《解 説》
昭和五〇年、当時医学生であったXはY女と婚姻外関係を有し、Yは翌年婚外子Aを出産した。その後XはAを認知し、Aの養育費、勉学費を負担している。しかしYは昭和五九年頃から養育費の増額や塾費用の負担を求めてしきりにX、その勤務先、上司、隣人等に働きかけるため、Xは勤務医としての立場...
《解 説》
本件は、旧陸軍の軍人Xが昭和一四年の受傷を理由として公務傷病に基づく恩給の支給を求めたところ、総務庁恩給局長Yが昭和六二年五月に、公務起因性を否定して右請求を棄却する裁定をしたので、Xが右裁定の取消を求めた事件である。
本件で判断された争点は二点あり、その一は、Xが既に昭和四...
《解 説》
一、事案の概要 原告(妻、国籍・日本)と被告(夫、国籍・韓国)は、昭和五四年一月一九日婚姻届けを了した夫婦である。その間に長男(国籍・韓国、一九八一年生)と二男(国籍・韓国、一九八四年生)がいる。被告は、密入国者であるが、原告と婚姻した結果、日本人の配偶者として日本における在留...
《解 説》
Xは、昭58・12・1丁字路交差点でY1運転の普通乗用自動車(Y2所有)がバックしてきたためX自身が運転していた軽四貨物自動車に衝突され、頸部捻挫の負傷をし、六九日の入院(昭58・12・10~59・2・16)・八八五日の通院(~61・7・11)治療を余儀なくされた。そこで、Xが...
《解 説》
一 日本語に通じない外国人の被告人に対して公訴を提起し、起訴状謄本を送達するに当り、日本語で記載されている謄本だけを送達し、これに被告人が理解することのできる言語による訳文を添付しなくても、謄本送達に関する刑訴法二七一条、憲法三一条に違反しないものかどうか。この点については、か...
《解 説》
一、本件は、在日朝鮮人二世から国に対し、日本国籍を保有していることの確認及び慰謝料の支払等を求めた事件の控訴審判決である。Xは、昭和一九年、福岡県下において朝鮮人である両親から出生し、日本国籍を取得したが、戸籍上は朝鮮の戸籍に登載されていた。出生以来日本に居住しているXは、日本...
《解 説》
一、Xらの訴えによると、X1は、新東京国際空港の建設に反対する運動をしている権利能力なき社団であり、本件係争土地内に二棟のプレハブ造建物を所有して右土地を占有していた者であり、またX2及びX3は、その内の一棟の管理を委ねられ、X1と共同して本件土地を直接占有していた者と主張され...
千日デパートビル火災書件
デパートビルの火災事故においてデパートの管理課長並びにビル内のキャバレーの支配人及び代表取締役に業務上過失致死傷罪が成立するとされた事例
一、本件逮捕状の請求、発布及び執行はいずれも適法である
二、本件指紋採取手続は適法であり、採取の際の有形力行使の方法、程度も相当で適当で
ある
《解 説》
一、本件は、貸金業を営む原告の事業所得金額が争われた課税処分取消訴訟である。
本件の争点は多岐にわたるが、判旨の関係では、利息収入の算定に当たりその一部についてした推計の方法の合理性、及び必要経費に算入される貸倒れの認定の当否が問題となった。
二、本件の推計方法は、原告の預...
《解 説》
もともと商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章は、商標法三条一項一号・三号で商標登録の欠格事由になっており、四六条はこれを受けて登録無効事由としている。しかしながら、この欠格事由については無効審判請求としての除斥期間があり(四七条)、その場合の救済措置として設けられ...
《解 説》
一、原告は建物建築の鉄骨組立工事に従事し、二階梁の上で作業していたところ、Bの操作していたクレーンの吊り荷が背中に当たり、約五・四メートル下に転落して受傷した。
本件建築工事は、Aが注文主から請負い、被告Y1はAから工事のうち鉄骨の加工・据付け工事のみを請負い、被告Y2はY1...
《解 説》
一、Xらは、A社に本件土地を売却し、A社が本件土地上に建築した建物(本件建物及び隣接建物)の一部(区分所有建物)とこれに対応する本件土地の持分等を取得した者であるが、本件土地の譲渡に係る所得について、租税特別措置法(昭和五六年法律第一三号による改正前のもの。以下「法」という。)...
《解 説》
一、公立小学校教員であるXは、昭和五七年・五八年と学級担任を受け持たされず、学年所属もなく、授業時間数の少ない専門外の専科教員とされた。Xは、この担任外しは、同校校長による校内人事として行われたものであるところ、①校内人事の決定は教師集団により自治的にされるべきもので、校長の校...
《解 説》
一、訴外A(一七歳)は、昭和六二年一〇月、清水市内に住む友人B(一八歳)が運転する自動二輪車(以下「本件車両」という。)の後部座席に同乗して清水市内を走行中、Bの信号無視により訴外C運転の乗用車と衝突し、頚椎骨折により死亡した。
そこで、Aの父母であるX1とX2は、Bに対して...
《解 説》
一、行政事件訴訟法上の訴訟参加の制度として、同法二二条の第三者の訴訟参加と同法二三条の行政庁の訴訟参加の規定がある。
そして、行政庁が、行政事件訴訟法による参加以外に民事訴訟法六四条による補助参加ができるかどうかについては争いがある。
行政事件訴訟法による訴訟参加の場合、第...