《解 説》
Xは、ゴルフ場を経営するYが発行し、一三〇万円の預託を証するゴルフ会員権二口をAから二〇〇万円で取得した。その後Xは、預託金据置期間が経過したとして、二六〇万円の返還を求めたが、YはAから差し入れられた二六〇万円の手形が不渡となったため、当該会員権は無効であるとして、払戻に応じ...
実用新案権侵害に対する差止請求権を被保全権利とする製造販売差止仮処分について仮処分を取り消すべき特別事情の存在が否定された事例
《解 説》
一、本判決は、業務外の交通事故により傷害を負い、就業規則の定めに従って自然休職となった従業員が治癒を理由に申し出た復職を会社が拒否し、出勤した右従業員を帰宅させようとして課長らの管理職が体を押したことによって、右従業員が転倒して再度負傷したため、休職期間が満了したという事実を認...
1 ポパイの漫画の主人公であるポパイのキャラクターは、ポパイの漫画とは別個な著作物を構成するものと認めることはできない 2 ポパイを表したことが明らかな図柄について、ポパイの漫画のどの画面のポパイの絵であるかを特定するまでもなく、ポパイの漫画の複製に当たると認めることができるとした事例 3 ポパイの漫画の主人公の「ポパイ」又は「POPEYE」の名称は、単にそれだけでは思想又は感情を創作的に表現したもの、すなわち、著作物ということはできない 4 「POPEYE」の文字を丸みのある字体にし、かつ、その文字に白抜きのハイライトを付したロゴタイプは、純粋美術ではなく、「POPEYE」の文字が意味するところを伝達するための手段としての実用的なものと認められるから、著作物と認めることはできない 5 ポパイのキャラクターが、不正競争防止法1条1項1号にいう周知商品表示と認められた事例 6 商標権の禁止権は、その商標登録出願前に創作された著作物の利用に対しては、及ばない 7 著作権が生じた後に商標登録出願された商標権に基づく登録商標の使用は、不正競争防止法6条にいう「商標権ニ依リ権利ノ行使ト認メラルル行為」に当たらない
《解 説》
一、本件は、Aの長男であるXが、Aの死に関しAの妻Bに保護責任者遺棄罪に該当する事実があるとして、Bを警察に告訴したところ、嫌疑不十分の理由により不起訴処分とされたことから、右事件が不起訴とされたのは警察の担当捜査官及び検察官が捜査を怠った結果であると主張して、Y県及びY国に対...
1 1級河川長良川堤防の決壊について大東水害訴訟最高裁判決が示した河川管理瑕疵の判断基準の趣旨に則り、河川管理者たる国の国賠法2条の管理の瑕疵に基づく損害賠償責任を否定した事例 2 警戒水位をはるかに超える高水位が異常に長期間継続した本件洪水が防御対象外の洪水であるとの主張が排斥された事例 3 計画高水位以下の洪水で破堤した場合には当該堤河川の管理に瑕疵があると推定される旨の主張が排斥された事例
1 一部の忠魂碑が神社神道の宗教的施設であるとされ、市長の日本郷友連盟県支部に対する維持管理費補助金の支出が憲法20条3項に違反するとして市長に対する住民の損害賠償代位請求が認められた事例 2 遺族会、日本郷友連盟県支部等が宗教上の組織若しくは団体に当たらないとされた事例 3 忠魂碑の維持管理費補助金の支出に公益上の必要性がないとはいえないとされた事例
《解 説》
一、本件は、不当労働行為救済申立てに対する中央労働委員会の救済命令(以下、「本件救済命令」という。)の取消しが求められた事案である。不当労働行為に当たると主張された使用者の行為及びそれに対する裁判所の判断は多岐にわたるが、そのうち、特に問題になると思われるものについて述べること...
板橋宝石商殺し事件従犯控訴審判決 当初の殺害予定場所であった地下室に目張り等をした行為につき幇助行為に当たらないとされた事例
1 専属的管轄の合意とは認められないとされた事例 2 共同訴訟人Y1がした専属的管轄の合意の効力は他の共同訴訟人Y2に当然には及ばないし、民訴法21条によって管轄が生じたとしてもその管轄が専属的管轄の性質を帯びるものではない
《解 説》
一、Xは、自動車の販売等を業とする会社であるが、昭和六一年一月、その所有の自動車を、同業者であるA会社に対し、代金三一〇万円、所有権留保特約付で売却し、Aは、その直後、右自動車を、Y1に対し代金三三九万円で売却して引き渡した。
しかし、Aが右自動車の代金をXに支払わなかったた...