件契約」という。)を締結し、京都市西京区に「パンの店」の営業を開始したが、パンの売上げが少なくて経営に行き詰まり、昭和六三年二月、閉店に追い込まれた。
...
《解 説》
一、債務者所有の土地・建物のうち土地に抵当権が設定された後に、両者を目的として強制競売による差押えがされ、抵当権による任意競売事件の記録が添付された(旧法事件)。まず、土地をXが競落して法定地上権が成立した後、この法定地上権付き建物をYが競落した。Xは、本件建物を債務者が所有し...
《解 説》
本件は、大手タクシー会社の管理職(営業部長)にあった被傭者(債権者)が、突然守衛部署に配置転換されたうえ、その配転の一か月後に普通解雇されたため、解雇権を濫用して行われた当該解雇は無効であるとし、賃金仮払いと雇用契約上の地位保全を求めて仮処分を申し立て、これが全面的に認容された...
《解 説》
一 近隣住民のX1、X2(父娘)及びYはかねて生活騒音を契機に反目し、以後いさかいや嫌がらせが続いていて暴力行為に至ったこともあり、本件はこれが露呈したものであるが、特に問題となったのは、Xらが地元の保健所長に対し、Yには変質的行為があるとし、精神障害者又はその疑いのある者とし...
《解 説》
1 事案の争点
本判決の事案では、公訴事実のうち、住居侵入、窃盗の点が争われており、争点は、被告人の手を借りて住居に侵入し、ネックレス一個を盗んだとする共犯者の供述の信用性である。被告人は、事件当時、共犯者と同性愛の関係にあったが、その後共犯者の覚せい剤使用による幻覚症状等か...
《解 説》
一、X1(大正一二年生)は、一五歳のころ結核に罹患し、その後自宅で療養したり、病院に入通院して治療を受けたが、生命に別状はなく、家業である醤油、味噌製造販売業や家事の手伝をするなどして暮してきた。しかし、X1は、昭和五六年八月に続いて昭和五七年三月にも数回血痰、喀血をみたので、...
《解 説》
一 本件は、区分所有権の使用収益侵害の有無如何という形で、マンションの運営に関する紛争が民事訴訟となった事例である。
原告X(判文中にもある通り、芸名馬渕晴子)は本件マンションの区分所有者であり、被告のYらは、F建設会社を中心として、その従業員、関連会社、その従業員、本件マン...
《解 説》
一、本件移送決定の前提となる事実関係の概要は次のとおりである(詳しくは決定理由を参照されたい。)。
1 本件申立人であるXは、本件相手方であるY外一名を被告として売買代金等を請求する訴えを千葉地方裁判所に提起していたところ、Yは、Xに対し、請負契約上の債務不履行に基づく損害...
《解 説》
Y新聞(全国紙)は、A私立大学(X理事長)において財政状況が悪化したため学債返還に行き詰まった旨の記事やXが独断で大学の経費により株売買に三四億円つぎ込み、五億円の損害があった旨の記事を計四回掲載した(記事目録一ないし四)。Xは、右記事により自己の名誉を毀損されたと主張し、Yに...
《解 説》
本件はいわゆる事情の変更による仮処分取消申立事件である。本件において取消しを求められた仮処分決定は、建物の売買契約に基づく被申立人(仮処分債権者)の申立人(仮処分債務者)に対する所有権移転登記請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分である。申立人は、本案訴訟(申立人を原告とする...