既に逮捕勾留されている本犯者の訴追及び処罰を免れさせる目的で、身代わり犯人を警察に出頭させた場合に、その結果本犯者が釈放されなくとも、犯人隠避教唆罪が成立するとした事例
外国人登録法(昭和62年法律第102号による改正前のもの)14条、18条1項8号による指紋押捺の強制が、憲法13条、14条、19条、31条、市民的及び政治的権利に関する国際規約7条に違反しないとされた事例
海外旅行傷害保険契約において、保険契約者の相続人が数名ある場合に、保険会社がそのうちの1名に対してなした、告知義務違反を理由とする契約解除の意思表示が無効であるとされた事例
建設機械の引渡請求権を被保全権利として仮処分執行をした債権者は、その後債権者から目的物を譲り受けた者において、債権者を被告として当該目的物の引渡請求訴訟に勝訴し、右判決が確定した場合は、担保の事由が止んだものとして担保の取消しを求めることができる
土地区画整理組合からその組合員に対してなされた、換地を定める基準となる従前地の地積(基準地積)の決定、通知処分が、法に根拠を有するものではなく、換地計画を決定するための準備行為にすぎないから、抗告訴訟の対象となる行政処分性を具備しないとされた事例
1 措置要求の審査手続に代理人の関与を認めるか否かは人事委員会の自由裁量に任されている
2 給特条例(昭和46年愛知県条例55号)所定の要件を充たさない時間外勤務命令は違法である
3 教職員の自由意思を極めて強く拘束するような形態でなされ、しかもそのような勤務が常態化しているなど、かかる時間外勤務等の実情を放置することが右条例7条が時間外勤務等を命じうる場合を限定列挙して制限を加えた趣旨にもとるような事情の認められる場合には、教職員が当該労働に対する対価として本来取得すべき給与請求権まで排除されない
1 審判の請求を受けない事件について判決した場合に当たらないとされた事例
2 被告人らの自白のとおりに有罪とした原判決の事実認定に不合理な点があるとして破棄された事例
1 潜水用高圧空気ボンベの爆発によるダイビングツアー参加者の負傷事故について、主催者、指導者等の損害賠償責任が認められた事例
2 右ボンベの爆発事故による損害が、「スポーツ保険」にいうスポーツの「指導に従事中の損害」にあたるとして、保険会社の保険金支払責任が認められた事例
1 地方公務員である小学校教諭の同一市内配転につき、これを不利益処分でないとした事例
2 小学校教諭が教育効果を高めるために、同一校に1年以上にわたって在任することは、教育理念として望ましいことであるが、教師が同一校にそのような期間勤務する権利ないし法律上の利益を有するものではない
国家公務員の公権力の違法な行使により損害を被ったと主張する者が、国及び当該公務員を共同被告として損害賠償を求める訴えを提起した事件について、右公務員に対する請求は主張自体失当として弁論を分離のうえ請求棄却の判決をした事例
警察官が被告人の手の指をこじ開けて証拠物を取り上げ、これに反抗して暴行した被告人を公務執行妨害罪で現行犯逮捕、逮捕に伴い別の証拠物を押収した場合につき、各証拠物の証拠収集手続には違法があるが証拠能力は認められるとした事例
1 船舶改装のための溶断・溶接工事と塗装工事が同時並行して行われたため発生した引火爆発事故に関し、両工事を各別の業者に注文した注文者に対し要求される事故防止のための注意義務の内容
2 右引火爆発事故に関し注文者の注意義務違反と現場作業員らの注意義務違反が競合した場合において、注文者の義務違反と事故発生との間に因果関係が存しないとされた事例
商法204条ノ2第2項により譲渡の相手方と指定された者が同法204条ノ3第1項により株式売渡請求権を行使した場合とその撤回の許否(消極)
共同正犯として起訴された被告人両名に対し、一方の単独犯行であるとして1人に対しては死刑の言渡しをし、他方については犯罪の証明がないとして無罪の言渡しをした事例
市街地におけるマンション建設工事に伴う震動により建物に損傷の生じた場合の損害について寄与度に基づく割合的認定がされた事例