《解 説》
一、本件は、いわゆるフランチャイズ契約の当事者間において、売上予測の意味等が争われた事例である。
被告Yは著名なアイスクリーム・チェーンを展開している会社であり、昭和六一年九月、原告XはYとの間で右フランチャイズチェーン加盟契約を締結した。その後、同年一一月、Yは相模大野市内...
《解 説》
本件は、都立公園設置の遊具につき、造営物の設置、管理に関する瑕疵が争われた事例である。
昭和六三年四月、当時小学校四年生であったXは都立小金井公園内の「ターザン・ロープ」(上方に張られたロープに滑車つきの紐を吊り下げ、この紐につかまって滑空するもの)の出発台で順番待ちをしてい...
《解 説》
本件は、東京都衛生研究所の職員である原告が、被告に対し、同研究所に換気系統が他の室とまったく異なる完全分煙化された喫煙室を設置するよう勧告することなどを要求したところ、被告が、要求の一部を認めることができないとし、一部を取り上げることができないと判定した事案に関する取消訴訟であ...
《解 説》
一、本判決は、いわゆる松戸OL殺人事件の控訴審判決であり、争点となった右事件につき、自白の任意性、信用性を否定し、訴訟手続の法令違反、事実誤認を理由として一審の有罪判決を破棄した上、右事件について無罪を言い渡した(別件の住居侵入・強姦、常習累犯窃盗につき懲役六年)。
争点とな...
《解 説》
一、本件の背景となっている事実は次のとおりである。
昭43・8・13 X―石川県から四八万円借入(A・B連帯保証)
昭46・4・12 Y1がXの石川県に対する残債務三六万円を代位弁済
その後 Y1は右債権の回収のためとしてXの家財道具等処分①
昭47ころ X―Y1に対し...
《解 説》
商標制度には、登録により発生するという主義(登録主義)と、使用により発生するという前提に立つ主義(使用主義)の二つの立法例がある。わが国では登録主義が採用されている。この法制の下では、登録要件に合致する商標は、使用されていると否とを問わず登録される。しかしながら、登録主義の下に...
《解 説》
A町においては、公用車不足のため、町職員が出張する場合私用車を利用することが多く、公用車使用中の事故と私用車使用中の事故とで職員の賠償責任に不均衡が生じたため、町職員が所有し通勤のために使用する自動車について締結された全国町村職員生活協同組合の共済保険の掛金(以下「共済掛金」と...
《解 説》
本判決は、労働者災害補償保険法に基づく障害補償給付を支給しない旨の処分の取消しが求められた事件の控訴審判決である。
X(原告・控訴人)は、昭和三七年四月ころから昭和四七年一一月ころまで、ほぼ継続的にチェンソーによる立木伐採作業に従事した結果、左右耳感音性難聴になったとして、昭...
《解 説》
一、本件は、大阪市が、阿倍野そごう、関西スーパーといった大型店舗に、建築施設(ビル)の一部を公募価額より著しく低廉な価額で売り渡したとして、住民(法人)が右売買契約の決済をした当時の市長に対して、大阪市を代位して損害賠償請求した事案である。
なお、法人が住民訴訟を起こせるかに...
《解 説》
本件は、昭和六一年七月施行の参議院議員選拳に際し、大阪府選挙区から立候補したK(落選)に当選を得させる目的で、A(高槻市議会議員)が自らの後援会の会合において、公示前の同年四月七日、同月一六日、同月二六日の三回にわたり、それぞれ四五名、五一名、四六名の者に対して、K候補のための...
《解 説》
X1・X2夫婦は、X1の父AからAが居住していた土地建物(本件譲渡資産)の持分六分の一ずつ贈与を受け、昭和五七年三月下旬から同五八年三月下旬までの間、本件譲渡資産に居住した。本件譲渡資産は同五七年七月、他に譲渡され、引渡日は同年一一月末の約であったが、子供の学校等の都合を理由に...
《解 説》
本件建物は、中央区日本橋堀留町に所在する昭和三年ころ建築された木造亜鉛メッキ鋼板葺建物(現在は三階建)であるが、XYの各先代が昭和二〇年ころその一部につき賃貸借契約を締結し、更新されてきたが、昭和五七年三月の期間満了により期限の定めのないものとなっている。XはYに対して、平成元...
《解 説》
一、本件事案は、次の通りである。
X(原告、第一審の口頭弁論終結後死亡し、Z等が訴訟を承継して被控訴人となる)は、宇治茶の小売業を営む者であるところ、昭和六〇年三月九日に、昭和五九年分の所得税を一六万八七〇〇円として、所轄税務署長に確定申告をして受理された。ところで、Xは、こ...
《解 説》
本件は、被告人が飲食店でいきなり被害者から胸ぐらをつかまれて締め上げられ、カウンターに押さえつけられたため、体を支えるべくカウンターに左手を突いたところ、たまたま包丁に触れ、これを棒状の物と誤信し、被害者の手を振り払おうとしてそれで、被害者の右肩付近を一回殴打した結果、同部位に...
《解 説》
一 本件は、自衛隊掃海艇母艦等のペルシャ湾派遣を決定する閣議決定(①事件)、内閣総理大臣が右閣議決定に従ってした防衛庁長官に対する指揮命令、防衛庁長官が海上幕僚長に対してした掃海艇母艦等の出航命令及び海上幕僚長が各艦長に対してした右命令の執行命令(以上は②事件)の効力停止申請事...
《解 説》
XはY2から借入れをして、その担保に自己所有の土地建物のうち第三者に賃貸している部分の賃料債権を譲渡し、これにより債務は全部弁済された。しかし、Yらは、書類を偽造して賃借権を主張し、本件土地建物を占拠したうえX及びその家族を追い出し庭木・動産類を勝手に処分してしまった。Xは、以...
《解 説》
一、本件事案の概要は以下のとおりである。
Xは、昭和二五年、祖父の死亡によって本件土地を含めた目黒区内の広大な土地を母や兄弟らとともに相続したが、当時Xら兄弟はいずれも若年であったため、Xら一族の長老であったXらの父の弟、つまりXら兄弟の叔父のAが、右相続開始後昭和六一年頃に...
《解 説》
いわゆる賃料増額請求訴訟には契約内容としての賃料額の確認を求める賃料額確認訴訟、増額後の未払賃料債権の確認を求める賃料債権確認訴訟及びその給付を求める賃料請求訴訟の三つの態様があるとされ、賃借人が賃料増額の効果を争って適法に従前の賃料額の弁済供託をしている場合に弁済供託額の増額...
《解 説》
一、Xは、各種電気製品、自動車用品及び一般家庭用品の小売販売を営むG社に対し、昭和六〇年一二月二三日から日用雑貨品を継続的に販売していたが、G社は、昭和六二年六月、和議開始の申立てをして倒産し、その後和議認可決定がなされた。Xは、右倒産時G社に対し、一六一五万円余の売掛債権を有...
《解 説》
一、XはY市の市会議員であるが、A週刊誌上にXが取締役をしているB社がいわゆるジャパゆきさんの斡旋をしていたとの記事を掲載された。このため、Y市議会は紛糾し、けじめをつけるとの趣旨で、Xに対する辞職勧告決議を採択した。右決議は前記週刊誌に言及し、さらに「公序良俗の気風に徹する議...