《解 説》
一、Xらは大阪府の住民であり、いずれも、昭和五五年末に政治や行政を監視する目的で弁護士、公認会計士、税理士らにより結成された「市民オンブズマン」と称する民間団体の構成員である。Yらは、昭和五五年四月一日から同五八年三月三一日までの間の一定期間、それぞれ大阪府知事、大阪府水道企業...
所得税の確定申告において租税特別措置法(昭和六三年法律第一〇九号による改正前のもの)二六条一項に基づくいわゆる概算経費により事業所得金額を計算していた場合に修正申告においていわゆる実額経費に変更することが許されるとした事例
《解 説》
Aは昭35 B会社の取締役に就任し、昭45 常務取締役、昭52 代表取締役社長に就任し、昭60 死亡退職した。昭60・7・29B会社株主総会において「Aに対して退職慰労金の支給及び金額・時期・方法等につき取締役会に一任」という決議がされたが、取締役会は昭61・5・31「Aに対す...
薬品の副作用によって薬疹、内臓障害を起こして死亡したとして製薬会社の不法行為責任が問われた事案につき、当該薬剤の投与と患者の死亡との因果関係が証明されないとして、請求が棄却された事例
《解 説》
一、Xら夫婦の長男Aは、昭和五九年九月当時東北学院大学三年の学生であったが、四月一八日、自動二輪車を運転して仙台市内を走行中、Y2の運転するタクシーの開いたドアに接触して路上に転倒し、頭部外傷の傷害を受けたため通院治療していたところ、同年一〇月三日マンションの屋上から飛び降り自殺...
脳性麻痔の幼児を抱える家庭に自治体から派遣された在宅訪問指導員が、右幼児を介護中に誤ってベビーカーを横転させて脳性麻痺の悪化を招いた事故につき、自治体に国家賠償法による責任が認められた事例
金融機関が、自行記名式定期預金の預金者から右定期預金を担保に貸付を受ける代理権限を授与されたと詐称する者から、右定期預金証書及び届出印鑑の呈示を受けたために、右代理人と詐称する者を右預金者の正当な代理人と認め、右定期預金債権を担保にして貸付を行い、その後、右預金債権から貸付金の弁済を受けた場合について、民法478条の類推適用があるとされた事例
書籍の改訂版を執筆、発行する行為が、旧版の一部の執筆に参加した者の著作権及び著作者人格権を侵害するものとして、損害賠償請求の一部が認められたが、現在の侵害及び将来の侵害のおそれはないとして、差止請求が認められなかった事例
暴力団事務所内等における組員の暴行、脅迫場面等を撮影した報道機関所有のビデオテープを、差押許可状に基づき押収した警察官の処分が、憲法21条に違反しないとされた事例
商品取引会社が倒産してその顧客が損失を受けた事案につき、監督行政庁である農林大臣の経営危機段階での取引受託停止命令の不発令や監督権限の不行使に違法性はないとされた事例
《解 説》
本件は、被告人の犯行を裏付けるほとんど唯一の証拠である共犯者の証言が信用性を欠くとして無罪を言い渡した事例である。
本件公訴事実は、「彼告人は、甲と共謀のうえ、甲方において覚せい剤約一・一五七グラムを所持した」というものであるが、本件は、別件の詐欺事件で逮捕された甲が、捜査官...