《解 説》
本件事案の概要は、阿波おどりの開催期間中に、徳島市観光協会が徳島県の設置、管理する都市公園につき占用許可を受けて、阿波おどり演舞場を設置した際、徳島新聞社が右演舞場に看板を設置したことに関し、徳島県の住民である原告らが、右看板の設置は都市公園法六条一項の都市公園占用許可を受けて...
《解 説》
Yの運航する第二一千歳丸を曳船とし、Xの使用する天神丸を被曳物件として、両者間に曳航契約が締結され、その際、当事者間の紛争については社団法人日本海運集会所の仲裁判断によると合意された。天神丸は第二一千歳丸に曳航されて式根島で作業に従事し、台風接近の情報により下田港に避難途中、座...
《解 説》
一、訴外Aは、昭和六二年四月当時タクシー運転手として稼働していたが、同月一一日、普通乗用自動車を運転して兵庫県芦屋市内の道路を走行中、交差点でY1の運転する普通乗用車に衝突されて頸部捻挫、急性硬膜下血腫を受け、四月一七日死亡した。
そこで、Aの遺族であるXらは、加害車の運転者...
《解 説》
一、本件の事案は、建物の強制競売事件において、原告が現況調査報告書、評価書及び物件明細書の記載に基づき、借地権付きの建物であると信じて買受けたところ、借地権がなかったため、土地所有者に対して本件建物を収去して土地を明け渡さざるをえなくなったが、それは、執行官の現況調査、評価人の...
《解 説》
民法九一五条一項の熟慮期間の起算点となる「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、通常の場合は「相続人が相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知った時」とされるが、最判昭59・4・27民集三八巻六号六九八頁、判時一一一六号二九頁は特段の...
《解 説》
一、本件は、建設会社作業員の過失によって生じたホテル火災により、宿泊客及び従業員合計四五名が死亡し二二名が負傷するという大惨事となった川治プリンスホテル火災事件の上告審判決である(一審判決・宇都宮地判昭60・5・15本誌五五七号一〇六頁、控訴審判決・東京高判昭62・2・12本誌...
遠隔地のため期日に出頭することが困難な被告のため、訴訟事件を調停に付し、調停委員会の意見を聞かないで、調停に代わる決定がされた事例
《解 説》
共有物の分割又は土地の一部譲渡によって袋地を生じた場合には、袋地の所有者は、民法二一三条に基づき、その残余地(他の分割者の所有地又は土地の一部の譲渡人若しくは譲受人の所有地)についてのみ通行権を有するが、袋地又は残余地の所有者がその後に交替した場合における同条の囲繞地通行権の帰...
《解 説》
X女は昭和二六年一二月からA男と都内で同棲し、その間に三子をもうけたが、A男が同五二年八月に死亡したので、その後、A男の加入していた厚生年金保険遺族年金の支給を求めたところ、社会保険庁長官Yは、A男とB女の法律婚(婚姻届出は同一一年一二月にされ、A男・B女間に四子及び養子がいる...
《解 説》
原告Xは、訴外Aから不動産を買い受け、所有権移転登記手続を司法書士であるYに委任したが、Yが実際に右登記手続を行なったのは受任から一八日後であった。ところが、その間にAの債権者Bが右不動産を差し押さえたので、XはAの債務五〇〇万円をBに代位弁済する仕儀となり、これはYの債務不履...
《解 説》
一、本件は、実質上共産党地方(県)委員会と甲政治団体との訴訟で、そもそもは甲党首と同党県本部の代表者が共産党地方(県)委員会を被告として慰謝料請求と謝罪広告を求めて提訴した(第一事件という)が、逆に共産党地方(県)委員会こと共産党県党組織が原告となって両原告を被告として名誉毀損...
《解 説》
X(原告・控訴人)はY(被告・被控訴人)に対して建物を賃貸していたが、賃貸借契約をYの賃料、約定更新料の不払等を理由として解除したと主張し、Yの建物占有に基づく賃料額相当の損害金の支払を求めた。争点のうちで判示事項に関係する部分のみを摘記すると、右契約解除につきYは抗弁として賃...
《解 説》
一、A会社は、Yから本件各手形を融通手形として振出交付を受け、これをB銀行で割引いてもらっていたが、右各手形を決済しないまま倒産した。Xは、A会社のB銀行に対する債務について連帯保証していたが、A会社の倒産後にB銀行に対し連帯保証人として右債務を代位弁済してB銀行から本件各手形...
《解 説》
一、本件は、先に本誌七五五号一六四頁に掲載された東京地判平2・2・21の控訴審判決である。本件では、不当労働行為の成否について、多岐にわたる問題点があったが、本判決は、判示事項に掲げた二点において原判決の判断を覆しているので、ここでは、この二点に絞ってコメントするに止まる。その...