《解 説》
塵芥収集車のテールゲートが降下して作業員二人が死亡する事故が発生し、その使用者であったXが業務上過失致死事件被疑者として立件・書類送検されたので、これを警察が報道連絡簿に記載して報道機関に閲覧させたところ、新聞社三社は翌日の新聞紙上に送検事実をXの実名・呼び捨てで報道した。そこ...
《解 説》
一、昭和四九年八月末の豪雨により、多摩川の狛江市猪方地区地先で、河道内に設置されていた取水堰及びその取付部護岸の欠陥から堰の右岸側の護岸が破損し、そこから堰を取り付けてあった高水敷(通常は水底とならない河道内の高台部分)に欠け込みが生じ、この欠け込みが流水の浸食により拡大し、つ...
《解 説》
一、賃貸人Xは賃借人Yの代理人であるA(Yの子供)との間で、昭和六二年一月一日から同年六月三〇日までは固定資産税の三倍である月額一九万〇五〇〇円を、同年七月一日以降は固定資産税の三・五倍の月額二二万二二〇〇円とする地代の増額を合意(以下「本件合意」という。)したが、Yは、昭和六...
《解 説》
一、Xは、昭和六〇年七月当時、尼崎市立園和小学校の教諭として勤務していた者であるが、同月五日、神戸電鉄大池駅前で、阪急電鉄六甲駅に向うべく、Y会社のタクシーに同乗したが、右タクシーが六甲トンネル内において停車中の自動車に追突したため、外傷性頸部症候群、腰部・右上下肢打撲の傷害を...
《解 説》
本件は熊本県荒尾市にある孫文記念館の敷地について、中国革命の父孫文(一八六六~一九二五)を助けた宮嵜民蔵(昭和三年八月死亡)・虎蔵(滔天、大正一一年一二月死亡)兄弟の子孫の間で所有権の帰属が争われた事例である。本件土地は、来日した孫文が立ち寄ったことがある民蔵らの生家が負債のた...
《解 説》
本件は、右翼団体に所属する被告人が、市役所正面玄関前において、長崎市長を銃撃した殺人未遂等の事案についての判決である。事案の概要は、被告人が、市議会本会議の席上における同市長の「天皇に戦争責任があると思う」旨の発言に憤慨し、更にその後の大葬の礼における天皇に対する発言や難民問題...
《解 説》
一、秋田県地方労働委員会(Y)は、男鹿市農業協同組合(X)に課長補佐として勤務していたA及びAの所属していたB労働組合による不当労働行為救済の申立てにつき、XがAを課長職に任命しなかったことが労働組合法七条一号、三号に該当する不当労働行為であるとして、Xに対して、Aを加工課長と...
《解 説》
Xら一一名は、徳島じん肺訴訟の原告であり、原審において訴訟救助決定を受けたが、被告らから右救助決定は不当であるとして即時抗告がなされた。本件決定は、訴訟救助決定に対する抗告権を本案訴訟の相手方も有するとし、訴訟救助の基準として、労災給付を含め、年収三〇〇万円以下の者は民訴法一一...
《解 説》
Xは中国(台湾)人であり、昭和六二年一一月二五日、入国審査官から出入国管理及び難民認定法(平成元年法律第七九号による改正前のもの。以下「法」という。)四条一項四号(観光)に該当するとの在留資格及び九〇日の在留期間の決定を受けてわが国に入国した。Xは同六三年二月六日、日本語の習得...
《解 説》
一、被告が信用保証協会の保証の下に金融機関から借入をし、右保証協会の被告に対する求償債権を担保するために原告は所有不動産二六筆に極度額を三六〇〇万円とする根抵当権を設定した。信用保証協会から右根抵当権実行の実行が申し立てられ、五筆の不動産について売却許可決定がされたが、手続費用...
《解 説》
一、本件事案は、次の通りである。Y神社(第一審被告)は、寛仁年間(西暦一〇二〇年頃)に創建された神社であって、古くからA村の氏神として崇敬を受け、A村の氏子によって維持、管理され、存続してきたが、昭和二六年四月三日に公布された宗教法人法により、昭和二七年七月一日に宗教法人となっ...
《解 説》
本件は、大阪地判平1・3・28本誌七〇一号一六七頁の控訴審判決であり、事案の詳細については、同判決及びそのコメントを参照されたいが、更生会社Xは更生計画認可直前の昭和五七年九月期の事業年度の税務申告において債務免除益六二三億円(億未満切り捨て、以下の金額も同じ)を含む当期所得金...
《解 説》
一、事案の概要は以下の通りである。
訴外Aは昭和五八年当時六〇歳であったが、Y1が運営する病院で人間ドック検査を受けた。その後Aは同病院に入通院して糖尿病の治療を受けていたが、昭和六一年に癌の症状が出て、同病院で直腸及び肝臓の腫瘍摘出の手術を受け、更に翌昭和六一年一一月には乙...
《解 説》
Xは賃借している土地を取得したが、本件土地は東京都が所有していて、固定資産課税台帳に価格が登録されていなかったため、Yは固定資産評価基準に従い算出した更地価格を課税標準として不動産取得税を賦課した。
不動産取得税の課税標準は、取得したときの不動産の価格(地方税法七三条の一三第...
《解 説》
Xらは、海難事故(A漁船とB油送船との衝突)により死亡したA漁船船員三人の遺族であるが、弁護士Yに対して、B油送船船主に対する損害賠償請求等を委任した。Xらに対しては、A漁船の所有者であり船員の雇主であるCから、死亡船員一人当たり二〇〇〇万円の損害死亡補償金(船員法九三条の遺族...