《解 説》
一 本件の本案訴訟は、O県の住民Xらが、O県知事であるY個人らを被告として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号の住民訴訟である。Xらは、O県知事が大嘗祭関係儀式である主基斎田抜穂の儀に参列したY個人らに対し旅費等を支出したことについて、憲法の政教分離の規定に違反する違法な公...
《解 説》
X(弁護士)はY1~Y3を当事者とする四件の訴訟事件について訴訟代理人として訴訟追行したが、このうちの一件は61・11・25一審で敗訴したので61・12・8控訴した(本件控訴事件)。Xは61・12・6この件について相手方代理人弁護士との間で和解Aを成立させた。その後Yらは62・...
《解 説》
Xの主張によれば、XはZ保険代理店を介しY保険会社との間で、X所有の本件自動車について従前から自動車保険契約を結んでおり、二回更新をしていたところ、Xの長女Aが本件自動車を運転中原付自転車等と衝突する本件交通事故を起こしたため、右原付自転車の運転者等に対し合計約四〇〇〇万円の損...
《解 説》
Xら(夫婦)は所得税の確定申告、修正申告の後に、更正の請求をした。Yは更正の請求に対する処分をしないまま増額更正をし、その後に、更正の請求が理由のない旨の通知をした。Xらは増額更正と更正の請求が理由のない旨の通知の取り消しを求めた。
本件で紹介したいのは、更正の取り消し訴訟と...
《解 説》
本件訴訟は、行方不明になった父Yに対する子X1、X2の損害賠償請求訴訟である。その請求原因としては、①Yが他の女性と出奔して、Yの妻でXらの母でもある亡Aとの関係で不貞行為をし、悪意で遺棄したことによる亡Aの損害賠償請求権の一部をXらが相続したこと、②Xら自身がYから悪意で遺棄...
《解 説》
一、本件事案は、つぎの通りである。Y(仮処分債務者)は、(一) 平成二年六月二九日、H信用金庫から、四五〇〇万円を、利息年八・七二パーセント、損害金年一四パーセント、返済方法は、平成二年七月一〇日から完済まで、毎月一〇日限り三六万九〇四八円ずつを分割して支払う旨の約定で借受け、...
《解 説》
一 申立人は、市民グループの代表であるが、集会開催のために被申立人に対して熊本県立劇場大会議室の使用許可申請をなした。この申請について、被申立人は、これを一旦許可したが、その後、申立人らの右集会に反対する団体・個人からの抗議行動がなされるなどしたため、熊本県立劇場条例五条(知事...
《解 説》
一 Xは工務店Y1(代表者Y2)に自宅の建築を請け負わせ、完成・引渡の段階に至ったが、Xの主張によれば、右建物には、地下車庫及び採光に瑕疵(傾斜が急過ぎて乗用車の車庫乗入れができず、またそのシャッターを閉めると一階が暗くなる)があり、また建物の面積不足及び設計図不交付という債務...
《解 説》
一、事案の概要は以下の通りである。
原告Xは昭和五七年四月以降、第二子出産準備のため、被告Yが運営する病院を受診しており、同年九月二四日、Y病院に入院した。二五日夜には陣痛室に入ったが、難産で、立会のS助産婦らがクリステレル娩出法(産婦の腹部を外から圧迫して、胎児の娩出を図る...
《解 説》
一 本件は、石炭採掘による地盤沈下等による損害を被ったとする各建物所有者が、九州地方鉱業協議会裁定委員会に対して石炭鉱害賠償等臨時措置法一一条の二以下の規定に基づく鉱害賠償に関する裁定を申請したところ、同委員会が本件各物件について原告会社には鉱害賠償責任がある旨の裁定をしたこと...
《解 説》
本判決は、いわゆる田園調布資産家殺害事件の控訴審判決であり、一審判決は本誌六九九号二五二頁に紹介されている。本件被告人は、かねて親交のあった被害者Aを殺害し、その後Aの財産を次々と処分して費消したとして、殺人のほか、有印私文書偽造、同行使、公正証書原本不実記載、同行使、詐欺の罪...
《解 説》
一 本件は、新東京国際空港周辺部における空港反対運動支援者とY県機動隊との衝突事件に際し,機動隊員による暴行・傷害が行われたという理由等による国家賠償請求事件であるが、当事者・内容とも全く異なるA、B二つの事件で構成されている。
二 A事件は、空港反対運動の支援者であるX1ら...
《解 説》
本判決は、神奈川県地方労働委員会(以下「神労委」という。)が発令した救済命令に対する再審査申立てを棄却した中央労働委員会の命令の取消しが求められた事件の控訴審判決である。
Z1(総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部)及びZ2(同支部高津中央病院分会)は、神労委に対し...
《解 説》
銀座の高級クラブの雇われママであったXは、別のクラブの開店を計画していたYの代表取締役Aからスカウトされ、これ(サービス業務委託契約)に応じることにして前のクラブを辞めた。しかし、Aは入店直前となって一定の資格のある保証人を立てなければ入店させないとして右契約を破棄した。そこで...
《解 説》
一、本件は、原告らの監査請求に対し、監査委員が、要件審査をしたところ監査請求事項に該当せず請求期間も経過しているので請求書を受理できない旨通知すると共に、右請求書を返戻したので、原告らが行政事件訴訟法に基づき監査請求不受理の不作為の違法確認及び国家賠償法に基づき不受理による精神...
《解 説》
Aは小学校三年生を担任する五二才の教諭であり、本態性高血圧症に罹患していたが、昭和五三年八月一九日、学年部会に出席中突然脳卒中で倒れ、同月三〇日入院先の病院で死亡した。Aの妻であるXは、Aの日頃の勤務状況が過重であったとして、Y(地方公務員災害基金県支部長)に対し、公務災害の認...
《解 説》
一、本件は、借地法四条の建物買取請求権が争われた事例である。
原告Xは東京都中野区内にある本件土地約二七七平方メートルの所有者・賃貸人であり、被告Y1は右土地の借地人であって、地上に本件建物二棟を所有している。本件建物には、Y1からの借家人Y2ないしY6(うち一名は転借人)が...