《解 説》
本件建物は、中央区日本橋堀留町に所在する昭和三年ころ建築された木造亜鉛メッキ鋼板葺建物(現在は三階建)であるが、XYの各先代が昭和二〇年ころその一部につき賃貸借契約を締結し、更新されてきたが、昭和五七年三月の期間満了により期限の定めのないものとなっている。XはYに対して、平成元...
《解 説》
一、本件事案は、次の通りである。
X(原告、第一審の口頭弁論終結後死亡し、Z等が訴訟を承継して被控訴人となる)は、宇治茶の小売業を営む者であるところ、昭和六〇年三月九日に、昭和五九年分の所得税を一六万八七〇〇円として、所轄税務署長に確定申告をして受理された。ところで、Xは、こ...
《解 説》
本件は、被告人が飲食店でいきなり被害者から胸ぐらをつかまれて締め上げられ、カウンターに押さえつけられたため、体を支えるべくカウンターに左手を突いたところ、たまたま包丁に触れ、これを棒状の物と誤信し、被害者の手を振り払おうとしてそれで、被害者の右肩付近を一回殴打した結果、同部位に...
《解 説》
一 本件は、自衛隊掃海艇母艦等のペルシャ湾派遣を決定する閣議決定(①事件)、内閣総理大臣が右閣議決定に従ってした防衛庁長官に対する指揮命令、防衛庁長官が海上幕僚長に対してした掃海艇母艦等の出航命令及び海上幕僚長が各艦長に対してした右命令の執行命令(以上は②事件)の効力停止申請事...
《解 説》
XはY2から借入れをして、その担保に自己所有の土地建物のうち第三者に賃貸している部分の賃料債権を譲渡し、これにより債務は全部弁済された。しかし、Yらは、書類を偽造して賃借権を主張し、本件土地建物を占拠したうえX及びその家族を追い出し庭木・動産類を勝手に処分してしまった。Xは、以...
《解 説》
一、本件事案の概要は以下のとおりである。
Xは、昭和二五年、祖父の死亡によって本件土地を含めた目黒区内の広大な土地を母や兄弟らとともに相続したが、当時Xら兄弟はいずれも若年であったため、Xら一族の長老であったXらの父の弟、つまりXら兄弟の叔父のAが、右相続開始後昭和六一年頃に...
《解 説》
いわゆる賃料増額請求訴訟には契約内容としての賃料額の確認を求める賃料額確認訴訟、増額後の未払賃料債権の確認を求める賃料債権確認訴訟及びその給付を求める賃料請求訴訟の三つの態様があるとされ、賃借人が賃料増額の効果を争って適法に従前の賃料額の弁済供託をしている場合に弁済供託額の増額...
《解 説》
一、Xは、各種電気製品、自動車用品及び一般家庭用品の小売販売を営むG社に対し、昭和六〇年一二月二三日から日用雑貨品を継続的に販売していたが、G社は、昭和六二年六月、和議開始の申立てをして倒産し、その後和議認可決定がなされた。Xは、右倒産時G社に対し、一六一五万円余の売掛債権を有...
《解 説》
一、XはY市の市会議員であるが、A週刊誌上にXが取締役をしているB社がいわゆるジャパゆきさんの斡旋をしていたとの記事を掲載された。このため、Y市議会は紛糾し、けじめをつけるとの趣旨で、Xに対する辞職勧告決議を採択した。右決議は前記週刊誌に言及し、さらに「公序良俗の気風に徹する議...
《解 説》
一 本件は、昭和四九年七月七日夜半から翌八日朝にかけて、台風八号の北上に伴って移動してきた梅雨前線が神奈川県下の各地に大雨を降らせ、特に横須賀市内においては、八日未明ころから公共下水道である吉井川ほか三本の水路が、続いて二級河川平作川が溢水し、それらの溢水流が合流して原告ら居住...
《解 説》
本件は、町による仮換地処分を受けた住民が、町に対し、保留地の指定が土地区画整理法九六条二項記載の要件を満たさない違法なものである、仮換地処分が照応の原則ないし違反ないし公平の原則違反である等と主張をして、仮換地指定処分の取消を求めた事案である。
土地区画整理法は、区画整理にお...
《解 説》
本件で紹介したいのは、更正後に修正申告した場合に、延滞税の関係で更正取り消しの訴えの利益があるとの判断である。
更正後に増額更正がされた場合について、処分が併存するという併存説と当初の更正が増額更正に吸収されるという吸収説があるが、実務は吸収説で確定している。これに対して、更...
《解 説》
昭和58・10・6警察庁所属の警察官Y1~Y7が法政大学内の学生会館に対し、公安条例違反被疑事件の捜査のため捜索差押えをしたが、その際大学職員が古いマスターキーを誤って提供してしまった。そこで、法政大学学生によって構成され学生会館の管理運営を行うことを目的とする権利能力なき社団...
《解 説》
一、本件事故は、信号機が設置されている交差点内で、時速約七〇キロメートル(制限速度は時速六〇キロメートル)で進行してきた被告人運転の普通乗用自動車が、交差道路から時速五〇~六〇キロメートルで進行してきた普通乗用自動車と衝突し、相手方車両運転者が死亡し、被告人車同乗者が負傷したと...
《解 説》
本件は、国勢調査員の主婦が、国勢調査票の作成を依頼し、これを回収するために訪問した被告人方居間において殺害等された事件であるが、国勢調査の方法が、経験の浅い主婦ら多くの女性に調査員を依頼しながら、回収先の家に上がり込まないなどの注意を促し、適切な指導をするなどの措置を講じてこな...
《解 説》
一、本誌七〇一号二二一頁に紹介した事件の上告審判決である。Y会社はA会社に汽船を売却したが、その売買残代金債権を担保するため、AがX保険会社との間で締結した船体保険契約(保険金額七〇〇〇万円)に基づく保険金請求権に質権を設定し、Xがこれを異議を留めずに承認したところ、昭和五二年...
《解 説》
本件は、被告人が、日本電信電話株式会社(NTT)の企業通信システム事業部長として、大規模な複合通信システムのコンサルティング、設計、建設、販売、保守等の業務に従事していたところ、リクルート社がNTTから提供を受けた高速デジタル回線を分割して再販売する事業(いわゆる回線リセール事...