《解 説》
一、本件事案は、次の通りである。
(1) Y(相手方)は、S学校(神戸市立の工業高等専門学校)の校長であるところ、Xら五名(抗告人)は、平成二年四月に、S学校に入学した。(2) S学校では、その教科の一般科目として、保険体育が必修とされ、その具体的種目に剣道、柔道等の格技があ...
《解 説》
一 F市は土地区画整理事業の施行者であったが、F市の市長は、同事業の費用にあてる等の目的で、保留地をTに売却したところ、F市の住民である原告らが、右売却は随意契約によることができないのになされたものであり、また時価より極めて安価になされたものであるから、違法な財産の処分にあたる...
《解 説》
一 事案の概要等
1 本決定は、競売建物三棟につき、その所有者及び占有者を相手方として、占有移転禁止及び執行官保管を命ずる売却のための保全処分(民執法五五条一項、二項)を認めたものである。
2 申立書等によれば、本件競売申立債権者は、不動産会社である所有者が分譲目的で所...
《解 説》
一、Xらは、郵政職員であり、東京中央郵便局に勤務し又は勤務していた者である。
東京中央郵便局においては、長年にわたって、郵政大臣が定めた郵政事業職員勤務時間、休憩、休日および休暇規程(以下「勤務時間規程」という。)、就業規則並びに労働協約に定める休息時間を上回る休息時間(慣行...
《解 説》
一 事案の概要
控訴人は、訴外会社所有の建物(工場抵当法(以下「法」)二条二項にいう工場に属する建物、以下「本件工場」)に抵当権の設定を受けて登記を経由していたが、セメント計量器その他の物件(以下「本件物件」)につき、法三条一項に基づく目録(以下「三条目録」)の提出をしていな...
《解 説》
被告人は、「コロンビア人女性L及びその弟と称するDらと共謀の上、法定の除外事由がないのに、営利の目的をもって、Kに対し、コカイン約五〇〇グラムを代金三〇〇万円で譲渡した」として、営利目的によるコカイン譲渡の事実で起訴されたが、公判では、「営利の目的」があったかどうかが争われた。...
《解 説》
一 事案の概要
本件土地甲が所在するN村は人口約二五〇〇人の山間部の農村であるところ、宗教法人Aは、修行のためのキャンプ地として本件土地甲を開発し、ここにAの信者多数が短期間に各地から移転してきた。
本件は、Aの信者である原告らがN村村長である被告に対し、本件土地甲ないし乙...
《解 説》
本件の被告Yは超軽量飛行機を扱う飛行クラブの主宰者であり、原告Xはそのクラブ員である。
Xは昭和六三年七月にYのクラブに加入して超軽量機による飛行の訓練を受けていたが、同月三一日の訓練中にYの操縦する当該軽量機が高度約五メートルの所から墜落した。右事故によってXは腰椎粉砕骨折...
《解 説》
一 本件は、神戸地判平1・6・1本誌七一二号一一七頁の控訴審判決であり、その事案の概要は、以下のとおりである。
Y(被控訴人)は神戸市に本店を置く船舶・航空機等の製造・販売会社であり、X(控訴人)はその神戸工場船舶事業本部(管理部門)に所属し、電算端末機オペレーターとして勤務...
《解 説》
一 本件は、不動産の受遺者が、遺留分権者からの遺留分減殺請求に基づく登記手続請求に対し、民法一〇四一条の価額弁償によってこれを免れようとする場合の弁償権行使の終期について判示した事例である。
被相続人の妻Xは、被相続人から本件土地の遺贈を受けたYに対し、右遺贈に対する遺留分減...
《解 説》
本件は、行方不明の債務者に対し、貸金を有している労働金庫が、債務者の給料及び退職金の供託金還付請求権を被差押債権として、債権差押え命令の申立てをした事件である。
債務者は、行方不明となって約一年経過しており、その間給料や退職金を取りにくることもなかったので、債権者は、法律の定...
《解 説》
本件は、船舶の沈没(衝突によるものではない。)により貨物の損害等を受けたとする定期傭船者が、日本の船主責任制限法九五条の船舶先取特権を根拠に、定期傭船契約に基づいて有する上記の損害賠償債権について弁済を受けるため、船舶の代わりに、船体保険により被保険者に給付される保険金に物上代...
《解 説》
一 判示事項一について
本件処分の期間(一年間とされていた)の終期は昭和六二年三月三一日であった。そこで、Yは期間の経過により本件処分取消の訴えの利益が失われたと主張した。本判決は、行政事件訴訟法九条にいう法律上の利益とは、処分によって違法に権利又は法律上保護された利益の侵害...
《解 説》
地方公務員法二八条の二は職員の定年による退職について定め、同法二八条の三は、任命権者は、職員が定年により退職すべきこととなる場合に、「その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるとき...
《解 説》
一 Xは、Yが設置管理するM小学校六年生に在学する男子児童であるが、右小学校の六年生の三組が合同して行われた水泳授業において、二人の教諭の指導の下に逆飛び込みの練習をしていた。Xは、右飛び込み練習をしていた際、プールの底で頭を打って第二頚椎脱臼、第二、第三、第四頚椎椎体骨折の傷...
《解 説》
一、本件は、医院経営者の依頼を受けてクリニック院長になる医師を斡旋した人材スカウト業者がその医院経営者に対し職業安定法(以下この解説では単に法ということがある)で認められている以上の報酬(約定の紹介料)を請求した事案であって、一・二審とも、職業安定法で認められている限度でしか、...