1 他人を介した自首に該当しないとされた事例 2 任意出頭した被告人両名を、警察で指示したホテルに宿泊させ、その付近に警察官を配置し、連日警察署に同行して取調を行った措置は、妥当性を欠くが、関係証拠の証拠能力に影響を及ぼすほどの違法とはいえないとされた事例
1 舌癌に対する治療法の選択につき、新鮮癌の段階で手術によらずに化学療法を採用したのは医師の裁量の範囲内であるが、癌再発の段階で根治手術を行わなかったのはその過失であるとされた事例 2 舌癌に対する治療法として化学療法を採用するにつき、患者への説明義務違反はないとされた事例 3 医師の無愛想な対応からこれに不信感を抱いて受診を中止した患者がある場合に、医師は当該患者の受診中止の原因を突き止め、適切な助言をして病状の悪化を防止すべき注意義務があるとされた事例
村内民有地を自衛隊訓練場として使用するに当たり周辺の環境保全と住民の安全確保を図るための協定が地方自治法242条1項の「契約の締結」にいう契約に該当しないとして住民訴訟が却下された事例
1 貸金業法18条2項の貸主の預金口座に対する払込み方法による利息制限法の制限額を超過する利息の支払いがなされたときも、貸金業法43条1項2号により同法のみなし弁済の効力を受けるためには同法18条1項所定の受取証書の交付を必須の要件とする 2 貸金業法18条2項の方法による利息、損害金の支払いにつき、貸金業者と借主間で銀行作成発行の振込金受取証をもって同法18条所定の受取証書に代える旨の合意がなされたとしても、現実に右受取証書の交付がないので、同法43条のみなし弁済の効力を享有しえないとされた事例
私人が窃盗犯人を現行犯逮捕しようとして、その大腿部を蹴るなどしたことが、現行犯逮捕に伴う有形力の行使として許容されるとされた事例
商品取引員の従業員らが承継的になした勧誘行為等が不法行為にあたるとして、右従業員らに共同不法行為責任、商品取引員に使用者責任を認めた事例(過失相殺約3割5分)
駆け込み乗車をしようとした小児が電車とホームとの間隙から転落し、その直後に動き出した電車によりひかれて死亡した事故につき、ホーム監視員の監視が不十分であったとして鉄道会社の責任を認めたが、小児の側にも過失があったとして7割5分の過失相殺をした事例
土地の売主が買主に対し当該土地に対する法的規制の有無、内容を告知しなかったことが詐欺罪における欺罔行為に当たらないとされた事例
1 自由診療における医師の裁量と過剰な診療行為
2 自由診療において診療報酬についての合意を欠く場合の診療報酬額の算定方法
3 交通事故によるむち打症患者に対する自由診療において診療報酬についての合意を欠いた場合に健康保険法の診療報酬体系を基準とし薬剤料については1点単価を10円としその余の診療報酬部分についてはこれを10円50銭として診療報酬額を算定した事例
被保険者であるパチンコ店経営者が従業員との間の喧嘩により死亡した保険事故が不慮の事故であり、その死亡につき被保険者に重大な過失もなく、その犯罪行為によるものともいえないとされた事例