自動車事故による業務上過失傷害の起訴に対し、被害者が傷害を負った上死亡したとの事実が認められ、公訴事実にある傷害を負わせたとの事実は認められないとして無罪を言い渡した原判決につき、たとえ証拠上訴因の範囲を超える事実が認定されると判断しても、裁判所は訴因の範囲内において審判すべきであるとして、原判決を破棄し、訴因事実を認定して有罪を言い渡した事例
横断歩道上を横断中の小学生が自動車にはねられて死亡した場合において、右横断歩道に信号機が設置されていなかったことが、道路の設置・管理の瑕疵にあたるとされた事例
1 株主名簿閉鎖期間中に行われた株主名簿書換が効力を有するとされた事例
2 日刊新聞法にいういわゆる無関係株主の株式を出欠株式数及び議決権行使株式数から除外したことは株主総会決議の瑕疵とはならない
3 日刊新聞法1条にいう「株式会社の事業に関係のある者」の意義
町議会の議長たる議員が、右議会から除名処分を受けたが、県知事のした右除名処分を取り消す旨の審決により、右議長の職を回復し、町に対して右議長たる議員の報酬の支払を求める訴えが適法であり、右議長たる議員は、右除名処分を取り消す旨の審決により除名処分時にさかのぼって議長たる議員の報酬の支払を請求する権利を当然に回復するとして、町に対し右報酬の支払を命じた事例
凶器等を所持しない犯人が、銀行の現金出納窓口において、窓口業務に従事中の女子行員(23歳)に対し、凶器を取り出すような素振りを示すことはなかったものの、その顔をにらみつけながら「金を出せ」と語気鋭く申し向け、これにひどく怯えて動転した同女から現金を受け取った所為につき、強盗罪の成立が認められた事例
女性下着販売業の従業員として稼働させるという目的のために、婦女の全裸写真を強制的に撮影しようとした行為について、被告人が男性として性的に刺激興奮させる性的意味をも有する行為であることを認識して行為に出たときは強制わいせつ罪が成立するとした事例
1 特定の遺産を共同相続人の1人に取得させる旨の遺言の解釈(遺産分割方法の指定)
2 右の場合に、遺産共有の状態にあるのに単独名義で所有権移転登記を経由した者に一部抹消(更正)登記を求めることはできないとされた事例
高血圧症等の基礎疾病を有する保育所保母が保育実施(オルガン伴奏)中、くも膜下出血により死亡した場合において公務起因性が認められないとされた事例
1 使用者との間に、職務内容を労働組合の専従書記のみとする特約が成立したとの元在籍専従書記の主張が排斥された事例
2 企業内労働組合と同組合の在籍専従書記との関係は準委任契約と解するのが相当である
1 酒気帯び運転の事実を認定判示するには被告人が当該自動車を運転したこと自体についても自白の補強証拠を要する
2 補強証拠を挙示しない判決と破棄理由(理由不備説)
かわらの意匠につき、公知意匠を参酌して、無模様である点を要部と把握し、模様のある被告製品の意匠は、原告の意匠権の類似範囲に属さないとした事例
1 犯行終了から約40分後に犯行場所から250ないし300メートル離れた派出所内において行われた現行犯逮捕手続が違法とされた事例
2 未成年者を親権による保護関係から離脱させる旨の親権者への告知が、「未成年者の自由」に対する害悪の告知にあたらず脅迫罪を構成しないとされた事例
第1審の離婚訴訟事件の判決で、夫婦間の未成年者の子供(7才2カ月、小学校1年生)の親権者が決定され、右判決に基づき、人身保護法により妻から夫に対して子供の引渡を求めて認容された事例