《解 説》
一、公職選挙法上の文書等頒布制限規定の合憲性については、夙に最大判昭30・4・6刑集九巻四号八一九頁が公共の福祉のため憲法上許された必要且つ合理的な制限であると判示し、その後の累次の最高裁判例(昭39・11・18刑集一八巻九号五六一頁、昭44・4・23刑集二三巻四号二三五頁、昭...
《解 説》
本件は、Xらが税理士であるYに対して専門家責任を追及する税理士業務過誤訴訟である。Xらは、土地建物の買換えに当たり、Yに対して節税指導・買換え後の税務申告を委任した。Xらは、従前地でも貸駐車場をしており、買換え地でも貸駐車場をする予定であり、租税特別措置法三七条所定の「特定の事...
退職金支給規定に退職後六か月以内に同業他社に就職した場合には退職金を支給しない旨の不支給条項がある場合において、退職従業員に会社に対する顕著な背信性は認められないとして、右従業員に対する右不支給条項の通用を否定した事例
一、「株式会社アール・エフ・ラジオ日本」 の商号及び「ラジオ日本」 の略称が「株式会社ニッポン放送」 の商号及び「ニッポン放送」の略称と類似しないとされた事例
二、ラジオ放送事業の営業上の活動について混同のおそれがないとされた事例
《解 説》
本件は、被告人が団地のエレベーター内で強いてわいせつ行為をしようとし、被害者の抵抗のため未遂に終わったが、その際被害者に加療三日間の打撲傷等を負わせるとともに、その日時場所で被害者所持のバッグ等を窃取したという事案である。
本件で、検察官は、被告人が、(一)捜査段階において、...
《解 説》
A町町立小学校体育館移転等工事請負契約の指名競争入札が行われ、B会社が落札(九八二〇万円)したが、B会社はその直後に契約辞退を申し出たため、再度入札が実施され、C会社が落札(一億三一一〇万円)した。そこで、A町の住民であるXが、A町の町長の職にあったYに対して、違法な職務執行に...
《解 説》
YはXの仲介により、Yの経営する病院の営業をAに代金一三億円で譲渡する契約を締結し、Xに仲介報酬として五〇〇〇万円を支払う旨約した。本件は、右支払約束に基づく報酬の残金四二〇八万円が請求された事案である。これに対するYの抗弁は、Aには右譲渡代金の支払能力がなかったところ、Xは仲...
《解 説》
X男はY女に対する離婚及び慰謝料請求の訴えを提起したが、Yの住居が不明であるとして第一審において公示送達の方法による呼出し等の手続がとられ、請求認容判決が昭和六二年一二月二三日に言い渡された。Yはかねてより、XがYに無断で離婚届を提出することを恐れ、本籍地の市長に離婚届不受理願...
一、意思能力があっても、その児童が自由意思に基づいて監護者の下にとどまっているとはいえない特段の事情があるときは、監護者の監護行為は、なお人身保護法及び同規則にいう「拘束」にあたる
二、一応意思能力の認められる状況に達した児童が、共同親権者である父母の一方の監護に服し、他方の監護を拒絶する旨の明確な意思を表明しているとしても、その児童に意思能力が十分備わっていない当時から、共同親権者の他方を完全に排除する現在の監護状況と同じか、これに準ずるような監護状況が継続していたため、自らの監護者を選択するについて必要な資料情報を持たないまま右のような意向を表明するに至ったものと認められる場合には、その児童は自らの監護者を選択するについて自由な意思の形成が妨げられていたというべきであり、このような状況下で、一方の監護に服する意向が表明されたとしても、これをもって、児童の自由な意思の表明とみるべきではないから、前記特段の事情があるものというべきである
《解 説》
本判決が認定した事実は、次のとおりである。
本件土地を所有していたA(武夫)には長女B(紀子)、三女C(和子)、養女でBの実子であるD(弥生)の三名の相続人がいた。本件建物は、Cの一家が病身のAと同居してAの看病に当たれるように本件土地に昭和五八年に建築されたもので、Cの夫Y...
《解 説》
一、本件は、リゾートマンションの買主が、優れた眺望を有することを売り物にしてリゾートマンションを売り渡したマンション業者が、隣地の所有者として、その上に、右マンションの眺望を阻害する保養所を建築しようとしたので、売買契約上の権利ないし眺望権に基づき、右保養所の建築の禁止を求めた...
《解 説》
本件は、旅行代理店Y1のA支店が募集したハワイ旅行に参加申込みをし、アメリカ合衆国入国査証申請手続をA支店に委任していたXが、Y1及びY2(Y1従業員)に対して、人格権侵害(不法行為)ないし債務不履行に基づき損害賠償(慰謝料一〇〇万円)を求めた請求を認容(一部)した一審判決につ...
《解 説》
本件は、冠婚葬祭の挙式等を目的とする会社甲及びその代表者等が、右挙式に伴う旅客の運送を無免許の運送業者乙及びその下請業者丙に行わせたことに関し、道路運送法上の無免許一般自動車運送事業経営の罪(現行法では九六①、四Ⅰ)で起訴された事案であり、被告会社甲の右運送事業に対する事業主性...
《解 説》
一、X1(原告・反訴被告)は、昭和六一年一二月二七日、自家用普通貨物自動車を運転して、神戸市長田区東尻池町三丁目七番一八号先交差点を南方から西方に向け左折したが、Y(被告・反訴原告)も、自転車に乗ったまま、同交差点西側横断歩道上を南方から北方へ向け進行したため、同貨物自動車と同...