《解 説》
一、事案の概要 抗告人組合は、相手方らに対し、一億二〇〇〇万円の損害賠償請求訴訟を提起し、審理が行われていたところ、一七〇名の選定者らが、抗告人組合の委員長等の代表者五名を選定当事者に選定し、「訴えの変更」を申し立てる旨の準備書面を提出し、相手方らに対し、損害賠償を求めた。と...
《解 説》
東京都江東区は、各種事務事業の住民への周知、文書等の配布等の事務を町会・自治会及びこれらの連合会に委託し、その経費として事務委託料を、これらの事務を処理するために町会等の役員が使用する会議費、交通費など事務委託料でまかない切れない経費の一部に充当する趣旨で町会等の会員数に応じて...
《解 説》
一、Y市の市民Xは、その所有土地についてされた固定資産税・都市計画税の賦課決定処分に従って同税を納付した。本件は、Xが、Y市に対し、右土地は地方税法三四八条二項四号により非課税とされている「墓地」であり、右処分は重大明白な瑕疵のある無効な処分であるとして、納付した金員の返還等を...
《解 説》
一、Yらは家庭教師派遣を目的とするA社の取締役(Y1が代表取締役)であったが、A社は平成元年五月一八日頃に事実上倒産して事業を停止した。Xらは中高生の子を持つ父兄で、A社に入会金、契約金を支払ってその契約者となり、数十回分の家庭教師料を前払いしていたのであるが、A社の倒産によっ...
《解 説》
本件は、大阪地判平1・11・30本誌七二五号六五頁の控訴審判決である。
事案の詳細は右一審判決を、問題の所在については右本誌コメント参照されたいが、要するにトラック運転手Aが外傷性腹膜炎で死亡した事案につき、Aの相続人であるXらが、右死亡はAが被疑者として派出所内で警察官の暴...
《解 説》
本件は、二階建倉庫に設置された商品名クマリフトという荷物運搬用の昇降機(電動ダムウェーター、以下「本件クマリフト」という。)を使用して一階で荷降ろし作業に従事していたAが本件クマリフトに上半身を挟まれ死亡した事故につき、本件クマリフトの納入業者でその据付工事を担当したY1及びA...
《解 説》
甲田町では、地方公営企業である水道事業をめぐって、一部住民による料金不払い、仮処分及び住民訴訟並びに町からの水道料金請求訴訟など軋轢が生じていた(詳細は判決文を参照されたい)。T町長はこれを解決するため住民と、(1)住民は仮処分及び住民訴訟を取り下げる、(2)町は水道料金請求訴...
《解 説》
一、本件は、登記官の不動産登記簿原簿の閲覧監視義務の懈怠の有無が問題となった事例であり、これを肯定した横浜地判平2・2・14本誌七二一号一九九頁の控訴審判決である。
Yらは、他人名義の土地登記簿を偽造して第三者から金員を騙取することを共謀し、登記簿の閲覧を申請し、他人名義の本...
《解 説》
本件はX女が夫Aと協議離婚し、その際財産分与により取得した土地を約四か月後に他に売却した場合の譲渡所得の計算において、取得費の額が争われた事案である。右財産分与を受けたXは、取得費の額は売却額と同額の三億五二五〇万円であるから、譲渡益が存在しないとして、Y税務署長の更正処分の取...
《解 説》
本件は、借家法上の解約申入につき、正当事由の存否が争われた事例で、本件建物は、東京都港区北青山に存する地上六階建アパートの四階の一区画約四〇平米である。
Xはこれを昭和三五年にYに賃貸し、更新を重ねて現在の賃料は一箇月四万三〇〇〇円余であるが、付近は事務所の需要が極めて高い地...
《解 説》
一、本件は、原告が「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という。)一五条一項に基づいてした産業廃棄物の最終処分場の設置届について、栃木県知事が、産業廃棄物処理施設の設置等に関する同県の行政指導要綱が定める付近住民の同意を得ていないことなどを理由として、右届出...
《解 説》
一、本件は、二部上場会社であった株式会社アイデンの倒産に至る過程で起こった見せ金による増資について公正証書原本不実記載罪の成立が認められた事案である。アイデンは、官公庁に照明関係器具を納入していた優良会社であったが、石油ショックによる需要の後退を契機として経営に行き詰まり、その...
《解 説》
東京都総務局は、個人情報保護条例制定の準備作業として、各部局が保有している個人情報の実態調査を行い、警視庁から個人情報のファイル件数、個人登録数のみを記載した「個人情報保護対策の検討について」と題する書面(本件文書)を入手した。都内に住所はないが、勤務先を有するXは、東京都公文...
《解 説》
一、本件は交通事故の被害者が翌日に急性硬膜外血腫で死亡した事案につき、病院の責任が争われた事例である。
A(当時二九才)は昭和六〇年一一月一五日深夜、酔って歩行中に自動車にはねられ、被告Yが運営する病院に搬入された。一度目は軽傷として帰されたが、家族の希望でもう一度受診し、今...
《解 説》
本件は、子供のスイミング教室での事故につき、教室経営者及び加害児の親権者の責任が認められた事例である。
昭和五八年六月、被告Y1が経営するスイミング教室の授業中に、当時五歳の子Aがプールサイド近くで、七歳児Xの水中メガネを引っ張って離すということがあり、そのため右メガネがXの...