コンピュータープログラムの著作物に対し著作権法119条1号の罪が成立するためには、プログラムの具体的な内容や権利者を知る必要はなく、プログラムであること、権利者が存在することの認識があれば足りるとされた事例
1 特定候補者の支援組織の構成員が、寺院住職に対し、本山が同候補者を推薦していることを伝達すると共に、同候補者に対する支援を依頼する文言を記載した文書を多数頒布した行為が、公職選挙法142条1項の法定外文書頒布罪にあたるとされた事例
2 右の際、金5000円を「御仏前」「御布施」として本尊の前に置いた行為が、同法221条1項1号の供与申込罪にあたるとされた事例
1 物品を受領した商人に商法510条所定の受領物品保管義務違反が認められた事例 2 商法510条の責任が認められる場合に、物品を送付した商人の帰責事由を考慮して損害の一部につき過失相殺(5割)を行った事例
生活保護法に基づき地方公共団体が保護の委託を行い、委託費用を支弁した社会福祉法人が職員を特定政党の国会議員の後援会事務所に派遣し、その間、当該社会福祉法人の事務に従事させなかった場合において、地方公共団体の長が右社会福祉法人に対し、右職員の人件費に相当する委託費用の返還を求めなかったことが、地方自治法242条1項にいう「財産の管理を怠る事実」にあたらないとされた事例
都立高専山岳部員が春山登山に参加して雪崩のため遭難死亡した事故につき、引率教官に過失があるとして、東京都の損害賠償責任が認められた事例
動力漁船を使用して営む「つぶかご漁業」を知事の許可に係らしめ、これに違反した者を処罰することとしている北海道海面漁業調整規則は、これに使用される「つぶ」の概念が極めて多義的であり、このようなあいまいな用語で刑罰法規の犯罪構成要件を定めることは罪刑法定主義に反して許されず、憲法31条に違反するなどとの主張を排斥した事例
保証限度額欄に金額の記載のない基本約定書に署名捺印した連帯保証人の保証について、保証額についての要素の錯誤があるとして無効と認められた事例
1 厚生省援護局の身上調査票の記載の誤りを理由とする慰藉料請求等が認められなかった事例
2 他人の保有する個人情報に誤りがある場合と名誉ないし人格権に基づく訂正請求の可否(積極)
鍼灸師が患者の頸部へ埋没鍼法という施術をした後感覚麻痺等の後遺症が生じた事案につき、鍼が移動しないような確実な措置を取らずに右施術を行ったこと等に過失があるとして鍼灸師の債務不履行責任が認められた事例
豊田商事の被害者から元従業員及び国に対する損害賠償請求訴訟に係る訴訟救助申立事件について、同居の配偶者、親族を含め申立人の年収240万円を基準として判断した事例
1 組合員が組合の決議に基づき失業給付金の不正受給をしたことにより詐欺罪の有罪判決を受けても組合の上部団体等に対し慰謝料の請求をすることは許されないとされた事例
2 右不正受給は組合員と組合の上部団体との共同不法行為であるとし、当該組合員の負担部分が4割であるとされた事例
3 組合の上部団体から組合に対する犠牲者救援基金の支給が組合への一括貸付であり、各組合員は右貸付につき組合から自己への支給相当分の限度で連帯保証をしたとされた事例
1 いわゆる真正商品の並行輸入に該当するとして、商標権に基づき販売の差止等を求めた請求が棄却された事例
2 わが国の商標権者が、当該商標を出願した時点ではその出所表示先として著名な外国企業との間に同一系列の企業体ないしこれに準ずる関係を有せず、かつ、外国企業が自国において商標登録をしていなかったとしても、当該商標の出所表示、品質保証の機能は、真正商品の輸入、販売によって些かも損なわれることがないので、かかる関係を生じた現時点では商標権者からの差止等の請求は権利濫用的なものであって許されないとされた事例
小児の咽頭炎等の治療中に投与した多種、多様な薬剤によって劇症肝炎を招き、患者が死亡するに至ったが、医師に過失はないとされた事例
1 破産宣告・同時廃止の確定から免責確定までの間に破産宣告前の債権について個別的強制執行ができる
2 右の強制執行により権利を実行した場合と不当利得の成否(積極)