《解 説》
一、本件は、「税務署長が執行裁判所に対し国税徴収法(以下「徴収法」と略称)二二条五項に定める交付要求をすることができる時期は、民事執行法四九条一項によって執行裁判所が定めた配当要求の終期に拘束され、その終期に遅れた交付要求によっては配当を受けることができないか(限定説)、又は右...
《解 説》
本件においては、被告人が強盗致傷罪の共同正犯か幇助犯かが争われ、第一審判決は幇助犯を認めるのが相当であるとして、被告人を懲役三年、執行猶予四年に処したが、これに対し、検察官が事実誤認を理由に控訴したところ、本判決は幇助犯ではなく(実行)共同正犯の成立を認めるべきであるとし、第一...
行政事件訴訟法九条にいう法律上の利益の有無の判断に当たり同法三一条のいわゆる事情判決の可能性の有無を掛酌することの可否(消極)
《解 説》
一、XはY市において予定されている石炭火力発電所の建設に反対の立場をとる団体であるところ、電力会社の作成提出した環境影響評価準備書の問題点を検討する目的で学習会の開催を企図し、学習会及びその打ち合せ場所としてY市が設置するコミュニティセンターの使用許可を申請してその許可を得たが...
一、受刑者の慢性腎炎が進行して末期腎不全に至ったことにつき、刑務所の法務技官 (医師) に、本人への生活指導及び刑務所長へ適切な処遇意見を具申をすべき義務を怠った過失があるとされた事例
二、医師の過失と末期腎不全との因果関係は不明であるが、医師の過失によって病状の進行を阻止することは可能であったとし、その可能性を奪われたことに対する慰謝料の賠償を認めた事例
広範囲重篤な熱傷患者に対する緑膿菌対策として能書上聴力等への副作用があると記載された抗生物質の外用投与を継続し両耳の難聴を招来したとして担当医師らの過失を認め病院設置者である大学の賠償責任を肯定した事例
学校の視聴覚室において、卒業記念の木彫りのレリーフを共同製作中の小学校六年の児童が、同じ組の児童の持っていた彫刻刀で右目を刺された負傷事故について、担当教師の過失及び学校側の安全配慮義務違反が認められなかった事例
杉花粉アレルギー患者に対し減感作療法を施行した医師について、減感作療法施行時及び施行後に過失があるとして損害賠償責任が認められた事例
《解 説》
一、昭和五一年の建築基準法改正で日影規制が新設されて以後、同法の基準やその運用が、日照被害の有無の判断に大きな影響を与えてきているようである。しかし、建築基準法に適合する建物であっても、その建築により受忍限度を超える日照阻害等の結果があれば、違法な建築として、建築差止めや損害賠...
1 男子職員を勤務成績や能力に基づく選考をせず、勤続年数を唯一の基準として一律に昇格させる措置をとりながら、同一の昇格要件を満たしていた女子職員には右昇格措置を講じなかったことが男女差別であるとして、不法行為を理由とする差額賃金相当額、慰藉料及び弁護士費用の損害賠償請求が認容された事例 2 右の場合に、女子職員が現実に昇格したこと等の確認請求が棄却された事例
都職労板橋支部学校分会預金返還請求訴訟第一審判決
地公法上の職員団体の下部組織である分会名義の預金債権が同分会に属し、右職員団体から独立した労組法上の労働組合に属しないとされた事例
根抵当債務者が第三者の銀行取引について保証人となる行為は根抵当債務者と銀行との銀行取引には含まれずその保証債権は根抵当によって担保されないとされた事例