《解 説》
Xは社団法人であり、Aが代表者理事であるが、前理事であるBがAの理事選任決議無効確認訴訟を提起している。XはY銀行に普通預金・自動継続定期預金があり、これら各預金契約を解約する旨の意思表示をした。ところが、右紛争のせいでBはAに定期預金証書・銀行届出印を渡さないため、Xは払戻請...
《解 説》
本件は、証券会社と顧客との間の注文を巡る紛争で、証券会社の受託義務が争われた事例である。
Xは、証券会社であるYとの間でかねて有価証券信用取引契約を締結していたが、そのYに対して、A社の株式三万株につき、昭和五八年七月五日に信用売建、同年八月二六日に決済のための買戻しの注文を...
《解 説》
一、事案の概要
本件は、警察官に無免許運転の現行犯で逮捕されたX(女性)が、①弁解の録取を受けて被疑事実を認めた後も留置されたこと、②その際に全裸の身体検査を受けたこと、及び③覚せい剤使用の疑いがないのにもかかわらず、留置中に尿の任意提出を求められたことを違法として損害賠償を...
《解 説》
一、Xは、昭和五九年四月からYの経営する大学→予備校の講師として勤務していたが、Yは、昭和六一年一二月に、Xに対し、Xとの間の雇用契約は期間満了により終了したとの雇止めの意思表示をした。Xは、右雇用契約は、期間の定めのない契約であるか、あるいはこれに転化したものである等と反論し...
《解 説》
本件事案の概要は、阿波おどりの開催期間中に、徳島市観光協会が徳島県の設置、管理する都市公園につき占用許可を受けて、阿波おどり演舞場を設置した際、徳島新聞社が右演舞場に看板を設置したことに関し、徳島県の住民である原告らが、右看板の設置は都市公園法六条一項の都市公園占用許可を受けて...
《解 説》
Yの運航する第二一千歳丸を曳船とし、Xの使用する天神丸を被曳物件として、両者間に曳航契約が締結され、その際、当事者間の紛争については社団法人日本海運集会所の仲裁判断によると合意された。天神丸は第二一千歳丸に曳航されて式根島で作業に従事し、台風接近の情報により下田港に避難途中、座...
《解 説》
一、訴外Aは、昭和六二年四月当時タクシー運転手として稼働していたが、同月一一日、普通乗用自動車を運転して兵庫県芦屋市内の道路を走行中、交差点でY1の運転する普通乗用車に衝突されて頸部捻挫、急性硬膜下血腫を受け、四月一七日死亡した。
そこで、Aの遺族であるXらは、加害車の運転者...
《解 説》
一、本件の事案は、建物の強制競売事件において、原告が現況調査報告書、評価書及び物件明細書の記載に基づき、借地権付きの建物であると信じて買受けたところ、借地権がなかったため、土地所有者に対して本件建物を収去して土地を明け渡さざるをえなくなったが、それは、執行官の現況調査、評価人の...
《解 説》
民法九一五条一項の熟慮期間の起算点となる「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、通常の場合は「相続人が相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知った時」とされるが、最判昭59・4・27民集三八巻六号六九八頁、判時一一一六号二九頁は特段の...
《解 説》
一、本件は、建設会社作業員の過失によって生じたホテル火災により、宿泊客及び従業員合計四五名が死亡し二二名が負傷するという大惨事となった川治プリンスホテル火災事件の上告審判決である(一審判決・宇都宮地判昭60・5・15本誌五五七号一〇六頁、控訴審判決・東京高判昭62・2・12本誌...
遠隔地のため期日に出頭することが困難な被告のため、訴訟事件を調停に付し、調停委員会の意見を聞かないで、調停に代わる決定がされた事例
《解 説》
共有物の分割又は土地の一部譲渡によって袋地を生じた場合には、袋地の所有者は、民法二一三条に基づき、その残余地(他の分割者の所有地又は土地の一部の譲渡人若しくは譲受人の所有地)についてのみ通行権を有するが、袋地又は残余地の所有者がその後に交替した場合における同条の囲繞地通行権の帰...
《解 説》
X女は昭和二六年一二月からA男と都内で同棲し、その間に三子をもうけたが、A男が同五二年八月に死亡したので、その後、A男の加入していた厚生年金保険遺族年金の支給を求めたところ、社会保険庁長官Yは、A男とB女の法律婚(婚姻届出は同一一年一二月にされ、A男・B女間に四子及び養子がいる...
《解 説》
原告Xは、訴外Aから不動産を買い受け、所有権移転登記手続を司法書士であるYに委任したが、Yが実際に右登記手続を行なったのは受任から一八日後であった。ところが、その間にAの債権者Bが右不動産を差し押さえたので、XはAの債務五〇〇万円をBに代位弁済する仕儀となり、これはYの債務不履...
《解 説》
一、本件は、実質上共産党地方(県)委員会と甲政治団体との訴訟で、そもそもは甲党首と同党県本部の代表者が共産党地方(県)委員会を被告として慰謝料請求と謝罪広告を求めて提訴した(第一事件という)が、逆に共産党地方(県)委員会こと共産党県党組織が原告となって両原告を被告として名誉毀損...