1 保険金請求権の質権者が保険金受領の際、後日保険者に支払義務のないことが判明したときは一切の責任を負い保険金を返還する旨の文言の記載された領収証を交付した場合は、保険者と質権者との間で不当利得返還義務の範囲について特約をしたものとして有効であるが、受領の日の翌日を起算日とする遅延損害金を支払う旨の特約とまでは解されないとされた事例
2 保険金返還請求権について商事消滅時効が類推適用されるとされた事例
クレジットカード会社が会員に対しカード利用代金を訴訟上請求するにつき購入物品名を具体的に主張する必要はないとされた事例
海外商品先物取引業者の従業員の勧誘行為が不法行為に当たるとして、海外商品取引業者、代表取締役及び当該従業員に損害賠償責任を認めた事例
店舗に設置されている看板に、原告の書と類似する文字が記載されていても、その店舗の経営者が右看板の製作に関与していない場合には、右の書を複製したことにはならない、とされた事例
1 認知をした父から子に対する真実に反する認知をしたことを理由とする認知無効確認請求が許されないとされた事例
2 第三者の提起する他人間の親子関係不存在確認の訴えと訴えの利益の有無(消極)
無権代理人の嘱託により作成された金銭消費貸借契約公正証書と他の者と共同で本人を相続したときの無権代理人(共同相続人の一部の者)に対する執行力の有無
所得秘匿工作をしたうえ逋脱の意思で会社臨時特別税確定申告書を税務署長に提出しなかった場合における会社臨時特別税法22条1項にいう「偽りその他不正の行為」とその判示方法
口座振替の方法によるリース料支払いの約定のある契約につき義務履行地は債務者の取引銀行所在地であるとした上、管轄合意を付加的なものとし、民訴法31条の移送を認めた事例
詐欺等被告事件において保釈の条件として「被告人は、弁護人を介さずして事件関係者に対し面接、電話、文書その他いかなる方法によるとを問わず一切接触しないこと」との条件を付したことが違法とはいえないとされた事例
約40年間にわたり通行してきた私道につき、通行地役権の設定契約及び時効取得が否定され、通行の自由権及び権利濫用の反射的通行権に基づく通行の妨害予防請求も排斥された事例
犯行日が昭和63年1月23日であることが明らかであるにもかかわらず、これを昭和62年1月23日と誤って認定判示したことが、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認に当たらないとされた事例