1 特定人が宗教団体における宗教上の地位(法主)に就任したか否かは、宗教団体自身の判断を基礎として決すべきであるとされた事例 2 宗教団体の中止命令に反してなされた全国檀徒大会の開催が住職罷免事由に当たるとされた事例
地方鉄道法(大正8年法律第52号)21条による地方鉄道業者の特別急行料金の改定(変更)の認可処分の取消訴訟と当該地方鉄道業者の路線の周辺に居住し通勤定期券を購入するなどしてその特別急行旅客列車を利用している者の原告適格
地代家賃統制令の適用があった建物賃貸借の賃料増額訴訟において、建物の老朽化の程度、期間が長期にわたること、継続賃料としての激変緩和の配慮等を考慮して、固定資産評価額及び相続税路線価に基づいて算定した賃料の中間値に近い従前の賃料額の2・5倍にあたる額とするのが相当であるとされた事例
医薬分業契約の成立は認められないが、契約締結の準備段階における信義則上の注意義務違反があったとして、医療法人の損害賠償責任(信頼利益の賠償責任)を肯定した事例
動産売買先取特権者(売主)は、債務者(買主)ないしその破産管財人に対し、先取特権の目的物につき差押承諾請求権を有するとされた事例
1 セルジンガー法による脳血管撮影と左片麻痺との間に因果関係はあるが、右撮影の施行上の過失はないとされた事例 2 右撮影による合併症の発生頻度が低いときは、医師の説明は簡略なもので足り、それに対し、患者側から詳細な質問がないときは、簡略な説明でも説明義務を果たしたとした事例
1 捕虜の待遇に関する1949年ジュネーブ条約66条、68条は、同条約が日ソ間で発効する以前に帰国した原告らには適用されず、戦犯容疑者、スパイ容疑者として抑留された他の2名についても適用することはできない 2 自国民捕虜補償の原則が第二次大戦後国際慣習法として成立したとは認められない 3 憲法11条、13条、14条、17条、18条、27条、40条等は国に対する損害又は損失の補償請求権の根拠となる実体法規ではないし、29条3項を根拠とする請求も、成立しない 4 国家賠償法1条又は不法行為による損害賠償請求は、日本は外交の権能をもたず国家主権を対外的に発動する手段をもたなかったのであり、戦争損害に対する補償立法義務は憲法の予定しないところであるから成立しない 5 原告らが降伏敵国人員として戦勝国ソ連の取扱いに委ねられたことについて国に安全配慮義務違反の責任があるとはいえない
1 否決の決議についても、その不存在確認を求める訴えの利益はある 2 株主総会の決議が著しく不公正な方法で行われたとしても、決議取消事由になるにすぎず、不存在確認訴訟の対象にはならない、とされた事例 3 決議取消しの訴えの提起期間内に主張した決議の瑕疵についてのみ決議不存在確認訴訟から決議取消しの訴えに変更できる 4 株主総会の挨拶で、出席株主のある者をして、私利私欲をはかる前社長の一派と名指しで非難したのが著しく不適切でその者の名誉感情を害されたとしても、その者が従来から右挨拶者を文書で非難していた等の事情があれば、慰藉料を支払わせるほどの違法性はない、とされた事例
1 予防接種と被接種児の死亡又は障害との間の因果関係が認められた事例 2 予防接種担当医師等に具体的過失があるとして国家賠償責任が認められた事例 3 予防接種被害に対する国の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行責任及び民法709条の不法行為責任が否定された事例 4 予防接種被害を理由とする国家賠償請求等に損失補償請求を追加的に併合することが適法とされた事例 5 憲法13条、14条、25条、29条の各規定の解釈上、同29条3項の規定に基づき、予防接種被害者は国に対し損失補償請求をすることができるとされた事例 6 予防接種法16条以下による法的救済制度の存在するが故に憲法29条3項に基づく損失補償請求を許さないとするものではないとされた事例 7 予防接種被害に対する補償は憲法29条3項の正当な補償でなければならず、死亡児の逸失利益、介助費、慰謝料が含まれるが、弁護士費用は含まれないとされた事例 8 予防接種被害に基づく国家賠償請求及び損失補償請求に対する国の消滅時効の援用が権利の濫用であり許されないとされた事例
娘の夫に対し情誼に基づき生活費等の援助をした父が夫に忘恩行為があったとして贈与の撤回による金銭の支払を求めた場合につき、信義則に基づきこれを認容した事例
発行済株式総数の5分の1弱を有する者に招集通知を発しなかった株主総会における決算報告書承認決議には重大な瑕疵があり、かつ、決議の結果に影響を及ぼし得たかも知れないとして決議取消請求について裁量棄却を否定した事例
1 自動車損害賠償保障法3条に基づく損害賠償債権及び債務が混同したときと同法16条1項に基づく被害者の保険会社に対する損害賠償額支払請求権の帰すう 2 自動車損害賠償保障法3条に基づく損害賠償債権及び債務が混同したときと同法15条に基づく保険金支払請求の可否
妊娠中絶手術の際、医師が子宮外妊娠の事実を疑わず、平常妊娠と診断したことが、実際は子宮内外同時妊娠であったとしても、過失がないとされた事例
分娩の際に生じた男児の頭蓋内出血につき、出産介助した助産婦に専門医師による出産介助を受ける機会を与えるべき義務違反があったとは認められないとした事例
1 消耗品である製砂機のハンマーの打撃板を取り替えることが実用新案法2条及び28条にいう「製造」に該当するとして、右打撃板の製造、販売が製砂機のハンマーに係る実用新案権の間接侵害に当たるとされた事例 2 間接侵害を理由とする損害賠償請求、不当利得返還請求において、実用新案法28条にいう「製造にのみ使用するもの」の判断時期につき、行為時を基準とした事例 3 法人格否認の法理の主張が排斥された事例 4 間接侵害の場合における実用新案法29条2項の類推適用の有無(積極) 5 間接侵害の場合において、間接侵害構成物件の製造、販売についての「許諾料」相当額の不当利得の成立を認めた事例