1 完成した一部工事の差止請求部分を不適法とした事例
2 浄水享受権、環境権は差止請求の根拠とはならず、不法行為、環境アセスメント手続の欠如をもって、差止請求をすることもできない
3 人格権の侵害の程度が被侵害者の受忍限度を超えるときには、人格権を根拠に差止請求ができる
4 右受忍限度を超えた侵害の発生については、原告が高度の蓋然性をもって立証しなければならない
5 工事により琵琶湖の富養化が起こるなどとする原告主張が認められず、右立証がないとされた事例
1 法廷で傍聴人がメモを取ることと憲法82条1項
2 法廷で傍聴人がメモを取ることと憲法21条1項
3 法廷警察権行使についての裁量の範囲
4 法廷でメモを取ることを報道機関の記者に対してのみ許可することと憲法14条1項
5 法廷警察権の行使と国家賠償法1条1項の違法性
1 石油コンビナートの貯蔵タンクが破断し大量の重油が海上へ流出した事故について、タンクの破断原因は不明であるとして、タンク付属の直立階段基礎工事と事故との間の因果関係が否定された事例 2 右基礎工事を直接施工した下請会社の代表取締役について、元請との関係を理由に、施工上の監督責任が否定された事例
1 意匠登録出願の願書中の「意匠の説明」欄の記載及び同願書添付の図面代用見本に基づいて登録意匠の構成を認定し、これに反する主張を排斥した事例 2 取引者又は需要者が取引に関与する場合を基準にして意匠の類否を判断した事例
自動車レース場においてスポーツ走行中の高校生が高速の後続車に接触されて転倒し死亡した事故につき、右自動車レース場経営者の工作物責任が肯定された事例
1 脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血を急性胃腸炎と誤診した医師に、患者の死亡に対する起因力80パーセントの限度で損害賠償義務が認められた事例 2 医師に患者の家族に対する説明義務の不履行はなかったと認められた事例 3 患者家族の「一か八かで手術断行を」という医師への申入が確固たる自己決定権の行使ではなく、また医師が自己の信念に従った診療をしている場合に極めて成功率の低い手術の強行を求めるもので、適正な自己決定権の行使とはいえないとされた事例
1 他人を介した自首に該当しないとされた事例 2 任意出頭した被告人両名を、警察で指示したホテルに宿泊させ、その付近に警察官を配置し、連日警察署に同行して取調を行った措置は、妥当性を欠くが、関係証拠の証拠能力に影響を及ぼすほどの違法とはいえないとされた事例
1 舌癌に対する治療法の選択につき、新鮮癌の段階で手術によらずに化学療法を採用したのは医師の裁量の範囲内であるが、癌再発の段階で根治手術を行わなかったのはその過失であるとされた事例 2 舌癌に対する治療法として化学療法を採用するにつき、患者への説明義務違反はないとされた事例 3 医師の無愛想な対応からこれに不信感を抱いて受診を中止した患者がある場合に、医師は当該患者の受診中止の原因を突き止め、適切な助言をして病状の悪化を防止すべき注意義務があるとされた事例
村内民有地を自衛隊訓練場として使用するに当たり周辺の環境保全と住民の安全確保を図るための協定が地方自治法242条1項の「契約の締結」にいう契約に該当しないとして住民訴訟が却下された事例
1 貸金業法18条2項の貸主の預金口座に対する払込み方法による利息制限法の制限額を超過する利息の支払いがなされたときも、貸金業法43条1項2号により同法のみなし弁済の効力を受けるためには同法18条1項所定の受取証書の交付を必須の要件とする 2 貸金業法18条2項の方法による利息、損害金の支払いにつき、貸金業者と借主間で銀行作成発行の振込金受取証をもって同法18条所定の受取証書に代える旨の合意がなされたとしても、現実に右受取証書の交付がないので、同法43条のみなし弁済の効力を享有しえないとされた事例
私人が窃盗犯人を現行犯逮捕しようとして、その大腿部を蹴るなどしたことが、現行犯逮捕に伴う有形力の行使として許容されるとされた事例