《解 説》
XらはAの相続人であるが、家庭裁判所において限定承認の申述をして受理され、X1が相続財産管理人に選任された。そして、民法九二七条に基づき債権届出の催告をしたところ、四七億円余の債権の届出があった(その後、本件供託金を原資とする配当弁済を辞退する債権者があった)。Yら(国を除く)...
《解 説》
本件は換地処分による清算金の算定方法、特に基準時としての工事概成時から清算金決定までの間の利息相当額を清算金に含ませるべきか否かが争われた事案であり、施行者である県知事Y(第一審原告・第二審控訴人兼附帯被控訴人)は、清算金は、換地相互間の不均衡を是正するものであって、損失補償の...
《解 説》
本件は、原告が、被告に対し、法人税賦課決定処分等及び源泉徴収にかかる所得税について、納税告知処分等の違法性を争った事案であるが、原告は、その中で、所得税額の認定の誤り、処分の経過が信義則に違反すること及び簿外預金を役員賞与と認定したことの違法を主張した。
まず、判旨一の点につ...
《解 説》
一 原告は、昭和三八年の自己に対する辞職承認の違法、無効を争い従前から何度も訴訟を繰り返している者であるが、平成二年一一月に京都府情報公開条例に基づき、京都府教育委員会に対して、昭和三八年ないし四三年度の京都府立学校教員一二名に対する辞職承認の人事異動通知書の公開を請求した。被...
《解 説》
一 本件は、中古住宅(購入時建築後五年経過)を購入した原告が、入居後、建物につき構造上の欠陥を発見したとして、被告らに補修費用等の損害賠償を求めた事案である。直接の売主に対しては瑕疵担保責任を根拠とし、建物を建築した施工業者に対しては民法七一五条の使用者責任を根拠としている。
...
《解 説》
一、本件訴訟は、在留資格変更申請に対する不許可処分の取消訴訟であるが、右申請が在留期間経過後にされ「特別受理」されたものであったことから、「特別受理」の法的性質、右不許可処分の処分性等が問題となった。
二、在留資格の変更について、出入国管理及び難民認定法(以下「法」という。)...
《解 説》
X(高校三年生)は、教室内で喫煙をしたことを理由として、昭61・11・12学校から自主退学するよう勧告されたが、Xはこれに従わなかったため昭和62・3・23退学処分を受けた。その間、学校側はXに対して学習指導をせず、定期考査も受けさせなかった。そこで、Xは、①本件退学処分は、喫...
《解 説》
一、本件はアクアラング用具の欠陥が争われたという現代的な事件である。
潜水作業等を業とするX(当時四一歳)は、昭和五一年四月、潜水用具販売業者であるYから、米国のユーエス・ダイバース社開発にかかる潜水用具空気残量計を購入し、これを自動調整呼吸器に装着して潜水作業をしていたとこ...
《解 説》
一、XらとYの間には、XらがYから本件土地建物を買い受けたことを前提として、昭和四四年一一月五日に、明石簡易裁判所で、YがXらに対し右土地建物を昭和四五年一〇月末日限り明け渡す旨の裁判上の和解(起訴前の和解)が成立していた。
ところがその後XらがYに対して右明渡し執行をしない...
《解 説》
一 本件の事案の概要はこうである。(一) 被告税務署長は、看板業を営む原告に所得税更正処分をした。(二) 被告の部下職員は、前後三回にわたり原告の店舗を訪問した。原告は、しかし、多忙を理由に調査を拒絶した。(三) その後、原告店舗を訪問した際、同調査官は、原告の在、不在を確認す...
《解 説》
本件は、一八歳未満の者の深夜業禁止規定(労働基準法六一条一項、罰則は一一九条一号)の適用をめぐって、いわゆるテレホンクラブ兼デートクラブが労働基準法八条一四号に定める接客業に当たるか否かが問題となった事例である。本判決は、本件テレホンクラブ兼デートクラブは右接客業には当たらず、...
《解 説》
一、事案の概要
動産売買先取特権に基づく差押承諾請求権を被保全権利とする占有移転禁止・執行官保管の仮処分の申立てに対し、原決定は、動産売買先取特権者に差押承諾請求権を認めることはできないとしてこれを却下した。そこで即時抗告がなされたが、本決定は、原決定と同様、差押承諾請求権を...
《解 説》
一、事案の概要は以下のとおりである。
昭和五八年、X1国鉄労働組合(国労)及びX2国鉄労働組合東京地方本部(国労東京地本)は当時の公共企業体等労働委員会(公労委)に対し、東京駅における国鉄の不当労働行為を主張して救済のための命令を申し立てた。しかし公労委は昭和六〇年一二月にこ...
《解 説》
Xは昭和六一年五月、Y保険会社との間でXの子A女を被保険者、Xを受取人とする災害割増特約及び傷害特約(いずれも不慮の事故を直接の原因として右事故日から一八〇日以内に死亡したことを保険事故とし、死亡保険金額を各五〇〇万円とするもの)付きの終身生命保険契約を締結した。A女が同六二年...
《解 説》
本件は、中学サッカー部の自主的な練習中に部員が死亡した事件に関して、日本体育・学校健康センター法が規定する「学校の管理下における災害」への該当性が争われた事例である。右センターは、義務教育の学校の管理下で生じた事故について、活動の目的や学校側の過失の有無を問わずに補償給付を行っ...
《解 説》
一、本件に至るプロセスは次のとおりである。
秋田市水道事業給水条例施行規程一九条によれば、「一般用」水道料金は浴場用以外の用途に供するもの、「浴場用」料金は物価統制令施行令一一条の規定により入浴料金統制の適用を受ける公衆浴場である、と定められていた。そして、秋田県においては銭...
《解 説》
一1 本件は、拘置所長が、監獄法施行規則(平成三年法務省令第二二号による改正前のもの。以下「規則」という。)一二〇条に従い、被勾留者とその養親の孫M(義理の姪 当時一〇歳)との接見を許さなかったので、その被勾留者(X)が、国家賠償法一条一項に基づき、国(Y)に対し、慰藉料五〇万...